気候変動

アルベド・フィードバック

カリフォルニア南部沖でのザトウクジラとイルカのコラボレーションです。

見ていて清々しいですね。

自然界に身を置いた時、人は人間性を取り戻す。

心を尽くし、力を尽くし、思いを尽くし、あなたの主なる神を愛せよ、なんて言わなくても、自然界という神の体を嫌いな者は一人もいません。

過去もいなかったし、今もいないし、今後もいません。

心を尽くし、思いを尽くし、なんて血みどろになんな、と。

神を嫌う者など一人もかつていなかったし、今もいないし、今後もいないのです。

ただ人類は、目の前にある大宇宙が神だと知らないだけです。

宇宙は神の表現体であり、神の体です : 高橋信次

近代、神の思想を説かれた方は、みなこの点を悟っています。

ヘーゲルもエマソンもゲーテも西田博士も、きちんと説いています。

オーストラリアの山火事も酷いことになっていますが、山火事の煙でシドニーがこうなっています。

まるで霧のロンドンです。

濃い煙が霧のようにシドニー全体を覆い隠している。

ロンドンの霧と言えば、思い出すのがオスカー・ワイルドの言葉です。

ロンドンの霧は、詩人が謳うまで存在していなかった。

心で認めたもののみが存在に入る。

心で神の存在を認めていないがゆえに我々の世界に神の存在が入らない。

事物や対象は、人が眺めるその眺め方に従って存在する : オスカー・ワイルド

まるで観測者によって存在が左右される量子力学の世界です。

既に死者「4名」、住宅「300棟」が被害を受けているようですが、19日にこれからも記録的な高温が続くという予報がでています。

シドニーの霧による健康被害が懸念されているようです。

身を挺して女性がコアラを助けています。

給料もボーナスも出ないのにね。

こういうのを人間性と言う。

ちなみにオーストラリアと言えばコアラとカンガルーですが、もちろんこの山火事でカンガルーも逃げています。

イタリアのアクア・アルタ(高潮)ですが、今月は記録が続々と更新されています。

11月17日時点までの記録を表にしてみました。

順位日付高さ(センチ)
第1位1966年11月4日194㎝
第2位2019年11月12日187㎝
第3位1979年12月22日166㎝
第4位1986年2月1日158㎝
第5位2008年12月1日156㎝
第5位2018年10月29日156㎝
第6位2019年11月15日154㎝
第7位1951年11月12日151㎝
第8位2019年11月17日150㎝
第9位2012年11月11日149㎝
第10位1936年4月16日147㎝
第10位2002年11月16日147㎝
第11位1960年10月15日145㎝
第11位2009年12月25日145㎝
第12位2019年11月13日144㎝
第12位1968年11月3日144㎝
第12位2000年11月6日144㎝
第12位2009年12月23日144㎝
第12位2010年12月24日144㎝
第13位2012年11月1日143㎝
第13位2013年2月12日143㎝
第14位1992年12月8日142㎝
第15位1979年2月17日140㎝

ソース

ソースは、1875年10月14日からのすべての潮位のデータです。

歴代第1位の潮位である1966年11月4日は、最小は「116㎝」であり、最大は「194㎝」とあります。

今のところ「310回」の潮位が記録されています。

この15位までの表を見ますと、歴代15位までの記録に今年の11月は「4日」も入っています。

またトップ15位中「14個」が、2000年代に入ってから記録されている。

明らかに最近の潮位は異常な上昇傾向を示している。

ソース

アクア・アルタの潮位で注意する閾値(しきいち)は「80㎝」であり、「100㎝」を超えますと公有地の「5%」が浸水する。

潮位の高さが「110㎝」を超えますと、都市の「12%」が洪水となり、「140㎝」に達しますと都市の「59%」が洪水となります。

12日の潮位「187㎝」で都市の「80%」が浸水しています。

ソースの記事では、ベネチアの象徴であるサンマルコ広場は過去1200年で「6回」浸水しており、その6回のうち「4回」は、過去20年で発生しています。

やはり近年、洪水は増加しているわけです。

上記の棒グラフは、高さ「110㎝以上」の洪水が起こった回数のグラフですが、近年恐ろしいほどの増加傾向にあります。

ソースの記事は数字がおかしいのが多く、アクア・アルタが「140㎝」を超えた回数を20回と記載していますが、「23回」が正解です。

歴代2位の「187㎝」を「189㎝」と記載したりと、少し数字がいい加減です。

洪水が増えるとこうなります。

笑えますが、こういうことってあるよな。

沈み過ぎ。

しかしてアクア・アルタの高さと回数が異常です。

明らかに気候システムに何か従来とは異なる異常なことが起こっていることを示しているグラフだと思う。

わずか世界の平均気温が「1.1℃」の上昇で既に顕著にあらわれている。

地球温暖化の研究が進んできているとは言え、グリーンランドの氷の融解に関する現在の気候モデルは、まだ不完全な部分が多々あるようです。

With Greenland’s Extreme Melting, a New Risk Grows: Ice Slabs That Worsen Runoff INSIDECLIMATE NEWS

ここでは現在の気候モデルは、グリーンランドの氷の融解による海面上昇の予測を「2倍~3倍」過小評価している可能性が高いと言っています。

3分の1~半分に見積もっている。

グリーンランドと西南極氷床は、以前にほとんどの気候モデルが予測していたスピードよりも、遥かに速く溶けている。

10年半ほど前、IPCCは世紀末までの海面上昇を予測していましたが、現在の研究では、その海面上昇は「6フィート~8フィート(1.8m~2.4m)」を排除することはできないと言っています。

メルト・ゾーンも確実に拡大している。

グリーンランドの2012年と今年の異常な融解が意味することは、大西洋の気候パターンがこのまま失速を続けると、ティッピング・ポイント(転換点)を超え、グリーンランドの氷床は、推定する2倍の速さで崩壊を続ける。

大幅に二酸化炭素を削減しなければ、今世紀中にもティッピング・ポイントを超える可能性があると言っています。

北極海も「2044年」までに氷がなくなる可能性があると科学者は警告しています。

The Arctic Ocean could be ice-free till 2044, warns scientists Tech Explorist

過去35年の北極の氷の推移はこれです。

減ってます。

北極圏やグリーンランド近辺は、温暖化が他の地域と比べて「2倍の速度」で温暖化しています。

北極の氷が減少していきますと、南側の地域との温度差がなくなり、ジェット気流(偏西風)の流れが弱体化してきます。

従来このジェット気流が、北極の冷たい大気をカーテンのように遮断していたわけですが、このジェット気流が弱まりますと蛇行を始め、カーテンは取り払われ、南側の地域に北極の寒気が流れ込み、大寒波をもたらします。

北極圏の異常が、世界中の異常気象を招いている。

既に欧米ではそうなっています。

記事では1979年以来の衛星による観測によれば、北極では10年ごとに氷が「13%」減少したことが示されている。

NASAでは「12.8%」とある。

ソース

UCLAの気候科学者による研究によれば、「2044年~2067年」までに北極の氷はすべて失われる可能性があるという研究結果を報告しています。

アルベド・フィードバックのアルベドとは、太陽光を地面がどれだけ反射するかの反射率であり、その割合の増減によって予測にバラつきが出てくる。

氷が溶けなければ、太陽光を反射し、低温を維持できるが、北極の氷が減少すれば、アルベドが減少し、太陽光を吸収して温暖化が進んでしまう。

温暖化が進めば、更に北極の氷は加速度的に溶けていくというアルベド・フィードバックに陥る。

北極とグリーンランド、並びに永久凍土や西南極氷床は、既に溶け始めているようであり、一旦現象的にあらわれてくれば、遅いのではないかと思う。

ただこの気候クライシスは、年々そのリスクが増加していくでしょうね。

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