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米国債の利払い 2

米国債も異常な事態に入りつつありますが、日本国債も似たようなものです。

日銀の保有する日本国債の含み損の推移も異常なのです。

2024年9月末時点での含み損は「13兆6604億円」でした。

保有国債の評価損が過去最大、9月末13兆6604億円 金利上昇で=日銀 NEWSWEEK

日銀が27日に発表した2024年度上半期の財務諸表などによると、日銀が保有する国債の評価損は9月末時点で13兆6604億円と半期ベースで過去最大となった。

日銀の利上げなどで市場金利が上昇したため。

これが「1年後」の2025年9月末時点での含み損は、「32兆8258億円」と1年で倍増しているのです。

国債含み損、過去最大の32兆円=長期金利上昇で―日銀中間決算 時事

日銀が26日発表した2025年9月中間決算によると、保有する国債の含み損は9月末時点で32兆8258億円(3月末は28兆6246億円)と過去最大になった。

日銀が金融正常化に向けて国債買い入れ減額などを進める中、長期金利の上昇(債券価格は下落)で国債の評価額が下落した。

含み損は、「1年間」で「13兆6604億円」から「32兆8258億円」へと「倍増」しておりますが、2024年9月末時点での長期金利は「0.855%」であり、2025年9月末時点での長期金利は「1.648%」でした。

差し引き「0.793%」です。

長期金利が「約0.8%」上がっただけで、含み損が「2.4倍」に増えているのです。

今の長期金利は「2.5%」を超えており、2025年9月末時点から「0.854%」上昇しています。

日銀の保有している国債の含み損が拡大していることは間違いなく、「40兆円」を超え、「50兆円」を超えているかもしれません。

日銀は2025年1月に「0.5%」の利上げを行い、民間金融機関に支払う「利払い費」が増え、保有国債から受け取る「利息収入」を上回る「逆ザヤ」に陥っていました。

去年の12月にも「0.25%」の利上げを行い、今の政策金利は「0.75%」になっておりますが、これ以上利上げをすれば、「逆ザヤ」が拡大してしまうため、中々利上げに踏み切れていません。

2年債は「1.376%」と明らかに市場は「0.5%」の利上げを催促しているわけですが、「賃金と物価の好循環」や「為替(円安)の動向」、 あるいは「アメリカの景気」を見ながら「0.25%」ずつ利上げしていくようなことを言っています。

1.376%(2年債)− 0.75%(政策金利) = 0.626%

「0.25%」を「2回(0.5%)」利上げし、政策金利を「1.25%」まで上げろと催促しています。

株の含み益が莫大なものになっておりますので問題にされておりませんが、レイ・ダリオ氏の主張する「衰退国家の3条件」に日本も入っているのです。

「通貨安」に「インフレ」、そして「過大な債務」です。

特に「通貨安」は致命的であり、1ドル=360円時代よりも、「円」は安くなっているのです。

「イラン戦争」で何かのスイッチが入ってしまったのではないか。

イランの目的の中に「アメリカ国内のガソリン価格の高騰」や「ペトロダラー体制の弱体化」は入っていると思う。

EIA(米国エネルギー情報局)も「5月」のガソリン価格を公表しています。

ソース

1ガロン「4.452ドル」とこちらも「AAA(全米自動車協会)」と同様、「4.4ドル」を突破しています。

AAAのほうは1ガロン「4.5ドル」を突破し、1ガロン「4.536ドル」になっています。

じわり、じわりと上がっています。

2022年の時は、「4.4ドル」を突破した後、4週間後に1ガロン「5ドル」を突破し、最高値をつけていました。

このガソリン価格の上昇は、あらゆる製品の価格を押し上げる土台のようなものであり、イランは明らかにこのガソリン価格の高騰を狙っているのです。

トランプ政権は、次期FRB議長のウォーシュ氏に「利下げ」を要求しておりましたが、レイ・ダリオ氏は「利下げをすべきではない」と警告しています。

今の状況で利下げをすれば、インフレが加速してしまうからです。

アメリカ経済は、既にインフレと景気停滞が共存する「スタグフレーションの局面」に入っているとまで言っています。

大変な危機感です。

【レイ・ダリオ氏警告】米国はすでにスタグフレーションに突入、利下げは米連邦準備制度理事会の信頼を失墜させると指摘 BigGo ファイナンス

利下げを行うことは中央銀行としての信頼を損なう致命的なミスになると苦言を呈している。

米国経済がすでにスタグフレーションの罠(わな)に陥っており、次期米連邦準備制度理事会(FRB)指導部が利下げに踏み切れば、中央銀行としての信頼に壊滅的な打撃を与えることになると厳しい警告を発した。

しかしてウォーシュ氏を選んだのは「利下げ」のためです。

トランプ大統領が「利上げ」をするわけありません。

しかもイラン戦争を見ても明らかですが、平然と愚かな政策と行動を取る大統領です。

「利下げ」をしても驚きません。

ダリオ氏の警告は、政策論争における変化を如実に示している。

議論の焦点は、米連邦準備制度理事会が「いつ利下げを行うか」ではなく、景気を深刻な不況に陥らせることなくインフレを抑制するために、「どれだけの間、金利を高い水準に維持する必要があるか」へとシフトしている。

と至極真っ当なことを述べておりますが、IMF(国際通貨基金)はアメリカの平均インフレ率を「3.2%」と見ており、OECD(経済協力開発機構)は、「2.8%」の予測から大幅に引き上げ、アメリカのインフレ率を「4.2%」と見込んでいるのです。

4月のインフレ率も「3.3%」から上昇すると予想されており、このような状況で「利下げ」をすれば、確かに致命的なミスになるかもしれません。

エネルギー価格の高騰で、インフレ傾向にあるためです。

2月のインフレ率「2.4%」から3月の「3.3%」へと、急上昇したことは記憶に新しいところです。

今月の半ばに就任予定のウォーシュ氏が、この状況で「利下げ」をするかどうか。

普通ならば「利下げ」をするわけないのですが、あのトランプ氏が指名した人物ですので何とも言えません。

ただアメリカ経済は、危うい状況のようであり、元FRB議長のイエレン氏も「ハイパー・インフレ」を警告しています。

「ハイパーインフレ」元FRB議長イエレンが警告──ビットコイン上昇予測を後押し フォーブス

元連邦準備制度理事会(FRB)議長のジャネット・イエレンは、ドナルド・トランプ米大統領が米ドルを「ハイパーインフレ」へと押しやる可能性があると警告した。

「先進国の大統領が、債務の利払いコストを下げるために金利を設定すべきだという見解を示すことが、どれほどあるだろうか」。

イエレンは「まともな国では聞かない類の話だ」と述べ、「これほどのレベルでFRBが脅かされるのを見たことがない」と付け加えた。

また、政府予算のために金利を管理することは「ハイパーインフレ」につながる可能性があるとした。

トランプ大統領が、執拗に「利下げ」を求めているのは、「約40兆ドル(約6360兆円)に膨らんだ債務に対する政府の借入コストを抑える」ためです。

「利下げ」をすれば、インフレが加速していきますので、需要を抑制するために、いずれ「利上げ」をせざるを得なくなるのです。

「利上げ」をすれば、利払い負担も増え、米国債も下落していきます。

トランプ氏が、ニクソンと同じ轍を踏むかどうか判然としません。

当時、元大統領ニクソンは、インフレを無視し、景気後退から脱出するために「金融緩和」に走り、インフレ率を「15%」にまで上げ、それが「10年以上」も続いたのです。

トランプ大統領も「金融緩和」で「債務の問題」を解決しようとしています。

「金融緩和」で金利を下げて債務の負担を減らそうとしているのですが、それをすればドルが犠牲になります。

アベノミクスの二の舞になるのは明らかであり、大量のドルをばらまこうとしておりますので、ドル安となり、輸入物価は高騰し、インフレが加速していくのです。

「円」でもあったことなのです。

アベノミクスによって恐ろしいスピードで下落していった「円」から逃避していく投資家が激増し、日本から資金が流出していったのです。

「円」は暴落し、国力の衰退としてあらわれています。

アメリカは「財政赤字の削減」や「財政支出の削減」によって、債務の問題を解決することは諦めたようであり、「金融緩和」による「ドル安政策」しか選択肢がないのです。

政治家がジャンキーと化しており、国債の発行をやめられなくなっているのです。

今後、トランプ大統領の「金融緩和」によって、大量の米国債がばらまかれていきますが、もしその発行量に比例した買い手を見つけることができなければ、需給関係から米国債は下落せざるを得ません。

長期金利は上昇していくことになります。

その長期金利を抑えつけようとすれば、FRBがドルを無制限に刷って、米国債を買い支えるしかなくなるのです。

ドルの大量発行によって、ドルは暴落していくでしょう。

ドルは犠牲に供され、イエレン氏が警告しているようにアメリカは「ハイパー・インフレ」に突入していきます。

ガンドラック氏は、ロゴフ教授と同様、「2030年」までにアメリカは債務の増加によって破綻すると予測しています。

では次の景気後退で、財政赤字がGDPの6%という今の数字から10%、12%、14%へと上がったらどうなる?

そうなれば、アメリカ政府の税収のすべては国債の利払いに行ってしまい、アメリカは破綻するだろう。

税制や負債がこのままならば、2030年まで、つまり5年後までにアメリカの税収の60%が米国債の利払いで消える可能性は十分にある。

もっと過激に米国債の金利が9%まで上昇し、財政赤字がGDPの12%まで上がるという悲観的な想定をすれば、2030年頃には財政赤字は税収の120%まで増加するだろう。

2030年までに税収「5兆ドル」のうち「60%」、すなわち「3兆ドル」が利払いで消えると予想しています。

ガンドラック氏は、アメリカの長期金利が「6%」まで上がると見ているのです。

それだけ米国債の買い手がいなくなると言うことです。

しかも最悪、景気後退によって2030年には、財政赤字は税収の「120%」、つまり「6兆ドル」になるとまで言っています。

税収の全てが利払いで消え、アメリカ経済は破綻すると予測しているのです。

何もなくても、米国債の利払いはこのように推移しますからね。

2026年 : 1兆0390億ドル

2027年 : 1兆1080億ドル

2028年 : 1兆2100億ドル

2029年 : 1兆3250億ドル

2030年 : 1兆4320億ドル
 
2031年 : 1兆5480億ドル

2032年 : 1兆6700億ドル

2033年 : 1兆7840億ドル

2034年 : 1兆9040億ドル

2035年 : 2兆0190億ドル

2036年 : 2兆1440億ドル

ソース

あなたのことは忘れません。

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