国際

下根の文明

ポンドが「1.31」まで売られています。

イギリスポンド アメリカドル

当面の下値メドは「1.30」付近だったはずであり、これ以上売られていくかどうか。

投票前の「1.48」から「11%」の下落です。

円も「101円台」に入っています。

金(ゴールド)は「1330ドル台」まで買われ、VIX恐怖指数は「26ポイント」まで上昇しています。

VIX恐怖指数は、通常「10~20」の範囲で動くのですが、20を超えて上昇中です。

じわりと市場が怖がっています。

ブレグジットは日本経済にとっても打撃であり、投票前トヨタは離脱を警告していたようです。

トヨタ、英従業員にEU離脱を警告 最大労組と連名で書簡 AFP

28か国が加盟するEUから英国が離脱するとの投票結果が出れば「重大な経営課題」が生じるだろうと警告している。

トヨタは英国での自社の操業にとって「欧州市場への自由なアクセスは決定的に重要」だとし「(英国で生産されている)わが社の車両の90%近くがEUへ輸出され、またわが社の自動車生産全体の75%がEUの顧客のためのものだ」とも述べた。

英国にはトヨタ工場が2か所あり、3400人以上を雇用している。

キャノンの御手洗会長もコメントを出しています。

英のEU離脱決定は残念、日本の経済回復にブレーキ=キヤノン会長 ロイター

「投票の結果は大変残念」

同氏は今回の事態によって英国は「急激なポンド安が進むことでインフレが進行し、経済的な混乱と停滞が続くおそれがある」と指摘。

日本への影響については「一時的に急激な円高が進むことが予想され、回復途上にある日本経済にブレーキをかけるこ

とになりかねない」と警告、日本政府に強力な景気対策の実施を求めた。

2年の時間的余裕がありますから、その間に拠点を変えるか撤退していくのでしょう。

イギリスのオズボーン財務相は、ブレグジットで50万人の失業者を予測していましたが、ゴールドマン・サックスの分析によれば95万人です。

EU離脱なら少なくとも50万人が失業、物価は急騰へ=英財務相 ロイター

欧州連合(EU)離脱が決まれば、2年以内に少なくとも50万人が職を失い、ポンド下落で物価は大幅に上昇するとの見通しを示した。

シティの液状化現象が進んでいます。

2019年に完成予定であったゴールドマンの新欧州本部は、5億ドルもの資金を投じていましたが、それはイギリスのEU離脱によって「廃墟」になると言われています。

パスポートを失ったイギリスから脱出し、EU域内に拠点を移していくと見られています。

イギリス脱出です。

コラム:大英帝国分裂か、EU崩壊は杞憂=唐鎌大輔氏 ロイター

注目は今後2年間の英国とEU間の交渉に移るが、離脱した英国にEUは一切の手加減をしないだろう。

2018年6月までに英国、EUの双方が納得のいく合意を円滑に形成できれば良いが、EUからすればここで甘い顔をするわけには絶対にいかない。

EU側は英国に対し、厳しい立場を貫くはずだ。

<EU分裂より大英帝国分裂リスクを心配すべき>

今回も、EU崩壊をはやし立てる論調が散見されているが、上述したように、離脱した英国にEUが手心を加えるはずもなく、今後、同国は「みせしめ」とされる可能性が高い。

だとすれば、英国離脱に端を発する崩壊シナリオの確度は低い。

少なくとも崩壊を騒ぎ立てるのは英国経済の行く末を見守ってからでも遅くはないはずだ。

世界最大の経常黒字と高めの実質金利というユーロの地力の強さは英国離脱後も変わるものではなく、通貨分析の上では明らかな買い材料と位置づけられる。

イギリスを「見せしめ」としてEU域内を固める方策を取るならば、手加減なく厳しい態度に出るはずです。

EUの分裂は考えにくいが、イギリスの分裂は時間の問題とも言われています。

コラム:英国の分裂は「時間の問題」か ロイター

欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)は英国の将来に深刻な影響をもたらす。

論理的な次のステップは、スコットランドが英国から独立し、EUに残留することだ。

英国の正式名称「グレートブリテン及びアイルランド連合王国」の「連合」部分を重んじる人々は、致命傷に近いダメージを被った。

今や英国の分裂は、それが起きるかどうかではなく、いつ起きるかという問題となっているようだ。

前回のスコットランド独立投票では、独立すればEUにはとどまれませんでした。

ところが今回は逆であり、ブレグジット(EU離脱)によってスコットランドと北アイルランドは、強制的にEUから離脱させられます。

この二地域は民意を反映させるという民主主義の原則から逸脱しており、到底受け入れることはできない。

EUにとどまるという民意の反映のために住民投票を行い、何としてもEUにとどまり、未来を共有すると述べています。

イギリス全体の民意は反映され、ブレグジットとなったわけですが、二地域の民意とは対立したわけです。

民主主義は結果に比喩した善であり、方便ですから、この物質に比喩した善を無限化しようとすれば、かかる矛盾と対立があらわれます。

この時、その対立と矛盾を乗り越えられなければ、その矛盾と対立を解消するために歴史では戦争が行われてきました。

戦争が嫌ならば、独立するしかありません。

その独立をイングランドが制止しようとすれば、独立戦争となる。

スコットランドは、その報道の見出しに「非連合王国」と付けた記事を流していましたが、これはイギリス崩壊の前兆です。

EUと切り離されたイギリスなどと連合したくないという意志表示です。

イギリスの民意を反映させんとして行った国民投票が、その民意によって国家の崩壊を招くかもしれない事態に至っている。

まさに民衆がみずからの選択によって滅ぼすかもしれない国、イギリスです。

民主主義によって衰退し、崩壊していく見本の国になるかもしれません。

民主主義も方便、共産主義も方便であり、共に「利益」と「物質」という神の体に向かっている体制ですので、下に向かっているわけですから衰退するのは宇宙の理法に叶っています。

下に向かい、それ以上「下」に行けなくなった時、世界の崩壊を迎えます。

その時の犠牲は想像を絶するでしょうが、それも人類自身の選択ですからどうしようもないでしょう。

行くところまで行って、そこを確認しなければ、納得できず、分からない人もいるのですね。

これを「下根」の文明と言う。

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コメント

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