2月28日に始まったイラン戦争ですが、ガソリン価格がじわりじわりと上昇しています。
EIA(米国エネルギー情報局)は、3月最後のガソリン価格を公表しています。
2026年3月30日の価格は、1ガロン(3.8リットル)「3.99ドル(634円)」まで上昇しており、1リットルで換算すれば「167円」ほどです。
AAA(全米自動車協会)の平均では、既に1ガロン「4ドル」を突破しています。
2026年3月31日時点で1ガロン「4.018ドル」です。
WTIの原油価格も、今は1バレル「100ドル」を割っておりますが、一時「102.9ドル」を突破しており、ペルシャ湾とオマーン湾を結ぶホルムズ海峡の封鎖を受け、こちらもじわりじわりと上昇しています。
イラン革命防衛隊(IRGC)は、1バレル「200ドル」を覚悟せよと言っていました。
今の「2倍」を覚悟すれば、ガソリン価格は1ガロン「8ドル」を超えてしまいます。
イランはケシュム島とララク島の間に「安全回廊」を設けており、「200万ドル(3億2000万円)」の通行料を徴取しています。
しかも「ドル」ではなく、「人民元」です。
「マリン・トラフィック」で「ホルムズ海峡」を見ますと、「安全回廊」を除いて船舶は、従来の航路を航行していません。
現在、ホルムズ海峡は封鎖されているわけです。
左のケシュム島と右側のララク島の間に「安全回廊」が敷かれており、ララク島は「テヘランの料金所」と呼ばれています。
この「安全回廊」は、イランの領海です。
ここら辺一帯でアメリカやイスラエルが、何等かの行動を起こせば、イランは「湾岸アラブ諸国の重要なインフラを、継続的かつ容赦なく攻撃する」と警告していました。
電力や海水淡水化インフラのことでしょうね。
そしてやってしまいました。
イラン・ケシュム島の淡水化プラントが空爆で破壊、稼働停止 報道 AFP
イランのメディアは31日、戦略的要衝であるホルムズ海峡に位置するケシュム島の海水淡水化プラントが空爆を受け、稼働停止に追い込まれたと報じた。
「ケシュム島にある淡水化プラントの一つが標的となり、現在は完全に停止している。
短期間での復旧は不可能だ」
仏シンクタンク国際関係研究所(IFRI)の2022年の報告書によると、淡水化された水が飲料水に占める割合は、アラブ首長国連邦(UAE)で42%、サウジアラビアで70%、オマーンで86%、クウェートでは90%に達している。
そのため一部のアナリストは、湾岸諸国が自国の重要な水インフラへの攻撃を受けた場合、イランに対して直接参戦する理由になり得ると警告している。
これでイランが報復攻撃として湾岸諸国の水インフラを叩けば、また一歩湾岸諸国が参戦してくる道を開いてしまいます。
イスラエルの海水淡水プラント依存率は「80%」です。
このホルムズ海峡には、7つの重要な島があります。
黄色の文字の島です。
アブムサ島、大トンブ島(グレーター)、小トンブ島(レッサー)、ヘンガム島、ケシュム島、ララク島、ホルムズ島の7つです。
アメリカは、このうちアブムサ島、大トンブ島(グレーター)、小トンブ島(レッサー)の3つの島への上陸作戦を考えていたのです。
もし地上部隊を上陸させれば、ドローンとミサイルで「死体の山」ができるだけでしょうから、上陸作戦はないのではないか。
今からこういった予測も出ているのです。
湾岸諸国のアメリカ軍の基地も危険地帯のため常駐できず、兵士がホテルに避難しているような状況で上陸作戦ができるとは思えません。
アメリカが狙っている「カーグ島」の位置関係はこうなっています。
そもそもトランプ大統領は、イランとの戦争は「4週間~6週間」と言っていたのです。
これは現在も変わっていないそうです。
ならば今月の10日までにイラン戦争は終わることになりますが、トランプ大統領は「ホルムズ海峡」が封鎖されたままでも戦争を終わらせる意向のようです。
長引けば、長引くほどガソリン価格は上がっていくだけですからね。
中間選挙を控えた身としては、早く終わらせたいでしょうね。
ミサイルも枯渇寸前であり、戦費もバカになりませんからね。
もっと具体的な報道も出てきました。
トランプ大統領「2~3週間以内にイランから撤収…ホルムズ封鎖、米国とは無関係」中央日報
トランプ米国大統領は31日(現地時間)、イランとの戦争が「極めて近いうちに」終了するだろうとし、「撤収時期は2~3週間以内と予想している」と述べた。
世界的な国際原油価格の急騰を招いたホルムズ海峡の問題が解決しなくても、手を引くという意味だと解釈することができる。
「私の考えでは2~3週間ほどかかると思うが、我々は(中東を)去る」
「合意があろうとなかろうと我々は去る考えであり、今は関係のない問題だ」
今月末までに「去る」と言っています。
大急ぎで逃げたがっておりますが、イランはホルムズ海峡の無期限の封鎖を主張しているため、原油価格は今後も上昇していきます。
国際法を無視して勝手に戦争を始めて、ホルムズ海峡を混乱させた挙句、勝手に逃げようとしておりますが、当初の目標である体制転換や政権交代、あるいは核濃縮の停止や弾道ミサイル計画の中止等、何も目標は達成しておりませんので、これはアメリカの敗北ということになります。
これ以上、戦争が長引けば、泥沼と激しい消耗戦に巻き込まれ、酷い敗北になるのは火を見るより明らかですので、これは「逃げた」と言われても仕方ありません。
少なくともイランは、未だ本気を出しておらず、高強度紛争を維持できる「6か月の戦争」に備えているのです。
記事によれば、今までイランが使用したミサイルは、2012年から2013年頃に製造された「旧型モデル」が大半を占めており、過去10年で大幅に増産された「新型モデル」のミサイルは、未だ実戦配備していないと言っています。
随分と余裕を見せておりますが、これは最初から長期戦を意図していたということでしょうね。
アメリカは大急ぎで逃亡を図っておりますが、イランやフーシ派のほうは、そう簡単には終わらせてくれそうにありません。
「2月28日」のイラン戦争から丁度一月後の「3月28日」、イエメンのフーシ派が公式に参戦してきました。
丁度、「一か月後」というのが、計画性と戦略性を感じます。
イランもフーシ派も、「戦争はこれから」と言っているわけです。
4月1日、イランは次の「18の企業」を攻撃対象にすると公式に表明しました。
1. シスコ・システムズ
2. ヒューレット・パッカード
3. インテル
4. オラクル
5. マイクロソフト
6. アップル
7. アルファベット(グーグル)
8. メタ・プラットフォームズ
9. インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)
10. デル・テクノロジーズ
11. パランティア・テクノロジーズ
12. エヌビディア
13. JP.モルガン・チェース
14. テスラ
15. GE.エアロスペース(GE)
16. ボーイング
17. スパイア・ソリューションズ
18. G42(グループ・42)
「G42」とは、アラブ首長国連邦(UAE)の首都・アブダビを拠点とする企業であり、マイクロソフトやエヌビディアと連携しています。
また「JP.モルガン」を「GP.モルガン」と間違えておりますけれども、中東にあるこれらの錚々たる企業が攻撃対象になるようです。
「これらの企業は、テヘラン時間4月1日午後8時以降、それぞれの事業所が破壊されることを覚悟しなければならない」
「これらの企業の従業員の皆様には、命を守るため、直ちに職場を離れるように」
と警告しています。
「エイプリル・フール」ならばいいのでしょうが、そうでもないようです。
イランの要人暗殺に関与したこれら「テロ攻撃への報復」として、今後はテロ活動に関与する「主要機関」を正当な標的にすると述べ、「今後、暗殺事件1件につき、米企業1社を壊滅させる」と宣言しています。
本当、戦争です。
アメリカは逃げたがっておりますが、イランとフーシ派は「これから攻撃する」と言っているのです。
もう、アメリカは軍隊のみならず、企業も中東にはいられないでしょうね。
フーシ派の正式な参戦によって、アラビア語で「悲嘆の門」を意味するバブ・エル・マンデブ海峡(バベルマンデブ海峡・単にマンデブ海峡)も封鎖し、第二の戦線を開くと言っています。
やはりこれから戦争を始めようとしているのです。
本当に世界経済にとって「悲嘆の門」になりそうです。
紅海とアデン湾を結ぶ「マンデブ海峡」まで封鎖されますと、史上初の「二重封鎖」となり、エネルギー価格が急騰してしまいます。
サウジの原油も止まるでしょうね。
サウジは、「ホルムズ海峡」の代替ルートとして「マンデブ海峡」を使っていたからです。
ホルムズ海峡を通る海上原油輸送は「20%」であり、マンデブ海峡を通る海上原油輸送は「12%」です。
両海峡が封鎖されれば、世界全体で「32%」の原油輸送に影響が出てきます。
紅海の北端にあるスエズ運河を経由し、アフリカ大陸を迂回するルートもありますが、時間と費用が倍以上かかるため、どちらにしろ価格は消費者に転嫁されます。
景気が悪いのに物価だけがあがるスタグフレーションが、世界的規模で起こりそうです。
アメリカは、今月中に何としても中東から逃げようとしているわけですが、イスラエルを見捨てるのでしょうか。
イスラエルのミサイル迎撃率は、公表されている「87%」と言うのは「真っ赤な嘘」で、せいぜい「5%」と分析されているのです。
今回のイランによるミサイル攻撃によって判明したのは、「アロー3」、「ダビデスリング」、「アイアンドーム」と言ったイスラエルの防御システムが、ますます「無用の長物」になったということです。
高額な兵器の生産も間に合っておらず、アメリカが逃げ、イスラエルが孤立化しますと、追い込まれたイスラエルは、最終オプションである「サムソン・オプション」を発動するかもしれないと予想されているのです。
要は核兵器を使用するということです。
「サムソン・オプション」とは、旧約聖書の英雄「サムソン」から名前を取ったものであり、当時の敵であったペリシテ人(今のパレスチナ人)に囲まれた「サムソンの最後」から来ています。
最後、怪力の持ち主であったサムソンは、神殿の巨大な柱を素手で破壊し、大勢のペリシテ人たちを巻き添えに、自らも建物の下敷きになって死んだのです。
イスラエルも核兵器を使用するに際して、このサムソンのようにみずからを滅ぼす覚悟をもって「敵」に壊滅的なダメージを与えるオプションを「サムソン・オプション」と言います。
イスラエル版の「ペリメトル(死の手)」です。
イスラエルが滅びるぐらいならば、世界を滅ぼしてやるという「はた迷惑」で「得手勝手なオプション」です。
イスラエルは、推測に過ぎませんが、現在「90発~400発」の核兵器を持っていると見られています。
イスラエルが滅びそうになりますと、この核兵器を一斉に「敵」か「世界中」に撃つそうです。
この恐ろしい「サムソン・オプション」が、「現実的なもの」として警戒されているのです。
もしこの戦争が数か月続きますと、イスラエルの防衛網が限界に達し、完全に破壊される可能性があるのです。
この時、核使用のシナリオに進む可能性があると見られているのです。
地球上でイスラエルより、無慈悲で殺人的な国家は存在しませんので、核兵器の使用は十分あると予想されています。
選択の余地がない場合、イスラエルはこの「サムソン・オプション」を発動すると見られているのです。
そうなりますと、まさにハルマゲドンです。
























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