イギリスの第2四半期(4月-6月期)のGDP速報値が出ましたが、欧州では突出した悪い数字になっています。
英GDP、4~6月は最悪の20.4%減 欧州主要国で突出 日経
英統計局が12日発表した2020年4~6月期の英実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、前期比で20.4%減だった。
新型コロナウイルス禍で個人消費や生産活動が停滞し、過去最大の縮小を記録した。
小売店などサービス業の再開出遅れが響き、欧州域内で悪化ぶりが突出した。
「マイナス20.4%」ですが、第1四半期(1月-3月期)の「マイナス2.2%」と2四半期連続でのマイナス成長ですからテクニカル・リセッション確定です。
統計を取り始めた1955年から過去最悪の数字です。
欧州主要国の中でも最悪です。
日本でも第2四半期(4月-6月期)のGDP速報値が出ていますが、戦後最悪のマイナス成長となっています。
内閣府が17日公表した4~6月期の国内総生産(GDP)の1次速報は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)で前期(1~3月)より7・8%減り、3四半期連続のマイナス成長になった。
このペースが1年間続いたと仮定した年率換算では27・8%減。
成長率のマイナス幅は比較可能な1980年以降で最大で、事実上、戦後最悪の落ち込みだ。
年率換算で「マイナス27.8%」であり、3四半期連続のマイナス成長は2011年以来です。
リーマン・ショックの時(2009年1月-3月期)の年率「マイナス17.8%」を超えています。
上場企業の純利益は「57%」減少し、製造業は「85%」減少しています。
ニューヨーク連銀製造業景気指数も出ましたが、回復感に一服歯止めがかかった格好です。
「0」以上が好況、以下が不況ですが、予想の「15.0」から「3.7」となり、抑制された数字になっている。
世界経済の悪化と共にトランプ大統領も受難です。
トランプ大統領の弟であるロバート・トランプ氏が入院しており、「重篤」と報道されている。
トランプ米大統領は14日、弟のロバート・トランプ氏がニューヨークで入院したと明らかにした。
入院の理由などには触れなかった。
トランプ氏は「私には大変仲の良い素晴らしい弟がいる。回復を祈っているが、容体は厳しい」と語った。
ABCは「容態は極めて悪い」と報じていますが、大統領選前にショックでしょうね。
トランプ大統領の資産も減少しています。
トランプ氏の純資産、過去1年で3億ドル減-大統領就任以降で10%減 ブルームバーグ
トランプ米大統領の純資産額は27億ドル(約2880億円)と、過去1年間で3億ドル減少したことがブルームバーグ・ビリオネア指数で明らかになった。
大統領就任以来、同氏の資産額は10%減少した。
新型コロナの影響で資産を減らしています。
追加の新型コロナ経済対策も大きく遅れそうであり、9月末までずれ込む可能性が出てきています。
そんなに遅れますと間に合わないのではないか。
米連邦議会で与野党が対立し、追加の新型コロナウイルス対策の発動は大きく遅れそうだ。
失業給付の上乗せなど特例措置は相次ぎ失効。
トランプ米大統領は独自の権限で財政出動を指示したが、月内の支給は困難な情勢だ。
議会審議決着は9月末にずれ込む可能性もあり、持ち直し始めた米景気の重荷となる。
ここにきてドル安が加速してきており、ドルは先進国の中では最弱通貨になっています。
ドル安基調の長期下落トレンドが開始されたと見られており、2番目に弱い通貨は円です。
回復の過程では、通常は弱いドルよりも、円の方が弱くなるため円安ドル高になりますが、今回は弱い円よりもドルが更に弱くなるために円高ドル安になると予想されています。
トランプ大統領の支持率もバイデン氏に「8ポイント」ほど差をつけられておりますが、どちらが大統領になってもドル安基調は変わりそうにありません。
TDセキュリティーズによれば、景気後退局面の途中で再選を果たした現職大統領は存在しないようであり、ならばトランプ再選は難しいかもしれません。
バイデン氏が大統領に選ばれますと、法人税率を「28%」まで引き上げ、規制緩和などもやめる可能性が高く、恐らく欧州や中国に課していた関税も撤廃します。
またバイデン氏が大統領になればインフラ整備に財政出動として「2兆ドル」を追加すると言っておりますのでドル安はどちらが選ばれても加速しそうです。
アメリカの財政赤字はGDP比で「20%」に達しており、ドルの価値が落ちていくのは予測のできることです。
今後は長期的なトレンドとしては円高になっていくということでしょうね。
これも新型コロナ次第で状況は変化していくのでしょうが、このような猛暑でも感染拡大がとまりません。
8月は猛暑と予想はされておりましたが、カリフォルニアは現在、熱波に覆われていますが、新型コロナの感染は続いています。
あまりの熱波にカリフォルニアでは大規模停電が恐れられている。
熱波のカリフォルニア州、大規模停電の恐れ-電力需要急増で ブルームバーグ
電力需要の増大で送電システムが崩壊する可能性があり、それを防ぐために計画停電が行われているわけですが、4日で3回も計画停電が実施されている。
数十年で最も過酷な部類の熱波に見舞われている米カリフォルニア州では、17日夜に計画停電に追い込まれる可能性があり、最大で1000万人の住民が影響を受けるとみられる。
同州の送電系統を管理する独立系統運用機関(CAISO)は、エアコン使用などによる電力需要急増で送電システムが崩壊する事態を防ぐため対応に当たっている。
17日の夜ですが、夜の気温が「43℃」に達するそうです。
日本では、最低気温が25℃以上を「熱帯夜」と言い、最低気温が30℃以上を「超熱帯夜」と言いますが、そのようなレベルの暑さではありません。
凄い暑さです。
夜でこの気温ならば、昼間はどれほどの気温になっているのか。
カリフォルニアのデス・バレー(死の谷)でも最高気温の記録を更新しています。
なんと「54.4℃」を記録している。
これは世界でも歴代「3位」の暑さですが、公式に承認されれば、世界1位の暑さと認定されるかもしれないと言われています。
1位の1913年にデス・バレーで記録された気温と2位のアフリカ北部のチュニジアで記録された気温は、どちらもその正確性が疑問視されています。
アメリカメディアの報道では、16日に記録されたデス・バレーの気温が、事実上世界トップの高温記録と報道されています。
日本でも昨日の17日、静岡県浜松市で記録された「41.1℃」が、2年前の歴代1位の記録と並んでいます。
続々と高温の記録が更新されている中でしぶとく新型コロナが感染を拡大しています。
南米ボリビアでは、「12名」もの閣僚が感染しておりますし、アメリカのCDC(アメリカ疾病予防管理センター)では、9月5日までに「18万人~20万人」の死者が出ると予測しています。
COVID-19 Forecasts: Deaths CDC
そのCDCのロバート・レッドフィールド所長ですが、今年の「秋」はアメリカの保健衛生史上「最悪の秋」になると警告しています。
米コロナ禍、対策怠れば「史上最悪の秋」に CDCが警告 CNN
レッドフィールド所長は14日までに、新型コロナウイルスの感染状況について、当局が推奨する対策に従わない場合、秋には米国の保健衛生史上最悪の事態が訪れると警鐘を鳴らした。
「一部の人へのお願いではない」「国民全員が実行しなくてはならない」と強調したうえで、これらの推奨事項が守られなければ「公衆衛生の観点から、我々が過去に経験した中で最悪の秋を迎える」恐れがあると訴えた。
「向こう5カ月間、新型コロナウイルスがなくならないことは誰の目にも明らかだ」
少なくとも来年の1月までは新型コロナは蔓延すると見ています。
インフルエンザとダブルで来るようですが、この秋以降は文明の転換点になるかもしれません。
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