国際

財政の崖 オーストラリア

昨年2019年の合計特殊出生率が発表されていましたが、2019年は「1.36」でした。

ソース

1947年の統計開始以来最も低い出生率は、2005年の「1.26」ですが、2018年の「1.42」から0.06ポイント低下しています。

ソース

平均寿命を一定として計算しても、仮にこの「1.36」のまま続けば、2100年には人口は4600万人を割ってしまいます。

今年に入って女性の人口の半分は50才を超えており、出産できる年齢の人口が減少しているわけです。

既存の人口を維持していくには最低でも出生率を「2.07」以上にしなければなりませんが、仮に現時点で「2.07」にしても、2080年代までは人口の減少は続いていきます。

人口が減少を続けていく中で巨額の財政赤字だけが積みあがっていく。

いずれ2080年までのいつかの時点で財政破綻でしょうね。

つまり出生率を上げても、恐らく既にこの問題は手遅れです。

この人口減少問題は、見ざる・聞かざる・言わざるの三猿主義で無視していく以外にないでしょう。

新型コロナの世界の感染者数が「1400万人」を突破しました。

世界の感染者、連日20万人以上のペースで増加…累計1400万人突破 読売

米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、新型コロナウイルスの世界の累計感染者数は17日(日本時間18日)、1400万人を突破した。

死者数は60万人に迫っている。

感染者数は、13日に1300万人に達した後も連日20万人以上のペースで増え続けている。

日本時間では18日ですが、現地時間では7月17日に突破です。

当サイトの数字は日本時間ではなく、現地時間に合わせています。

するとこうなります。

4か月(4月2日/100万人) → 13日後(4月15日/200万人) → 12日後(4月27日/300万人) → 12日後(5月9日/400万人) → 12日後(5月21日/500万人)→ 9日後(5月30日/600万人)→ 9日後(6月8日/ 700万人) → 7日後(6月15日 / 800万人)→ 7日後(6月22日 / 900万人)→ 6日後(6月28日 / 1000万人)→ 5日後(7月3日 / 1100万人)→ 5日後(7月8日 / 1200万人)→ 5日後(7月13日 / 1300万人)→ 4日後(7月17日 / 1400万人): ジョンズ・ホプキンス大学の集計

今のところ最速の「4日」で100万人の感染を記録しています。

やはり加速しているわけです。

最大の感染国となっているアメリカでも感染拡大が続いており、16日には1日の感染者数としては最多となる「7万7255人」を記録しています。

米国の新規感染者、7万7000人超え過去最多に CNN

カリフォルニア、フロリダ、アリゾナ、テキサスの4州では病院のベッドが不足している。

特にフロリダでは子供の陽性率が「31%」となっており、全体としては「280万人」の子供が陽性反応を示しています。

フロリダ州、子どもの陽性率が3割超。知事は学校再開を求める【新型コロナ】 ハフィントンポスト

州保健局が7月10日に発表したデータによると、検査を受けた18歳以下の5万4022人のうち、陽性だったのは約31%に当たる1万6797人。

全体では約11%に当たる約280万人が陽性だった。

ウィルスが変異しているためなのかどうか知りませんが、致死率は鈍化しており、今までとは逆に感染の低年齢化が目立ってきています。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、この世界の感染状況を、

我々が築いてきた社会の骨が折れた

と表現しています。

WHO(世界保健機関)も正式に日本で言う「3密(密集・密接・密閉)」を英訳までして「3つのCを避けよう」と推奨しています。

ソース

Crowded places(密集)

Close-contact settings(密接)

Confined and enclosed spaces(密閉)

頭文字の「C」を取って3つの「C」を避けようと言っています。

WHOのフェイスブックの画像はこれです。

ソース

ワクチンもなく、有効な治療薬もないまま感染第二波に襲われますと、ハルマゲドンに近くなってくる。

事実、元WHOのウィルス学者であるクラウス・シュテール氏がそれを警告しています。

世界の大半でワクチンないまま次の波到来へ-元WHOシュテール氏 ブルームバーグ

シュテール氏:このウイルスの疫学的な習性は他の呼吸器系疾患とそれほど変わらない。

冬季に再び戻ってくる。

もう一つの波が来るだろう。

それは極めて深刻なものとなろう。

人口の90%超が影響を受けるかもしれない。

厳格なロックダウン(都市封鎖)や同様の措置によって再び引き締めを図らなければ、ウイルスの非常に大きいアウトブレーク(感染爆発)が引き起こされるだろう。

ワクチンが提供される前に冬が来る。

感染件数は増え、移動や自由へのさらなる制約に対し人々があまり従わないようであるため、封じ込めは難しくなる。

新型コロナは冬季に戻ってきて、もう一つの大きな波がくる。

次の波は極めて深刻な感染を招き、人口の90%が影響を受けるかもしれない。

世界はワクチンのある国とない国に二分され、世界の大部分ではワクチンが提供されない。

世界人口の大半はワクチンを接種することができず、感染は拡大を続け、ワクチンのないまま感染第二波を迎える。

人口の大半に影響を及ぼすまで2年~3年はかかる可能性がある。

非常に恐ろしい警告です。

ちなみに60匹で1着のコートを作ることができるミンクですが、新型コロナに感染して「9万2700匹」が殺処分されています。

毛皮用ミンクがコロナに感染、9万匹を殺処分 スペイン 朝日

スペイン北東部アラゴン州政府は16日、毛皮製品に使うミンクの飼育場で新型コロナウイルスの集団感染が起きたとして、飼われている9万2700匹すべての殺処分を命じた。

州政府は、ヒトとミンクの間で感染が起こるかは判断できないとしているが、「住民への感染のリスクを避ける」ために殺処分を決めた。

農場で従業員が感染した例について、「最初に確認された動物からヒトへの感染になる可能性がある」

動物から人への感染の可能性です。

人類は新型コロナと闘っているわけですが、孫子の兵法には「彼を知り己を知れば百戦殆からず」とあります。

彼を知らずして、己を知れば、一たび勝ちて、一たび負く。

彼を知らず、己を知らざれば戦うごとに必ず敗る

この孫子の兵法が正しければ、人類は新型コロナに敗れます。

敵である新型コロナのことも知らず、おのれのことも知らないわけですから、戦うごとに敗れる。

気候変動でも同じです。

この新型コロナはアメリカを非常に苦しめており、既に世帯の成人の半数が就労所得を失う事態となっています。

米国世帯の成人の半数、就労所得失う コロナ被害 CNN

米国勢調査局は18日までに、新型コロナウイルスの感染拡大で各世帯にいる成人の半数が就労に伴う所得を失ったことが判明したと報告した。

州別に見た場合、観光業が主要産業となっているハワイ州での比率は61.6%で、カジノ業界が閉鎖されたネバダ州では59.7%。ニューヨーク、カリフォルニア両州ではそれぞれ58.2%と57.5%だった。

新型コロナの感染再拡大によって大企業も資金繰りが困難になってきており、人員整理による一時解雇が再び増加する可能性がある。

今回の調査結果によると、米国人成人の約35%が就労所得の喪失を予想。

25%以上は先月、自宅の賃貸料や住宅ローンの支払いが出来なかった。

アメリカのGDPの70%は個人消費です。

25%以上の人達が、家賃や住宅ローンを支払えなかったとあります。

今月の末には週600ドルの給付金が期限切れとなりますが、このような状況で給付金が切られますと厳しいことになりそうです。

中小企業への支援策である給与保護プログラム(PPP)の申請期限も来月の8日で切れますが、一応支援は12月末まで延長されています。

個人にも給付し、中小企業の従業員にまで雇用を守るために政府が給与を支払っておりますが、いつまでもできる政策ではありません。

世界各国の財政支出は既に「1000兆円」を突破しているわけであり、これ以上新型コロナの感染が拡大していきますと、更に財政の崖へと落ちていく。

ほんと危なそうです。

世界各国の財政支出1000兆円突破 「第2波」懸念、上積みも―新型コロナ 時事

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、各国・地域が打ち出した財政支出は1000兆円を突破し、史上最大規模に膨らんだ。

一方、感染第2波到来のリスクも高まっている。

米疾病対策センター(CDC)は12日、感染者が急激に増えれば外出規制を再発動する必要があると警告。

戦後最悪とされる危機が長引けば、失業者の増加は不可避だ。

IMFのゲオルギエワ専務理事は「思い切った景気刺激策が必要」と、追加措置を呼び掛ける。

IMFは早期の経済刺激策をアメリカに催促していますが、EUも「7500億ユーロ(92兆円)」の復興基金で合意しています。

EU首脳会議、「復興基金」で合意成立-7500億ユーロ ブルームバーグ

世界各国の財政赤字が、新型コロナの災禍によって膨大な額で急増しています。

更に膨張していきそうですが、国際機関の世界経済見通しはこれです。

ソース

OECDが最も楽観的であり、来年の成長率を「2.8%」としていますが、これは結局は不況の見通しと言えそうです。

世界経済の成長率は「3.0%」が好不況の分かれ目であり、節目と言われています。

3.0%を割り込みますと、不況に突入ということです。

IMFはゼロ成長であり、世銀は1%です。

国際機関はいずれも来年も不況と見ていることになる。

アメリカ政府の第四弾の財政出動は「2兆ドル」規模と見られていましたが、お金がないのでしょうか。

1兆ドル」に半減しています。

米追加対策、107兆円超 失業給付や学校再開―トランプ政権・与党 時事

第四弾の財政出動が、アメリカ大統領選挙までの最後の財政出動と言われています。

今月末までの実現を目指していますが、協議は難航しそうです。

まだ第二波も来ていないのに必死ですが、政府債務は急増していくでしょうね。

いずれドルが暴落したりしてね。

ゴールドが急騰しちゃってね。

アメリカ経済が崩壊したりしてね。

トランプ大統領も落ち込んじゃってね。

こうなったりしてね。

ああああぁ。

冗談ですけどね。

アメリカは失業給付の増額措置が今月末に切れ、航空会社の雇用支援も9月末に切れ、最大6万人の人員整理が懸念されています。

ウィルス対策の期限切れによる「財政の崖」が迫っているわけですが、オーストラリアも同じです。

豪企業に迫る「財政の崖」、給与補助9月終了で大量の経営破綻も ロイター

豪州では、政府による給与支払い補助制度が9月に終了後、運輸および接客業界で多数の企業が破綻する可能性がある。

デロイトのエコノミストらは20日、給与補助を通じた財政支援が途切れる「財政の崖」が9月に到来するのを契機に、観光事業および専門的サービスを手掛ける約24万社が破綻する可能性が高いと指摘。

オーストラリアは24万社が破綻し、9月が近づくにつれて大量の差し押さえが発生する。

そして失業の第二波を引き起こす。

「極めて困難な状況になるだろう」

「かなりの数の企業が、支払い不能に陥ると見込む。

売上高が回復していないからだ。

多くの部門ではすぐに回復する見込みはなく、二度と回復しない可能性もある」

アメリカも厳しそうですが、オーストラリアもかなり切羽詰まっています。

9月と言えば、新型コロナの感染第二波の足音が聞こえている頃です。

今年の秋辺りからハルマゲドンに近い状況が訪れるかもしれない。

確かに殺しのための殺しにはなっていないと思いますけどね。

関連記事

  1. 東芝、今週中に3月期決算を提出

  2. 米アカデミー賞 オスカーを韓国映画が受賞

  3. 米朝開戦の分水嶺

  4. 吹くか「安風」

  5. ウィルスの災い

  6. 世界終末時計

  7. 位置がよく分からないカールビンソン

  8. ペトロダラーの終焉

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カレンダー

2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 

アーカイブ

最近の記事 おすすめ記事
  1. 2024.11.23

    総括 54
  2. 2024.11.23

    総括 54 単T
  3. 2024.11.20

    総括 53
  4. 2024.11.20

    総括 53 単T
  5. 2024.11.16

    総括 52