フクロウがカメラを倒しています。
フクロウが隠しカメラに突進。 pic.twitter.com/lFmpppQXGe
— ロイター.co.jp (@Reuters_co_jp) 2019年8月14日
飛び立つところを見られたくないのでしょう。
シャイなフクロウです。
かつてヘーゲルは『法の哲学』の序文で「ミネルヴァのフクロウは、迫りくる黄昏に飛び立つ」と残しています。
夜行性のフクロウは、夜が来ると羽を羽ばたかせて飛翔していく。
女神ミネルヴァとは、知恵の女神アテナのことであり、ギリシャの首都・アテネです。
フクロウは、その女神の使者であり、よく色々な意味で引用される言葉です。
世界の腐敗が完成し、腐敗が成熟した闇の時、智慧の女神の使者は羽ばたく。
時代の闇がフクロウを呼び寄せる。
多くは闇の中を進むことはできないが、フクロウは闇の中でも進路を誤ることなく、進むことができる。
人類の盲目が招いた闇の世界は、まさに主客合一の法則通りです。
世界が腐敗と闇の世界に置かれて盲目となり、進めなくなるのは、人類の心が元々盲目であったことのあらわれである。
見られる世界は、見る者の心の世界である : 西田幾多郎
元々、盲目であった者が、世界を歩くから、あちこちとぶつかり、転げ、闘争となり、大けがをして、自然界と生態系をも荒らしていくことになる。
世界は行き詰まり、腐敗の極に達し、文明の黄昏時になると智慧の使者・フクロウを呼び寄せる。
ミネルヴァのフクロウが、文明と人類を救うであろう。
まさにミネルヴァのフクロウは、迫りくる黄昏時に飛翔する。
ニューヨークダウが、800ドルも下げています。
今年、最大の下げであり、ドルはポンドに対しても下げています。
金(ゴールド)も1500ドル台の下値を固めてきておりますが、昨日の14日、アメリカとイギリスが仲良くそろって逆イールド(長短金利の逆転)となっています。
逆イールドとは、半年から一年半以内にリセッション(景気後退)に陥る前兆現象であり、サインです。
国債の逆イールドで最も注目されるのが、2年債と10年債ですが、イギリスは現時点でも逆イールドとなっています。
2年債は「0.467%」であり、10年債は「0.426%」で、2年債の方が利回りが高くなっており、逆イールド化しています。
通常は、2年の短期債の方が長期の10年ものよりも、利回りは低いのですが、2年債の方が10年債よりも金利が高くなっています。
これは世界の中央銀行が将来、利下げに踏み切ると市場がよんでおり、安全資産である長期の国債を買いすぎるあまり、金利が低下し、短期債よりも利回りが低くなることが理由ですが、世界中の中銀が利下げに踏み切るとは、景気が悪化している時です。
事実、今は世界中で利下げ競争になっています。
ECB(欧州中央銀行)も、来月FRBに追随して利下げすると予想されている。
景気後退懸念がくすぶっているということです。
アメリカでは逆イールドの予言はよく当たります。
アメリカの2年債と10年債は、あくまで昨日、一時的に逆イールドとなっただけであり、今は順イールドに戻っています。
ただ1月もの、3月もの、6月もの、1年債と10年債は、逆イールドとなっている。
イギリスもドイツもマイナス成長であり、中国の経済指標の悪化と逆イールドとくれば、市場は悲観一色となる。
長短金利逆転で世界経済は「悲観一色」-FRBが原因だとトランプ氏 ブルームバーグ
2年債と10年債の逆イールドは、一時的とはいえ、2007年6月以来、なんと12年ぶりです。
2007年の翌年、2008年にリーマン・ショックが起こっており、世界の中央銀行を完膚無きまでに叩きのめしました。
それは今でも続いています。
来年以降、世界的リセッションが、再来するかもしれない。
その場合、リーマン・ショックで弾丸を打ち尽くした世界の中央銀行は、手の打ちようがなくなる。
14日の米国債市場では30年債利回りが過去最低を記録した。
投資家のリスク資産離れが進んだためで、10年債利回りは2007年以来初めて2年債利回りを下回った。
10年債利回りは一時2年債利回りを1.9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下回り、向こう1年半に米経済がリセッション(景気後退)入りする前触れとされる逆イールド現象が発生した。
トランプ大統領は激怒しておりますが、FRBに文句を言っても、来るものは来ますからね。
来年は、新たな文明の到来を告げる鐘の音が、大きな音量で世界中に鳴り響いているかもしれない。
前のリーマン・ショックでは、新興諸国の頑張りで何とか持ちこたえましたが、次回のビッグ・ワンでは誰も何もできない。
新興諸国も悪いです。
利下げもできず、金融緩和もできない。
残るものは残り、滅ぶものは滅ぶ。
でも大丈夫。
市場はハルマゲドンを既に織り込んでいます。
逆イールドで「アルマゲドン」織り込み、世界で銀行株に一斉売り ブルームバーグ
しかしてうけました。
市場は何でも織り込むんだな、と。
ルーロフ・サロモンズ氏は「債券利回りはアルマゲドン(最終戦争)を織り込みつつある」と指摘。
恐らく市場は、ポールシフトまで織り込んでいる。
イエロー・ストーンの破局噴火も織り込んでいたりしてね。
あのジャイアント・インパクトも、「大丈夫、市場は織り込んでいる」
「・・あのぉ、惑星が壊滅してるんですけど・・」
「大丈夫、市場は織り込んでいる」
何でも織り込むんですね、市場は。
イギリスは15日の現時点でも2年債と10年債が逆イールドになっています。
景気後退の前兆現象である逆イールドは、イギリスにおいては、現時点で既にそうなっていると先月、国立経済社会研究所 (NIESR)が指摘しています。
英国のEU離脱、すでに国内リセッション誘発した可能性-NIESR ブルームバーグ
英国が欧州連合(EU)を離脱する見通しによって、英経済はすでにテクニカル・リセッション(景気後退)に陥った可能性がある。
2四半期連続でマイナス成長となれば、テクニカル・リセッションですが、第二四半期は0.2%のマイナス成長でした。
第三四半期(7月~9月)もマイナス成長と見込んでいます。
リセッションとなりますと今年中に、イングランド銀行は0.25%まで利下げを実施しますが、来年さらにポンドは10%下落し、GDPはゼロ成長となり、インフレ率は4.1%に加速しますので、インフレ抑制のため、来年末までに1.75%まで急激に利上げに踏み切ると予測しています。
ジェットコースター経済ですが、ジェットコースターって楽しいですよね。
手を上げて、ワァー、とか叫んだりして。
この急激な下降がたまんねぇよ、とか言って。
あのスリルがよ、とか。
イギリス経済に乗っている人が、楽しいかどうか知りませんが。
2019年上半期の自動車販売が、既に「20.1%」も減少しています。
イギリスで自動車生産台数20%減 EU離脱めぐる影響 FNN
混乱が続くイギリスでは、2019年上半期の自動車生産台数が、20%減ったことがわかった。
イギリスの自動車製造販売協会が、31日に発表したもので、2019年上半期は、生産台数が前の年に比べて、20.1%減少したほか、自動車業界への投資も70%以上減った。
イギリスでは、ホンダがスウィンドンの工場での生産中止を発表したほか、フォードもウェールズのエンジン工場の閉鎖を決めるなど、自動車大手の撤退が相次いでいる。
沈む船からは何とやら、で。
やはり次のビッグ・ワンは、ブレグジット(EU離脱)でしょうか。
合意なき離脱の可能性が飛躍的に高まっています。
合意なき離脱となれば、イギリスは食糧不足に見舞われると食品業界が警告しています。
「合意なき離脱」ならイギリスは食料不足に見舞われる NEWSWEEK
もしボリス・ジョンソン首相が性急に「合意なき離脱」を強行すれば、数週間~数カ月にわたる食料不足に追い込まれると、英食品業界が警告した。
食品業界はブレグジットを、第二次大戦以来最大の危機と捉えている。
飢えに苦しむような不足ではありませんが、生鮮食品やプロが使用する特別な食材などは不足すると見られている。
合意なき離脱は、不透明と言えば、不透明ですが、ボリス・ジョンソン首相は、EUがジョンソン氏の提案を一切考慮に入れていないにも関わらず、根拠なき楽観論にふけっています。
EU側との合意があろうが、なかろうが、何が何でも10月31日に離脱すると公約しているわけです。
議会は阻止に動くでしょうが、ほぼ時間切れであり、ジョンソン首相を止められない可能性が現時点では高いです。
合意なき離脱を阻止せんとする勢力は、何としても10月31日よりも前に内閣不信任案を可決し、総選挙にもっていくか、再度の国民投票にもっていかなければならないわけですが、時間的にほぼ無理です。
ジョンソン首相が、EU側に離脱延期を要請するわけありませんから、合意なき離脱を避けたい議員は何としても10月31日前までに何とかしなければならないわけです。
休会明けの9月3日には労働党が内閣不信任案を提出するようですが、たとえ可決されても、ジョンソン首相はEU離脱まで辞任せず、総選挙になっても、それは10月31日よりも後であり、あくまで総選挙はEU離脱後に行うと言っています。
阻止しようがないのですね。
英ジョンソン首相、内閣不信任案めぐり議会を牽制「不信任可決されても総選挙はEU離脱後」 NEWSWEEK
ジョンソン氏は議会で内閣不信任案が可決された場合でも確実にEUを離脱するよう、辞任を離脱後に延期するとの報道も出ている。
首相側近の話として、ジョンソン首相は議会が内閣不信任案を可決した場合、EU離脱の数日後に総選挙を実施すると述べたと報じていた。
内閣不信任案が可決後、14日以内に代替政権を樹立しなければならず、樹立できなければ、そのまま総選挙となります。
また代替政権を立てても、ジョンソン首相は10月31日まで辞任しないとも言われており、慣習法の下では辞任の義務はないとまで言っており、法律的にはあやふやな面があるようです。
また代替政権そのものの樹立も難しいと見られています。
不信任案の可決によってジョンソン内閣を崩壊させることはできますが、ジョンソン首相には10月31日以降に総選挙を先送りする権限があります。
また内閣不信任案の可決後、議会が解散した場合、議会解散後、25営業日内に総選挙をすることはできません。
すると日程的にギリギリとなります。
議会解散後、25営業日内では総選挙はできませんが、それ以降ですといつでも行えます。
つまりジョンソン首相は、10月31日以降に引き延ばすことができるのです。
これは首相の専権事項となっている。
当然、伸ばすに決まっています。
総選挙が最短で実施される場合の日程は以下の通り。
*9月3日:会期冒頭で労働党が内閣不信任案採決の動議提出
*9月4日:内閣不信任案が可決
*9月18日:14日間の期間中、どの政党も信任得られず
*9月19日:選挙日程が決定
*9月20日:議会が解散
*10月25日:選挙日(慣例に反した場合)
*10月31日:選挙日(慣例に準じた場合)
イギリスは慣例的に総選挙は木曜日に実施しますが、ジョンソン首相が慣例に反して木曜日以外の日に総選挙を行う可能性は低く、10月31日の離脱日は、確かに木曜日ですが、この日に総選挙をすることはないわけです。
休会明けの9月3日に内閣不信任案を提出し、翌日の4日に内閣不信任案が可決される。
それから14日以内の9月18日までに代替政権を樹立しなければなりませんが、その可能性は低い。
従ってその翌日の9月19日に選挙の日程が決まりますが、この頃に既に合意なき離脱の可否がほぼ決まっている。
選挙日程が決定後、その翌日の20日に議会が解散し、25営業日内である10月24日まで総選挙はできない。
10月25日以降ならば、いつでもできるわけであり、それを離脱日までに実施する可能性は、かなり低い。
10月25日は金曜日であり、慣習と反する日ですから恐らくやりません。
次の最短の木曜日と言えば、離脱日である31日ですが、これもジョンソン首相の専権事項ですから、伸ばす権限があります。
つまり日程的にギリギリなのです。
少なくとも現時点では、イギリスのEUからの合意なき離脱、ノーディール・ブレグジットは、かなり可能性としては高い。
しかもEU離脱は、イギリス国民の過半数が支持しています。
何としてでもEU離脱実現すべき、英国民の過半数支持=世論調査
ジョンソン英首相は、議会を休会させてでも欧州連合(EU)からの離脱を断行すべきだと英国民の過半数が回答した。
ジョンソン氏は、EUと合意できなくても10月31日に離脱すると表明している。
54%が支持する、46%が支持しないと回答した。
世論の後押しがあるわけです。
合意なき離脱は、かなり可能性が高いのではないか?
EUのユンケル委員長が警告です。
欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は、ジョンソン英政権が「合意なきEU離脱」を強行することは「誰の利益にもならない。
英国は大損害を被る」と改めて警告した。
英政権は「あたかも(合意なき離脱でも)問題はないかのように振る舞っている」が現実は違うと疑義を示した。
EU側は合意なき英離脱に対し「十分に準備ができている。英側もそうであることを望む」と述べた。
ユンケル委員長は、この離脱日である10月31日に退任します。
最後の大仕事でしたね。
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I could not refrain from commenting. Perfectly written!