国際

米イラン「覚書」の危うさ

6月8日、フィリピン南部ミンダナオ島で発生したマグニチュード「7.8」の大地震ですが、被害が広がっています。

フィリピン南部地震から1週間 死者65人 行方不明者36人 70万人超被災 “海岸隆起”で生態系への影響も懸念 TBS

発生から1週間となった15日、フィリピン防災当局は地震により、これまでに65人が死亡したと発表しました。

けが人は1447人に上り、いまだ36人の行方が分かっていないということで、捜索活動が続けられています。

また、73万人以上が被災し、このうち7万人あまりが避難生活を余儀なくされています。

一方、フィリピン火山地震研究所は、今回の地震で海岸が最大2メートル隆起したと明らかにしていて、生態系への影響も懸念されています。

報道時には、死者「32人」と報じられておりましたが、死者が「65人」に増えています。

負傷者は「1447人」であり、行方不明者は「36人」です。

被災者「73万人」のうち「7万人」あまりの人達が避難生活を強いられています。

生態系への影響も甚大なようであり、海中にあったサンゴ礁が露出したため、日光に晒されており、多数の魚や海洋生物の死骸が散乱しているようです。

海底の上昇によって、海中の生態系が急速に劣化しており、サンゴ礁に依存している「サンゴ礁魚類」や「ウナギ類」、あるいは「二枚貝類」などが、生息地の喪失により「大量絶滅の危機」に瀕しています。

海岸が最大「2メートル」隆起したと報道されておりますが、これは1923年の関東大震災(大正関東地震)と同じです。

2024年の能登半島地震では、最大「4メートル」の隆起が確認されており、同じく生態系に甚大な影響を及ぼしていました。

生物学者は「隆起と津波が『死の世界』を生んだ。元通りには少なくとも3~5年はかかる」と言っています。

今回のフィリピンの大地震でも同じことが懸念されています。

既に海底にあった地形が陸地化したことで、そこに生息していたサンゴや海藻、貝類、甲殻類などの海洋生物が水から切り離されたため、大量に死滅する事態が起きているのです。

能登半島地震もそうでしたが、元に戻るには何年もかかるようです。

2026年のFIFA北中米ワールドカップにおいて「ボッタクリ」で顰蹙をかっていたアメリカですが、再びトランプ大統領の暗殺が示唆されています。

ソース

「6」と「4」が消えかかっているようですが、芝生に「8・6・4・7」の数字が描かれています。

「86」とは、英語のスラング(俗語)で「追い出す」、あるいは「排除する」という意味だそうであり、「47」とは、もちろん第「47」代・アメリカ大統領・トランプ氏のことです。

トランプ大統領を追い出し、排除すると言う「予告」です。

物騒な国です。

アメリカは、2月28日からのイラン戦争によって「3月」、「4月」、「5月」とインフレが再燃しつつあります。

ソース

「5月」のアメリカのCPI(消費者物価指数)は、前年比「4.2%」まで上昇しています。

トランプ大統領の明確な「公約違反」です。

物価を下げると言っていたのに上げているからです。

イラン戦争を早く終わらせませんと、中間選挙は「敗北」し、来年からトランプ政権は「レームダック政権(死に体)」になります。

まだ「EIA」(米国エネルギー情報局)の「公式HP」には記載されておりませんが、アメリカの「SPR」(戦略石油備蓄)が「1983年代」の水準にまで低下していると報道されています。

米戦略備蓄の原油在庫、1983年以来の低水準に 過去3番目の大幅取り崩し ロイター

米国の戦略石油備蓄(SPR)の原油在庫が1983年以来の低水準となる3億4030万バレルまで減少した​ことが、15日にエネルギーが発表したデータで分か‌った。

米国とイランが戦闘終結とホルムズ海峡の開放に関する合意に達したタイミングで、原油需給の逼迫​を示唆する形となった。

SPRは前週比890万バレル減少​し、過去3番目に大きな取り崩しを記録。

バイデン前政権下でのSPR在庫の最低水準は3億4680万バレルだった。

2月末に戦争が始まって以来、民​間在⁠庫とSPRを含む米国の総在庫は7900万バレル減少して7760万バレルと、2023年以来の低さになった。

ロイターの記者の人が数字を間違えています。

米国の総在庫は7900万バレル減少して7760万バレル」とありますが、正確には「7億7567万7000バレル」です。

約7億7600万バレル」の桁を一つ間違えています。

単位は「千」です。

ソース

いずれ記載されるでしょうが、アメリカの「SPR」(戦略石油備蓄)が「3億4030万バレル」まで減少し、「SPR」(戦略石油備蓄)が安定的に運用されてからの最低値である「2023年7月」の「3億4680万バレル」を、ついに下回ってしまいました。

3億4030万バレル」と言いますと、確かに「1983年8月」の水準です。

ソース

あと「7000万バレル以上」放出しますと、「1982年8月」の「2億7000万バレル」という歴代最低値を「更新」してしまいます。

1週間で「700万バレル」ずつ減少していきますと、「10週間(2か月半)」で到達しますので、大体「8月の中旬から末」までに記録が「更新」されることになります。

アメリカとイランの「合意」は、本当ギリギリの「合意」でした。

非常に危うい「合意」に見えますが・・・。

「商業在庫」も急速に減少を続けており、現在「4億2650万バレル」まで減少しています。

ソース

これを見ますと、「赤枠」のイラン戦争開始前から開始後、「4月の中旬」までは在庫が増加していることが分かります。

「商業在庫」が、減少に転じたのは「4月中旬以降」です。

以後は見る見ると減少していきます。

イランは、アメリカとの交渉は、ただ長引かせれば良かっただけであり、案の定、トランプ大統領は「ガマンくらべ」に負けてしまいました。

少なくとも表面的には、アメリカは大幅な譲歩を強いられており、ほぼ「絶対無条件降伏」です。

9月から本格化する中間選挙までに、イランとの戦争は終わらせなければならず、このままダラダラと紛争が続けば、ガソリン価格の高騰は避けられず、インフレの再燃によって、共和党は選挙での「敗北」が決定的なものになってしまうのです。

みずからの勝手な判断で始めた戦争ですので「自業自得」だと思いますけどね。

イランも「和平合意」を受け入れたようであり、「イランは勝利した」と報道しています。

アメリカとの「覚書」(MoU)の「14項目」はこれです。

ソース

ワシントンはまた、30日以内に海上封鎖を解除し、イラン周辺地域から軍隊を撤退させ、イランが調整する仕組みの下でホルムズ海峡の再開を認めることを約束した。

最も注目すべき経済条項の一つは、米国が今後60日間の交渉期間中にイランの資産240億ドルの凍結を解除するというものであり、その条件として、正式な協議開始前にその半額(120億ドル)を払い出すこととした。

さらに、この草案では、米国とその同盟国に対し、イランの経済復興計画として少なくとも3000億ドル相当の計画を提出することを求めている。

その見返りとして、イランの石油および石油化学製品に対する制裁は停止される。

特に注目すべきは、今後の議題はウラン濃縮と経済復興に限定され、イランのミサイル計画と同盟関係にある武装勢力のネットワークは交渉から完全に除外される点である。

イランも大きく出たなという感じですが、イランにとって「至れり、尽くせり」の内容であり、もしアメリカがこれを全てのんだのならば、ほぼ「絶対無条件降伏」です。

イランは「文書」でこういったものを出してきますので誤解し難いわけですが、アメリカはトランプの口だけで「合意した」と述べておりますので、後からこの内容をどうとでも都合の良いように解釈していくのです。

だからアメリカのやることは「全てインチキ」なんて言われるのです。

ただ不安定そうな「覚書」であり、イランの復興資金である「3000億ドル(48兆円)」は、一体誰が出すのか?

アメリカやイスラエルが出すとは思えませんし、湾岸諸国が出すというのも理不尽です。

一体、この「3000億ドル」は誰が出すのか?

復興資金とは「敗戦国」が出すものです。

イランはこの「3000億ドル」をアメリカに要求しておりますけれども、もしアメリカが出すのならば、アメリカはこの戦争に負けたことになります。

トランプ氏が勝ち誇る対イラン「合意」、隠しきれない敗戦色 TBS

まさに「隠しきれない敗戦色」です。

イラン側が勝利を誇示する一方、イスラエル側が強い懸念を示している事実は、そのような状況ではないことを物語っている。

この暫定合意は、戦争が少なくとも米国にとって戦略的な失策だったことを映し出している。

イラン政権は打撃を受けたものの、戦前より強い交渉力を手にしたことになる。

19日に署名される見通しの合意は、同じ問題を抱えたまま、より限定的な核合意と引き換えに、さらに大きな譲歩を受け入れる内容になりそうだ。

この戦争を続けても、米国にとって現実的な勝算はなく、その代償は世界経済だけでなく、トランプ氏自身の政治的立場にも重くのしかかるからだ。

ソース

イランの凍結されていた資金である「240億ドル」は、解除されるのかもしれませんが、半分の「120億ドル」は協議前に支払うことになっています。

ただアメリカ側が「言うこと」とイラン側が「言うこと」が「食い違っている」のです。

ソース

アメリカは、凍結されているイランの資金は署名しても解除されないと言っています。

またホルムズ海峡も、イラン側はオマーンと共同で「通行料」ではなく、「サービス料」にすると言っており、やはり「通行料」のようなものをとろうとしているわけです。

確かホルムズ海峡は、イランとオマーンの共通の「領海」だったはずです。

アメリカは、通行料なしで、誰でも戦争前のように、自由にホルムズ海峡を航行できるような言い方をしておりますけれども、イランは、あくまでイランの管理と取り決めの下、「30日以内」にホルムズ海峡を再開すると言っています。

しかもイランは「30日以内」と言っておりますが、これは非現実的であり、海上安全保障筋は、ホルムズ海峡の安全な航行を確保するには「40日~50日」かかると言っています。

機雷を除去するには、掃海艇、ソナー、水中ドローンを使用して「40日~50日」かかるとあり、中東のより保守的な専門家の予測では、ホルムズ海峡を再開するには「半年」はかかると言っています。

大体「40日、50日~半年」と見積もられており、「30日以内」では無理なのです。

間をとっても「2、3か月」です。

機雷除去も他国の応援が必要になるため、準備するだけで「1か月」はかかると見られています。

少なくとも機雷を除去した後でなければ、保険会社や船会社、あるいは石油会社はこれらの海域の航行を安全とみなすことはありません。

取り合えず凍結資金だけは解除させて、時間稼ぎをしているのではないか。

そもそもイランは、本気で「合意」する気はないのかもしれません。

アメリカに「3000億ドル」もふっかけておりますが、到底出すとは思えない金額です。

また第1項目にある「レバノンを含むすべての戦線における戦争の恒久的かつ即時停止」については、イスラエルが同意するとは思えません。

事実、アメリカとイランの「合意」にイスラエルは「同意」していません。

それどころか与野党共に今回の「合意」に不満を募らせているのです。

ソース

ベングビール国家治安相は、「トランプ氏の合意はわれわれを拘束しない」と主張し、カッツ国防相も「レバノンから部隊を撤退させることはない」と言っています。

後60日間、交渉するのでしょうが、「覚書」の第1項目である「レバノンを含むすべての戦線における戦争の恒久的かつ即時停止」は無理そうです。

イスラエルがぶち壊すからです。

何かマンガのような「覚書」であり、簡単に破綻しそうです。

いずれアメリカもイスラエルを支援せざるを得なくなるのではないか。

「覚書」や「合意」は、単に一時的に原油価格を下げるための口先介入のように見えます。

そうこうしているうちに「エネルギー危機」が起こり、スタグフレーションから資本主義の崩壊まで突き進むのかもしれません。

関連記事

  1. 浅間山で火山性地震増加

  2. TPPとTTIP

  3. ヒート・ドーム現象

  4. 温暖化ガス最高値更新

  5. 転がる死体

  6. 2018年は朝鮮半島有事の年 2

  7. 利上げは原油価格の下落を招く

  8. タカタ 3年連続の赤字

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カレンダー
2026年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
アーカイブ
最近の記事 おすすめ記事