経済

恐竜の子守歌

2015年9月末時点での国の債務残高が出ました。

国債及び借入金並びに政府保証債務現在高(平成27年9月末現在)財務省

1054兆4243億円」であり、6月末から「2兆8000億円」も減少しています。

良かったですね。

借金が減少しました。

このペースでいけば100年後には280兆円借金が減少することになります。

377年後」には借金がすべてなくなる計算になります。

しかして地方の債務残高「199兆円」を合わせますと、「1253兆円」であり、政府保証債務の「42兆5458億円」を足しますと「1296兆円」になり、年「2.8兆円」ペースで借金が減少していきますと「463年後」には借金は帳消しになる計算です。

西暦25世紀にはなくなりますね。

頑張りましょう。

世界貿易の体温と言われているバルチック海運指数ですが、とうとう「600ポイント」を割ってしまいました。

現時点では「599ポイント」です。

それだけ貿易が不活発になっているということなのでしょうが、リーマン・ショック前には「1万ポイント」を軽く超えていたバルチック海運指数が、20分の1にまで低下してきています。

中国経済の鈍化も少し鮮明になってきました。

当然、原油需要は減少傾向となるはずであり、供給過剰から原油価格に下落圧力がかかってくるでしょう。

バレル45ドル台でもみ合っていたWTI原油ですが、43ドルを割って42ドル台に突入しています。

チャートを見ますと、少し下落傾向に拍車がかかったように見えます。

果たして40ドル台を死守できるでしょうか。

ゴールドマンサックスは、2016年3月までに原油は1バレル20ドルにまで下落すると見ています。

大手シェール企業倒産でジャンク債市場が危ない JBpress

ゴールドマンサックスは9月11日に「OPECのさらなる生産拡大で世界の原油の余剰が来年まで続き、原油価格は1バレル=20ドルまで下落する可能性がある」という見方を示した。

筆者はこの見方が現実になる可能性が高いと思う。

ゴールドマンサックスは「米国の製油所が定期補修のため稼動を停止した時期(2015年10月から2016年3月まで)に原油価格が同20ドルになる確率が高い」としており、その後、供給過剰を背景に「今後15年間にわたって原油は安値で推移する」と見通す。

なんて恐ろしいことを言っています。

原油価格がバレル30ドル台になりますと、軒並みシェール企業はサブプライム化し、20ドル台になりますとお陀仏となります。

ゼロ・ヘッジは、原油価格は「炭鉱のカナリア」であり、原油価格の下落はことの本質ではなく、これをきっかけとしてリスク資産9兆ドル(1100兆円)が次々と爆発し、リーマン・ショック以上の危機を引き起こすと言っていました。

その影響はすべての領域に及ぶ、と。

サブプライムローンの残高は1.3兆ドル(160兆円)でした。

複雑な構成の金融派生商品(デリバティブ)の組成は、そのリスクが見えない形で世界中に分散されています。

外からは分からないわけです。

ただ原油デリバティブの市場規模は数兆ドルに上ると見られています。

ゼロ・ヘッジはこれを言っていたのかもしれません。

ゼロ・ヘッジの言うことが事実ならば当然、原油価格の下落はリーマン・ショックの規模を遥かに超えた危機をもたらすはずです。

ゴールドマンサックスは、原油価格は今後15年間もの長期に渡って安値で推移すると見ています。

グレンコアも倒産していくかもしれません。

売り上げ高2300億ドル以上を誇るグレンコアの5年以内の倒産確率は「50%以上」と言われています。

エンロンの2倍以上の企業です。

足音が聞こえてきた次のリーマン・ショック

グレンコアの債務不履行に備えた金融派生商品(デリバテイブ)であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の5年物の保証率も7%に跳ね上がり(5年以内の倒産確率が50%以上と見込まれている)、CDSのトレーダーは前払いを要求し始めている。

グレンコアが生き残りをかけて資産を圧縮すれば、商品相場にさらなる下げ圧力がかかることは必至である。

(グレンコアは)2014年後半からの原油価格の下落により、高値で購入した原油先物に多額の損失が発生している可能性があるのではないだろうか。

日本のGPIFの運用する130兆円も、リーマン・ショッククラスの危機が生じれば、失われる年金積立金の額は約40兆円にもなると予想されています。

シェールガス業界の大量倒産でリーマン・ショック以上の恐慌が現実味を帯びている

すでにアメリカのシェール大手、サムソン・リソーシーズ社が41億5千万ドルの負債を抱え、9月16日に破産法の適用を申請。

この秋以降、同じような形でアメリカのシェールガス業界が大量倒産に見舞われる可能性が非常に高いのだ。

アベノミクスで大規模な金融緩和を行なった日本も含めて、世界各国の中央銀行が打てる手はすべて打っちゃった後ですから、これ以上何もできない。

ですから、シェールガス・バブル崩壊を引き金に世界恐慌が誘発されれば、世界的なデフレが、リーマン・ショックの時以上に長い期間、引き起こされる可能性が高いのです」(藤氏)

仮に、リーマン・ショック時同様の暴落があれば、失われる年金積立金の額は約40兆円にもなると予想される…。

「非常に不謹慎な話になりますが、そこまでの世界恐慌になってしまったら、正直に言って、残る特効薬は戦争しかないでしょうね。

実際、一部にはそれを真剣に考えている連中もいると思いますよ」(藤氏)

戦争しかないそうです。

実際は40兆円以上の損失と見ておいていいようです。

ベネズエラのデフォルト懸念に中東諸国の財政危機、中国経済の減速に日本のマイナス成長。

原油価格の下落は様々なところに影響しそうです。

中央銀行は軒並み利下げはできず、石油メジャーもどうなるのか見当も取れません。

1バレル20ドルか20ドル台となり、またそれが15年間も続くとなれば、まさに恐竜の死骸(原油)が暴れまわり、世界経済を滅ぼすかもしれません。

このような状況でアメリカは利上げをしようとしているわけです。

大した影響がなければ、それに越したことはないのですが、そうもいかないのでしょう。

要は世界経済が崩壊するかもしれないということですね。

衰退の直前にあらわれるのは、常に「傲慢」です。

「傲慢」とは相対的なものを絶対化することであり、自我や利益、快楽や国益、物質や地位名誉等々、相対的なものを絶対化した時、これを神への「傲慢」と言います。

そして文明も個人も、常にこの「傲慢」によって滅び去っていきます。

神の体(利益と国益)を最上位に置いた「傲慢」な資本主義は、恐竜の亡霊と共に恐竜の歌う子守歌を聞きながら、そうして眠りにつくのかもしれません。

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コメント

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