近代、神の存在証明法は、神の体による証明法から神の心による証明法へと移ってきています。
万物(神の体)の因果律から神の存在を証明せんとする「宇宙論的証明」や万物(神の体)の合目的性から神の存在を証明せんとする「自然神学的証明」は、近代では共に神の存在証明法としては「否定」されており、神の心そのものを捉えんとする動きに移ってきているのです。
ここでは「道徳的証明」を扱います。
「道徳的証明」とは、カントが『実践理性批判』で行った神の存在証明法です。
死イコール無の等式を大前提とした人生観や世界観は根源から間違っており、この等式上からは正義や愛、秩序や叡智、あるいは真善美の一切の価値がこの世で成立しなくなるとする神の存在証明法の一つです。
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