経済

日銀はどこまで国債を買えるのか

財務省は10日、国債や借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」の残高が、2015年6月末時点で「1057兆2235億円」になったと発表しました。

国債及び借入金並びに政府保証債務現在高(平成27年6月末現在)

過去最高を更新です。

何とも凄まじい借金ですが、破綻する破綻すると言われ続けて、よくもっていると思います。

政治も安保関連法案で異常事態。

経済も債務で異常事態。

国家も福島で異常事態。

異常事態の連続です。

政府の債務のうち国債は「888兆1068億円」です。

ひとつの投資主体が40%もシェアを持てば、そのマーケットは成り立たなくなる。

50%を超えれば資本主義経済かどうかも怪しくなります。

自由に売買する自由主義経済への疑義が生じ、市場の健全性が失われるでしょう。

888兆円の40%は「355兆円」

888兆円の50%は「444兆円」

ここら辺が限界点だと思います。

現在、日銀はいくらの国債を保有しているのでしょうか。

営業毎旬報告(平成27年8月10日現在)

日銀は8月10日現在、国債を「298兆1990億1804万9千円」保有しています。

前回から多少減少しています。

先月から意図的に300兆円の大台を超えないようにコントロールしているように見えます。

所詮、時間の問題ですが、1998年の資金運用部ショックを意識しているのかもしれません。

長期金利が0.8%から2.4%台に急騰した債券の暴落は、当時の大蔵省資金運用部が国債の買い切りオペを中止するという発表がきっかけでした。

国債を市中消化させるとして発表した途端、債券が暴落していったわけですが、わずか2ヵ月と少しで金利が暴騰しました。

これを資金運用部ショックと言いますが、この時の国債残高に占める保有割合は30%ほどと言われています。

1000兆円の30%とは300兆円ですから、これを意識しているのかもしれません。

黒田日銀は軽く吸収できるはずですが、888兆円の30%とは266兆円ですから、既にこれを超えています。

公的債務残高1057兆円の「28.2%」です。

国債残高888兆円の「33.6%」を日銀が保有しています。

自我は有限を意味しておりますので当然、限界があるはずで日銀はいつ限界を迎えるのでしょうか。

みずほ総合研究所は、2010年代後半が限界であろうと試算しています。

日銀はどこまで国債を買えるか、2020年に国債は買占めだ みずほ総合研究所 PDF

わずか2ページほどのPDFです。

日銀の国債買い入れを年間80兆円を前提に、国債発行が2015年度計画ベースで続くと仮定して試算しています。

2015年末に国債発行残高のうち日銀は「36%」を保有し、2016年末には「45%」を保有している。

「このままの買い入れを行うと2020年近くには日銀はもはや市場から買えなくなる可能性がある」

「金融機能を殺し、麻酔状況にしたのは、あくまでもその間に手術を行い、企業を中心とした前向きな活動を蘇生させるためである。

同時にその間に財政再建への方向性を見い出し金融機関のポートフォリオ・リバランスができるかだ」

「2010年代の後半が麻酔をかけ続ける限度である。

そこまでに何とかしなくてはいけないとの認識が、日銀・政府にはあると考えられる」

国債発行残高に占める日銀の保有割合のグラフがありますが、2015年中間でやはり上記の通り「33.6%」となっています。

2016年3月辺りに日銀の保有割合が「40%」に達すると試算しています。

2017年の夏辺りでしょうか、中間期で「50%」に達します。

2018年の中間期から冬までに、これが「60%」に達します。

何事も机上の空論のようにはいきませんので、現実的には2017年が限界のように見えます。

サウジアラビアが9月に多少、原油を減産しますので原油価格も多少上がるかもしれません。

あわい期待にすぎませんが、日銀は今年後半に原油価格が60ドル以上に上昇することを前提としていました。

みずほ総合研究は2010年代後半が限界としていますが、2019年末には日銀の国債保有割合は70%近くになります。

さすがにこれはないでしょうから遅くとも2018年を限界と見ているのではないでしょうか。

あと3年で財政再建と銀行のポートフォリオ・リバランスができるかどうかは流動的です。

ちなみにポートフォリオ・リバランスとは銀行の企業融資が増加したり、あるいは金融機関が外債や株を購入することを期待した効果のことです。

資金の流れを国債から他の部門へ変える効果のことを言います。

銀行は国債を日銀に売りますと、代金が銀行に入りますが、そのお金で企業融資を増やしなさいと期待した効果のことです。

企業融資が増加すれば金回りがよくなり、景気が回復すると期待している効果であり、日銀は建前上これを理由に国債を買い入れています。

財政ファイナンスではないと言っているわけです。

今までできなかったことが、わずか3年でできるとは思えません。

ただ「立て替え」はできませんので、多少もたせようとするかもしれません。

だから流動的と言わざるを得ない。

日銀が国債を買い続けられなくなる日はいつやってくる? HARBOR BUSINESS Online

この記事でも大体、限界点を3年ほどと見ているようです。

ただ非常に日銀・政府の政策に厳しい見方をしています。

「黒田東彦日銀総裁は異次元量的緩和の結果、名目金利が下がり、物価が上昇して実質金利が大幅に低下したことで日本経済によい影響をもたらしたと自画自賛していますが、大間違いです。

名目金利の低下は、投資全般の収益予想の低下を通じて投資意欲を減退させるからです」

「2%のインフレ目標も的外れです。

日本の潜在成長率はゼロ%台前半なのですから、むしろ目標を達成すればそのギャップを埋められず、国民の生活は苦しくなるだけ」

コアインフレ率2%を達成すれば、経済成長はそれ以下なのでギャップを埋められず、逆に国民生活は苦しくなると指摘しています。

スタグフレーションになると予想しているのでしょうね。

「最大の問題は、日銀が無尽蔵に資金を供給できると考えている点です」

「民間銀行の余資を当座預金の形で吸い上げて、国債や資産を買い付けているのです。

しかし、民間銀行全体の預金残高は652兆円で貸出残高は453兆円(ともに4月末時点)ですから、もはや余資は199兆円しかありません」

「日銀は年間の国債買い入れ枠を年間80兆円(2017年までで計160兆円)増やしましたが、これを実現するには民間銀行の余資をすべて吸い上げるほかないのです」

「もちろん銀行だけでなく、信用金庫や農協、日本郵政などにも余資はありますが、これがどれだけ異常なことか……」

銀行の余資は199兆円しかなく、年間80兆円の国債買い入れと資産を買い続けていくと2年ほどしかもたない。

信用金庫や農協、日本郵政などにも余資はあるが、これをすべて吸い上げていくことがどれだけ異常なことかを批判しています。

「日銀が資金的な限度から国債を買い続けられなくなれば、日本経済が低迷したまま国債利回りが上昇をはじめ、さらにインフレ率が上昇して株価バブルは崩壊すると考えています」

「すぐにそうなるとも思いませんが、消費増税のために2017年4月までこの国債買い入れを続けると可能性が高まると考えています」

やはり2018年、遅くとも2019年辺りが限界であり、危険な時期と見ている点は共通しています。

しかして「立て替え」ができない限りは、何とかするでしょう。

自我と物質は「有限」を意味しておりますので当然、理法としては「限界」があります。

その限界を超えて、あくまで異常なことをすれば、事態は最悪の結果を招きます。

これは神理の世界でも経済の世界でも共通していることだと思います。

自我の有限性を超えて絶対化し、あくまで無限化して生き神信仰にふけろうとすれば、最悪の事態を招きます。

物質宇宙は神の表現体であり、神の体です。

神の心が「上」であり、神の体が「下」です。

神の心が「無限」であり、神の体は「有限」です。

この大宇宙の理法を無視して有限を無限化したり、下のものを上にしようと自我で理法を破ろうとすれば最悪の事態を招くのです。

つまり傲慢は最悪の事態を招くと言うことです。

これは地獄界の創造原理であり、これを今、経済と金融の世界で日銀・政府は行っています。

地獄の創造原理ですから地獄を作っている。

すなわち日銀・政府によって今後、日本は「地獄」になるということです。

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