ゴールドマンサックスに続いてブラックロックも警鐘です。
米ブラックロック:商品相場にさらなる打撃も、中国減速やドル高で ブルームバーグ
米ブラックロックは約30年ぶりとなっている商品相場の大幅下落局面はまだ続く可能性があると指摘する。
「相場は残念ながらまだ下向きだ」
「特に中国のような資源集約型経済を中心に世界経済が減速していることに伴う需要鈍化が見られる」
商品相場は23日に1999年以来の安値を付けており、今年は5年連続の前年比マイナスとなる見込みだ。
中国経済は減速し、原油や非鉄金属などあらゆる商品が供給過剰となっている。
米利上げ観測を背景としたドル高も価格への逆風を強めている。
需給緩和はまだまだ持続しそうです。
ちなみに需給緩和とは「需要<供給」であり、需給逼迫とは「需要>供給」、需給均衡とは「需要=供給」です。
供給過剰状態ということですが、あらゆる商品相場が供給過剰になり、価格が下落傾向を見せています。
供給過剰のデフレです。
「一部の工業用金属や原油など多数の商品が相当な供給過剰状態にある」
「特にエネルギー市場などでは、需給が再び均衡するまでさらに時間がかかるだろう」
アメリカ航空各社も長期的な原油安に備えています。
米航空各社、原油安の長期化見込む-多額の損失でヘッジに慎重 ブルームバーグ
世界最大級の航空会社2社は原油価格が近い将来上昇することはないと賭けている。
原油価格が今年付けた6年ぶり安値に再び近づく中、世界2位の米ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスと3位の米デルタ航空はヘッジを減らした。
2014年にヘッジポジションを全て解消した最大手アメリカン航空グループに倣った形だ。
12月4日にウィーンでOPECの総会が開かれますが、原油安への対応は期待しない方がいいようです。
OPECは今までの戦略を継続していく見通しです。
原油30ドルの崖、来年のロシア経済脅かす-エコノミスト予想 ブルームバーグ
ロシアにとって1バレル=30ドルは警戒すべき原油価格水準だ。
この価格水準ではロシアの金融システムを脅かすほどの深みにロシア経済がはまり込むとの見通しを示した。
石油市場でのさらなるショックを乗り切る準備ができていないロシアにとって、来年は原油価格の下落が最大のリスクになる
(ゴールドマンサックスは)冬季の気温が平年を上回れば暖房燃料需要が後退し、原油価格が20ドルまで下落するきっかけとなる可能性は十分あるとの見方を示した。
米国の原油在庫が過去最高に近い水準まで膨らみ、石油輸出国機構(OPEC)の産油量が生産目標を上回っているため、原油価格は下落している。
OPECは12月4日にウィーンで開く総会で、生産量を維持することにより他地域の高コスト生産を抑制し、市場シェアを確保する戦略を継続すると予想されている。
供給サイドの構造が、シェール革命によって根本から変わっておりますので、今まで行ってきたOPECの生産調整による価格カルテルは崩壊しているようです。
今までOPECの暗い密室で決めていた原油価格が、密室で決められなくなり、カルテルが崩壊しています。
シェール革命によって非OPECの供給量が増大したためカルテルではなく、純粋に需給(需要と供給)によって価格が決定する構造に変化しています。
少ない需要を奪い合う価格競争であり、安い原油を生産できた方が市場シェアを占有します。
中東で大規模な紛争でも生じない限り、原油価格はそうそう上がりそうもありません。
逆オイルショックです。
原油価格が高騰することによってスーパーからトイレットペーパーがなくなってしまったオイルショックの逆であり、原油価格が逆に急落することによって受ける世界的なショックです。
まさにこの恐竜(原油は恐竜の死骸)、世界を滅ぼすかもしれません。
救世運動が開始された1985年に逆戻りするかのような様相を呈してきました。
タイムスリップでもしたのでしょうか?
1986年、1バレル30ドル台であった原油価格は、わずか半年で1バレル5ドルにまで暴落しています。
「逆オイルショック」が再来? シェールオイルがもたらすエネルギー情勢の激変 JB PRESS
(80年代半ば)中東の大産油地域から締め出された石油メジャーが非OPEC地域の石油生産量を急増させ、低迷する需要をOPEC産原油と奪い合うようになった。
このような事態に直面しても、OPEC諸国は協調して減産を行うことができず、結果的にサウジアラビア一国が減産を引き受けざるを得なかった。
80年のサウジアラビアの生産量は日量1000万バレルであったが、85年には200万バレルにまで激減、OPEC石油の世界市場に占めるシェアも30%を割り込んだ。
サウジアラビアは、事ここに至っても減産に協力しない他のOPEC諸国に痺れを切らし、85年12月に「これ以上減産に耐えることはできない。調整弁役を放棄して増産を開始する」と宣言したため、高止まりしていた石油価格は瞬く間に下落した。
86年以降、石油価格は高騰することなく、1999年まで20ドル前後で推移した(湾岸戦争前後を除く)。
今とそっくりです。
「低迷する原油への需要」「奪い合うシェア」「価格調整役の放棄」「非OPEC地域の石油生産量の増大(シェール企業)」「カルテルによる価格決定権の喪失」「市場シェアを競う競争原理」
そして原油価格の下落。
原油の供給サイドの構造変化が価格を引き下げています。
救世運動が開始された1985年の末頃は、最初の5年間が神理の学習期間であり、1991年から1999年の「9年間」で宗教革命が起こり、全世界に神理が伝道される。
その過程で戦争や天災が断続的に続き、最後の1999年の夏に致命的な世界的大破局が起こり、世界は一旦終焉を迎える。
20世紀文明は実に劇的なフィナーレを迎えると預言されていました。
次の10年間で残党共の整理と復興が行われ、次の10年で世界は安定期を享受する。
そして2020年から黄金時代となる、そういった予定でしたね。
すると諸神霊は大体20年間で全世界を変革しようとしていた計算になります。
一致団結してこれですから一致団結は、恐らく既にない状況でしょうから、それぞれの霊系団の影響圏的な運動になるのではないか。
ただどちらにしろ大体20年を見ておけばいいことになる。
今はどの霊系団もそれぞれが霊的干渉をしておりますので、世界はこのまま日本のように大人しく衰退していく可能性が極めて高い。
神理が広がっていない状況での世界の崩壊の可能性も十分にあります。
リーマン・ショックは住宅関連に限定されたバブルの崩壊でしたが、今回の原油価格の下落は、国家の債務バブルの崩壊でしょうから、これは形を変えた世界の崩壊かもしれません。
すなわち原油価格の下落は世界の崩壊につながる問題かもしれないと思っています。
バレル40ドル台を割りますと、とんでもない事態を迎えるかもしれません。
今は踏ん張っておりますけれども、下落圧力は強く作用しているように見えます。
今年からOPEC加盟国にアジア唯一の国が再加入します。
インドネシアです。
OPECにインドネシア再加盟へ、原油安が有利に働く異例のメンバー ブルームバーグ
インドネシアは、ほぼ7年間に及ぶ一時脱退の後、12月に13番目の加盟国としてOPECに加わる見通しだ。
原油供給が世界的に過剰となる中、OPECは昨年、市場シェアを最大化することを選択した。
インドネシアの再加盟容認はこれに続き、価格維持の役割を放棄する次なる兆しだと、シティグループは指摘する。
インドネシアは既に、制裁解除後にイラン産原油を購入する交渉を行っている。
原油価格下落によって恩恵を受ける国を再加盟させる判断には、これ以上の価格低下を容認している意図が読み取れます。
来年から原油価格は上昇に向かうという記事も見受けられるのですが、総じて希望的観測や願望に基づいているものが多いように感じています。
どちらかと言うと原油は今後も下落基調を保ちながら、低下傾向にあるのではないか。
たとえOPECが減産しても原油相場は回復しない。
HSBCのキング氏:原油相場回復の鍵は中国-OPEC減産にあらず ブルームバーグ
昨年の原油相場下落が、米国でのシェールオイル生産に打撃を与えること狙ったサウジアラビアの意図的な動きかどうかまだ結論は出ていない。
いずれにせよ、相場回復を誘導するのは容易ではなかろうとHSBCホールディングスのシニア経済アドバイザー、スティーブン・キング氏は指摘する。
中国経済が減速しているため、減産しても持続的な回復の引き金にはならないだろうとの見方を示した。
OPECは来週総会を予定するが、相場安定化策を講じなければ原油は1バレル=20ドル台半ばまで下落する恐れがあるとベネズエラは警告した。
ただ、需要が鈍化する中で相場回復を図ろうとするOPECに歴史は味方してこなかった。
来年からイラン産原油も供給されますし、OPECは相場安定化策を講じる気はないようですから、下落基調は変わらないように見えます。
すると1バレル20ドル台半ば辺りまで落ちてくる。
もしかするとそれ以下にまで落ちるかもしれません。
ロシア・ベネズエラ・ブラジル・サウジアラビアも原油安に苦しむことになります。
ブラジルは原油安によって今年マイナス3%成長になっており、ルセフ大統領はペトロブラスの汚職問題等で訪日を延期したぐらいです。
クウェートもバレル40ドルを割れば苦境に陥ると言われています。
1バレル20ドル台となれば金融危機は避けられず、石油メジャーにも影響が出てきます。
恐竜をペットにして飼うことはできないのかもしれません。
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