アメリカの「戦争権限法」によれば、大統領が議会の承認なく戦争を始めた場合、「60日以内」にその戦争を終わらせるか、戦争継続の議会の承認を求めるか、あるいは軍の安全を理由に「30日間」の延長を求めるか、いずれかをアメリカ大統領に義務づけています。
議会の承認なく戦争を始めた場合、アメリカ大統領は「60日間」しか戦争ができないのです。
トランプ大統領が、戦争を議会に通知したのは「3月2日」ですので、「5月1日」がその期限となります。
ただ過去この「戦争権限法」は破られたことが何回もあるようであり、ヘグセス国防長官も4月8日からの停戦期間は、この「60日間」には入っていないと言ったり、色々と屁理屈を述べておりますので、普通に今まで通り、戦争を継続しそうです。
国防総省のハースト会計監査官代行は、議会で初めてイラン戦争の戦費は「250億ドル(約4兆円)」と証言しました。
もちろん笑われていました。
戦費には、イランが攻撃した中東各地のアメリカ軍基地の損害「50億ドル(約8000億円)」が含まれておらず、民主党のロー・カンナ下院議員は、この「250億ドル」を「でたらめだ」と断じています。
国防総省はこれ以前、戦争開始からわずか6日間の費用が約110億ドルだったと議会に説明しており、先月には、ホワイトハウスに対しこの戦争のために2000億ドル超の追加軍事予算を議会に要請する承認を求めている。
民主党は「戦争目標は何一つ達成できていない」と言い、同党のリチャード・ブルメンタール上院議員も「実際の費用よりはるかに小さい数値で、戦争総費用の半分にも、あるいは4分の1にも満たないだろう」と言及しています。
「4分の1」にも満たないならば、既にイラン戦争の戦費は「1000億ドル(約15兆7000億円)」を突破していることになります。
ここでは「686億ドル(約10兆8000億円)」とあり、既に「10兆円」を突破しています。
死者数もこういった発表がされています。
左下のほうにイスラエルとアメリカの死者と負傷者数が出ておりますが、どうも大本営発表みたいです。
イスラエルは「26名」の死者に「7791名」の負傷者とあり、アメリカは「13名」の死者に「200名」の負傷者とあります。
このような画像が流れておりましたので、とても「26名」の死者とは思えないのです。
ちょっと見ただけでも数百名は超えています。
ちなみにイランは「3375名」の死者に「2万6500名以上」の負傷者とあります。
イラン戦争は「62日目」に入っておりますが、今までのような攻撃をしておりますと、「ウィンチェスター」状態、いわゆる「弾切れ状態」を疑わなければならなくなりますが、今のところ大丈夫なようです。
「ウィンチェスター」状態となれば、アメリカはイラン戦争を終わらせる必要が出て来ます。
イランが終わらせてくれそうにありませんので、戦争は継続していくでしょう。
これを見ますと、今までの攻撃で弾薬が枯渇しそうなわけですが、記事を読みますと、まだまだいけるそうです。
ここではたとえば「トマホーク・ミサイル」の単価は「260万ドル(約4億1000万円)」とあり、戦争前の在庫推定値は「3100発」とあります。
このうちイラン戦争で「1000発以上」使用しています。
トマホークを補充するには「47か月(3.9年)」かかります。
PrSM(精密打撃ミサイル)は、戦前の在庫「90発」のうち「70発」撃っており、枯渇寸前です。
補充には「46か月(3.8年)」かかります。
THAAD(サードミサイル)は、単価が「1550万ドル(約24億3400万円)であり、戦前の在庫「360発」のうちイラン戦争で「290発」使用し、これも枯渇寸前です。
補充するには「53か月(4.4年)」かかります。
パトリオット・ミサイル(PAC-3)も単価は「390万ドル(約6億1000万円)」であり、戦前の在庫は「2330発」です。
このうちイラン戦争で既に「1430発」使用しており、半分以上を使っています。
補充するには「42か月(3.5年)」かかります。
記事では、弾薬の在庫を戦前の水準まで回復するのに「1年~4年」かかるとあります。
この記事では最長「6年」かかるとあります。
イラン攻撃、台湾有事対応に影響も 弾薬大量消費、補充に最長6年―米 時事
米軍が対イラン攻撃で大量の弾薬を消費したことで、台湾有事など将来起こり得る紛争への対応に影響が出かねないとの見方が広がっている。
米軍は2月28日の戦闘開始以降、1000発以上の巡航ミサイル「トマホーク」を発射。
迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」や防空システム「パトリオット」などの計1500~2000発を使った。
トマホークの消費量は、備蓄量の約3割に当たるとの分析が出ている。
WSJによると、ミサイル備蓄を完全に補充するには最長で6年かかる可能性がある。
アメリカの記事では、在庫がこれほど枯渇しているのに、アメリカはこの戦争に必要な弾薬を十分に保有していると結論づけています。
それは、戦争初期からの使用量の劇的な減少にあります。
戦争初期のように高価な弾薬を使用していないのです。
地上攻撃に関しては、より安価でより豊富な弾薬が、長距離弾薬(TLAM、JASSM、PrSM)をほぼ完全に置き換えているためです。
今ではアメリカ軍も、イランのように安価な弾薬に置き換えているようです。
しかしてアメリカの国防専門家は、アメリカの精密誘導兵器の備蓄を補充するには「4年~5年」かかると警告しています。
イラン戦争前の備蓄量ですら不足しておりましたので、現在の備蓄量では、アメリカの戦争遂行能力は大幅に制限されるだろうと言っています。
中国との戦争を想定しているようであり、今の備蓄量ではとても足らず、まだ何年もかかるとあります。
今回のイラン戦争で中国と戦争するには、現時点でも「4年~5年」はかかりそうですので、これ以上イランとの戦争が続けば、更に先に伸びそうです。
需要はあるわけですが、「ウクライナ」でもパトリオット・ミサイルの需要が急増しているため、イランとの戦争が長期化すれば、供給に支障が出てくるようです。
供給が需要に追い付かないのです。
アメリカの財政は、5年も10年も、もたないと思いますけどね。
甘々の議会予算局(CBO)の試算によれば、アメリカ国債の利払い費は2035年に「1兆8000億ドル(283兆円)」に急増します。
実際は米国債の買い手不足から、じりじりと長期金利は上昇していくでしょうから、遅くとも「4年~5年」で限界がきます。
ガンドラック氏は、アメリカの長期金利は「6%」まで上昇し、その時、米国債の利払いの限界が来ると予測しています。
アメリカ経済が「リセット」されるということです。
利払いだけで「2兆ドル(314兆円)」というのは、もうどうしようもないです。
日本も似たような状況であり、通貨の実力を示す「3月」の実質実効為替レートが、過去最低を記録していました。
「円」の価値が凋落(ちょうらく)し続けている。
国際決済銀行(BIS)によると、通貨としての総合的な実力を示す「実質実効為替レート」は今年3月時点で66.33(2020年=100)と、統計が始まった56年前の水準を下回った。
海外からモノやサービスなどを「買う力」が失われていることを意味し、食料や原油など輸入品の価格高騰を招いている。
集計が始まった70年のレートは75近辺だった。
当時は1ドル=360円の固定相場制だったが、現在はこの水準も下回っている。
低迷の要因について「少子高齢化を背景に進む国力の低下である可能性が高い」と分析する。
記事では「66.33」とありますが、これは先月の数字であり、3月の実質実効為替レートは「66.36」にBIS(国際決済銀行)が修正しています。
先月のBISの数字はこれでした。
だから時事の記事でも「66.33」とあるわけですが、今月(5月)に入って修正されたのです。
日銀のデータでも、未だ修正されておらず、上記の数字が使われています。
赤枠で囲んだ部分が修正されているのです。
最新のBISの数字はこれです。
3月の実質実効為替レートは、「66.33」ではなく、「66.36」です。
そのうち日銀のHPでも修正されるはずです。
日銀の数字の大元はBISですからね。
日銀の実質実効為替レートの統計は、1970年1月から始まりますが、それ以前の数字はないのです。
この数字も数年事かどうか分かりませんが、修正されるのです。
3年前の古い数字はこれでした。
「円」の最安値は、1970年8月の「73.45」だったのです。
これが最新の数字ではこうなっています。
1970年8月の「73.45」から「73.55」に修正されています。
この頃は、「1ドル360円」の固定相場制の頃ですので、「66.36」と言う数字は、固定相場制の頃よりも、更に「円」が安くなっていることを意味します。
固定相場制の頃よりも購買力が下がっているのです。
この円安水準は、以前から指摘しておりますように「国力の衰退」の可能性が高いのです。
時事の記事では、「少子高齢化を背景に進む国力の低下である可能性が高い」とありますが、そうでしょうね。
アベノミクスで異次元の緩和をし、散々「円」を刷りましたので、円安になるのは当たり前の話なのですが、当時安倍政権を熱狂的に支持した国民の責任です。
自国の通貨を激安にし、日本を安い国家に凋落させたのは、明らかにアベノミクスなのです。
これだけ「円」を刷りまくりますと、かつてのような円高には二度と戻らないでしょうね。
以前も「1ドル162円」直前で為替介入がありましたが、今回も「1ドル160円」を突破した途端、為替介入が入りました。
このような小手先の介入に意味はなく、直ぐに円安に戻っていきます。
円高トレンドへの転換が難しいのは、アベノミクスで「円」を刷り過ぎたからです。
とにかく日本衰退のために、異常な緩和をやったのです。
ここまでやってしまったら、もう取り返しはつかないでしょうね。


























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