Report No.398
方便の真理とは、物質に比喩した善、自我に比喩した善、利益に比喩した善、快楽に比喩した善であり、有限の善です。
物質に比喩した善ですので方便の真理とは「目的」にすることもできないけれども、「否定」することもまたできないという矛盾を含んでいる真理です。
方便の真理は、この「矛盾」を含んでいるために人類普遍の価値基準とはなり得ず、その真理の質が有限化されてしまうのです。
この有限を突破していくには、方便の真理の質を超えた高度な質の真理を悟るしか道はありません。
やはり神の心というのは「質」なのです。
この「目的」と「否定」の矛盾を統一している道が神の道であり、中道です。
この中道とは神の心そのものですので無限の探究と永遠の悟りの道へと続いています。
完全なる真理とは、ヘーゲルの言うように歴史の究極目的ですので人間に悟ることはできません。
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