あれっと思いましたが、トランプ元大統領のトランプ・インターナショナル・ホテルが売却され、ホテル名から「トランプ」の名前が消えるようです。
トランプ氏企業、米ワシントンのホテルを430億円で売却 報道 AFP
ドナルド・トランプ前米大統領の一族が経営するトランプ・オーガニゼーションが、首都ワシントンにある高級ホテルのリース権を3億7500万ドル(約430億円)で投資ファンドCGIマーチャント・グループに売却することで合意した。
ホテル名からトランプの名称は消える予定だ。
名称が「ウォルドーフ・アストリア」に変更されるようです。
米下院監視・政府改革委員会の報告書によると、ホテルの運営企業は2016年の開業時から20年8月までに7100万ドル(約80億円)を超える損失を計上。
黒字経営には一度もならなかった
黒字には一度もならなかったようです。
トランプとは「切り札」であり、アメリカの切り札ではないのかと思っておりましたが、その「切り札」はあっけなく消えてしまいました。
今度はホテル名からも名前が消えるようです。
Qアノンで多くの人を騙しておりましたが、詐欺師は消える運命なのでしょうか。
恒大集団が、10日の利払いを履行し、またギリギリでデフォルトを回避しています。
ドル建て債3本のクーポン1億4810万ドル(約169億円)の30日間の支払い猶予期間が10日に終了することから、投資家は同社が支払いを履行できるかどうか注目していた。
恒大は10月にもデフォルト宣言の瀬戸際に立たされたが、猶予期間終了前に利払いを履行していた。
しかし同社は3000億ドル超の負債を抱えており、危機収束には程遠い現状だ。
懸念は収まっていない。
不動産企業のデフォルト宣言や格下げはなお続いており、中国の発行体のドル建てジャンク債利回りは24%超と、少なくとも過去10年で最高水準となっている。
ジャンク債の利回りが「24%」を超えてきており、かなりやばい水準です。
恒大集団は資金集めに奔走しており、創業者である許家印氏(きょかいん)は、香港の自宅まで手放しています。
中国恒大集団創業者の許家印氏が香港の自宅をオリックスの抵当に入れたことが10日、分かった。
市場価値は8億香港ドル(約116億円)という。
恒大は米ドル債の利払いを相次いで見送るなど資金繰りに窮している。
これまでも許氏が保有する別の邸宅を中国建設銀行の抵当に入れ、資金を確保したと報じられていた。
「許氏が個人資産を使って、恒大の債務危機の救済に乗り出した」
許氏は、色々と個人資産に手をつけているようですが、高級住宅2棟に美術品や書道作品まで売却しており、ガルフストリーム・ジェット機2機も売却しています。
中国恒大創業者、高級住宅や美術品から資金捻出 当局の指示受け ロイター
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は今月、恒大がプライベートジェット2機を米国の航空機投資家に売却して5000万ドル以上を調達したと報じた。
中国メディアの報道によると、許氏は6000万ドルの価値があると推定される60メートルのヨットと、エアバスのプライベートジェット機も所有している。
許氏の純資産は2017年の約450億ドルから減少しているものの、先月発表された中国の長者番付「胡潤百富榜」2021年版では依然として113億ドルと推計されている。
しかし、許氏が個人資産の一部を売却する動きがあったとしても、調達した資金は南アフリカの国内総生産(GDP)にほぼ匹敵する3000億ドル超の恒大の負債に比べれば微々たるものだ。
先月の公表では、許氏の資産は113億ドルですが、1国のGDPに匹敵する3000億ドル超の負債からすれば、焼け石に水です。
恒大集団の破綻は避けられないのでしょう。
日本の第3四半期(7月-9月期)のGDP速報値が出ましたが、予想を大幅に下回る前期比「マイナス0.8%」、年率換算で「マイナス3.0%」と2四半期ぶりにマイナス成長になっています。
GDP、民間予測より大幅に悪化 政府の回復シナリオ「ほぼ不可能」 朝日
2021年7~9月期の国内総生産(GDP)の1次速報は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)で前期(4~6月期)比0・8%減、年率換算では3・0%減となった。
マイナス成長は2四半期ぶり。
名目のGDPは0・6%減、年率換算で2・5%減だった。
岸田政権の所得倍増や経済成長、そして格差是正は、ほぼ不可能であり、全てダメそうです。
これでこれまでの過去8四半期中、5四半期がマイナス成長になりました。
世界はインフレ傾向ですが、日本にとってインフレは致命的であり、インフレになっても利上げはできず、もし利上げすれば国債の利払い費増で財政破綻をしていく国です。
だからインフレになっても利上げができないわけですが、すると物価が高騰していくだけのスタグフレーションは必至となります。
そして企業物価が、40年ぶりに高騰しています。
資源や原材料などの価格が急上昇し、日本企業の収益を圧迫する構図が強まってきた。
日銀が11日発表した10月の企業物価指数は前年同月比8.0%上がり、約40年ぶりの伸び率になった。
世界的な供給制約や原油高で輸入物価が高騰している影響が大きい。
1981年以来の高騰ですが、どこまで波及していくのか未知数です。
日本はインフレになれば終わってしまいます、国が。
アメリカもインフレが鮮明になってきましたが、10月の消費者物価指数は、前年比「6.2%」も上昇しており、1990年11月以来、なんと31年ぶりの高さです。
ついに物価の上昇率が6%台に乗ってきました。
5%超えが5か月続き、更に上昇基調です。
生活必需品、並びに家賃と住宅価格が高騰しているようです。
原油価格も高止まりしておりますし、2005年ほどではありませんが、天然ガスもここ10年で最高値をつけています。
アメリカの石炭価格も2009年来で最高値を更新しています。
アメリカ西海岸で入港を待つコンテナ船は過去最多を記録しています。
需要過剰、供給不足がインフレですが、供給網が混乱しているのです。
入港待ちの船舶は、これまでで過去最高の「83隻」となり、入港の平均待ち時間も「16.9日」となり、2か月前の2倍になっています。
どれも上昇基調であり、供給網が混乱しています。
このグラフを見ますと、まだインフレ傾向は続きそうです。
イエレン財務長官は、インフレの原因を新型コロナのせいにしておりましたけれども、どう見ても超金融緩和と超財政出動が原因でしょうね。
供給網の混乱は、要因の一部に過ぎない。
通貨の価値が棄損しているわけですから、インフレの収束は難しいのではないか。
日本時間の本日からFRBがテーパリングを開始しましたが早速、MOVE指数(債券不安指数)が、「81.59」と今年の最高値を更新しています。
11月15日~12月13日の国債購入計画では、国債の買い入れ額は700億ドル、MBS(住宅ローン担保証券)は400億ドルから350億ドルに減額します。
12月の半ばには国債を600億ドル、MBSを300億ドルに縮小します。
まさかアメリカがデフォルトすることはないでしょうが、債務上限問題が12月3日に迫っており、残り18日を切っています。
債務の上限を引き上げるか、あるいは債務の上限適用を停止するかしなければ、アメリカはデフォルトしてしまいます。
日本の第3四半期のGDPは「マイナス3.0%」でしたが、他国での年率換算ではこうなっています。
アメリカと中国の伸びが鈍化しているのが分かります。
アメリカは2期連続で年率換算6%を超えていたわけですが、2.0%と成長が鈍化しており、中国も0.8%と鈍化しています。
ここで物価が上昇しますと失速していくかもしれません。
東南アジアでは、ベトナムが「マイナス6.1%」、マレーシアは「マイナス4.5%」、タイは「マイナス0.3%」であり、インドネシアは「3.5%」とプラス成長でしたが、伸び率は大幅に鈍化しています。
東南アジアの成長鈍化は、供給網の混乱と直結しておりますので、ここでも世界的にインフレ圧力がかかっていることになります。
もはや手遅れの感もしないではありませんが、サマーズ元財務長官が市場の「日本化」に警鐘です。
サマーズ氏、市場は長期スタグネーションや「日本化」に身構えている ブルームバーグ
サマーズ元米財務長官は今後数年にわたって鈍い成長と低い実質金利が続くと世界の金融市場が予測しているようだとし、そうした環境は中央銀行の景気誘導能力を奪うとの考えを示した。
「市場が織り込んでいるとみられるのは、長期的なスタグネーション(停滞)への逆戻り、つまり日本化だ」
「極端に低い金利はレバレッジ拡大やゾンビ企業の延命化、金融バブル永続化への土台を作る」
「投機的なリスクの兆候が多く見られる。極端に低い金利やマイナス実質金利には問題がある」
市場は既に長期的なスタグネーション(景気停滞)を織り込んでいると言っています。
世界が日本のようになる、と。
これだけの世界的な超金融緩和と超財政出動のツープラトン攻撃をしたわけですから、経済を正常化させれば、大バブルは崩壊していくでしょうね。
既に避けられない領域にまで踏み込んでいるように思う。
この点は意見の分かれるところでしょうが、来年の始めにはインフレ率は大幅に低下する、あるいは来年中にはインフレ率は2%台に戻るという見方もあり、ECBなどもこの見方であり、来年利上げすることはないと言っています。
ECB利上げ、22年下期の公算小さい=スペイン中銀総裁 ロイター
デコス・スペイン中銀総裁は15日、ECBが2022年下半期に利上げに踏み切る公算は小さいとの考えを示した。
デコス総裁は、ECBがフォワードガイダンスで示している利上げの条件が達成されていないため「22年下半期に近い時期」でさえも利上げは検討されていないと述べた。
利上げが必要になるほど物価は上がらないと見ているようですが、むしろ利上げすることによる市場の反応が怖いために利上げできないと捉えた方が良さそうです。
どこも今は金融の引き締めを恐れているのです。
さんざんお札を刷りましたからね。
来年にはインフレは落ち着くと見ている識者もいますが、単なる落ち着いて欲しいという願望のように見えます。
何故なら今のインフレは、最低でも数か月の推移を見なければどうなるのかは、誰にも判断できないからです。
米FRB、高インフレ見極めに数カ月必要=リッチモンド連銀総裁 ロイター
米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は15日、高インフレと労働力不足が新型コロナウイルス流行の影響でありいずれ緩和するのか、それとも経済のより持続的な変化を反映したものなのかを連邦準備理事会(FRB)が理解するには少なくともあと数カ月かかる可能性があると述べた。
「インフレがより正常なレベルに戻るかどうかを評価するためあと数カ月あるとわれわれにとって助かる。
労働市場は開放されるのだろうか。現実を見極める一定の時間を持つことは有益だと思う」
この判断が妥当だと思いますが、どうも手遅れという感じがします。
イギリスはもっとインフレを恐れているようであり、4日の金融政策委員会での利上げを見送っています。
11月の利上げ見送りは「非常にぎりぎりの判断」=英中銀総裁 ロイター
イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は15日、議会下院の財務委員会で「インフレを巡る状況に非常に不安を感じている」とし、目標値を上回るインフレ率を当然望んでいないとした上で、今月4日の金融政策委員会での利上げ見送りは「個人的には非常にぎりぎりの判断だった」と述べた。
イギリスの政策金利は過去最低の0.1%ですが、ベイリー総裁は、インフレに対して非常な不安を感じています。
ただ景気が想定通りに推移すれば、向こう数か月のうちに利上げし、引き締めに転じる可能性も否定していません。
世界的な超緩和マネーが、資源や原材料、あるい穀物に流れ込んで価格を押し上げており、これに加えて供給制約が更にインフレ圧力となっているわけですから、数か月でインフレが収まればいいのでしょうが、長引きますと中央銀行はインフレに対処せざるを得なくなります。
すると利上げをしなければならなくなるわけであり、それが株価の暴落を引き起こし、強烈な景気後退に陥ることを金融当局は非常に恐れており、優柔不断にインフレへの対応が遅れましても、非難される難しい舵取りを要求されます。
ソフトランディングを目指すのでしょうが、ここまでお金を刷れば、それも難しいでしょうね。
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