白人優越主義者に端を発した人種差別問題ですが、歴史問題に移ってきています。
アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンをすっ飛ばしてイタリア人クリストファー・コロンブスの銅像が撤去されるかもしれません。
最古のコロンブス記念碑を破壊している動画ですが、これです。
Last night, activists in Baltimore took a sledgehammer to the oldest Christopher Columbus monument in the US. Then they uploaded this video: pic.twitter.com/MxN9YrT7cF
— Jack Smith IV (@JackSmithIV) 2017年8月21日
新大陸の発見者として10月12日を「コロンブス・デー」として祝日にしていた州もあったはずですが、これほど深刻な問題とは思いませんでした。
動画では初代アメリカ大統領ジョージ・ワシントンとコロンブスを「大量虐殺者」と呼んでいます。
現象だけを捉えれば、そうなのかもしれませんが、アメリカ人はコロンブスを尊敬していたのではなかったか?
このビル・トッテンという方は、生粋のアメリカ生まれの元アメリカ人ですが、子供の頃はコロンブスを尊敬していたようです。
長ずるに従ってアメリカの歴史を知り、嫌気がさして日本に帰化した人です。
アメリカからは、確かペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)に指定されていたはずです。
この偉人・コロンブスとは、一体どんな人物だったのだろうか。
彼は新大陸で、何をしたのだろうか。
コロンブスが「穏やかで優しい」と形容した先住民は、武器を持たないどころか、その存在さえ知らなかったという。
コロンブスは記す。
「私がサーベルを見せたら、刃のほうを持って手を切ったくらいだった」
「彼らは立派な召し使いになるだろう。
手勢50人もあれば、彼らを一人残らず服従させられるし、望むことを何でもやらせることができるだろう」
コロンブスの日記には、やたらと「黄金」の2文字が登場する。
最初の2週間の日記には、75回も出てくる。
コロンブスー行の所業には目を覆うばかりである。
先住民が持っているわずかばかりの黄金を見ただけで、大量にあるはずだと思い込み、期限を設けて、黄金を差し出すよう命じた。
そしてそのノルマを達成できなければ、ほかの先住民への見せしめのため、腕を叩き切ったという。
山に逃げた者は猟犬に追われ、たとえ逃げ切れたとしても、その先に待っていたのは餓死か病死。
いずれにしても死だった。
絶望にうちひしがれた人々は、毒を飲み干した。
コロンブスらが来たことによって、地上の楽園だったエスパ二ューラ島は急速に人口が減っていった。
もちろん、この「減る」という意味は、ほとんど「死ぬ」と同義である。
もっと正しい表現を使えば、「殺された」ということだ。
ある学者の推定では、当初30万人いた先住民のうち約10万人が、1494年から96年までの2年間で死亡したという。
1508年にはさらに6万人に減り、1548年には生存者は500人いたかどうかも疑わしい。
これを「ジェノサイド(集団殺戮)」と呼ばずして、何と呼べばいいのだろうか。
これ故に中米ではコロンブスを虐殺や略奪の罪で模擬裁判で死刑を宣告しています。
このような人物の記念碑が建てられ、偉人として教育されてきました。
ラス・カサスの「インディアスの破壊についての簡潔な報告」を読んだことがありますが、薄い本ですが内容は相当酷く、スペイン人の虐殺が如何に酷いものであったかが記されています。
読んでいると吐き気がします。
コロンブスが上陸した時にはおよそ800万人だった西インド諸島の人口は、約20年後の1514年には、約2万8000人しか残っていなかったという。
要するに、99パーセント以上の先住民が殺し尽くされた計算になる。
この内容にアメリカ人自身が気づいてきたということでしょう。
トッテン氏は、イギリスから逃れ、メイフラワー号に乗ってマサチューセッツ州・プリマスにやってきた清教徒、ピルグリム・ファーザーズについても語っていますが、感謝祭とその後のインディアンに対する酷い仕打ちも述べています。
上記の動画ではジョージ・ワシントンまで非難しています。
そこまで過去にさかのぼっていけば、最期には自国を否定していくことになるのではないか。
現在の価値観で当時の価値観を裁いていけば、キリがなくなると思う。
先住民であるインディアンの聖地であったラシュモア山にはアメリカ建国の父である4人の大統領の顔が彫られています。
この4人の大統領は、みな虐殺者と言えば、虐殺者です。
ワシントンやトーマス・ジェファーソンは、多くの奴隷を所有していましたし、ジェファーソンは奴隷に子供まで生ませています。
奴隷解放で有名なアブラハム・リンカーンも先住民の民族浄化をしています。
ロングウォーク・オブ・ナバホ (Long Walk of the Navajo) 、または「ボスク・レドンドへの長旅」とは、1864年に実行された、合衆国大統領エイブラハム・リンカーンの指示によるインディアン民族に対する民族浄化。
サンドクリークの虐殺だの言い始めたら、際限がなくなってくる。
当時は白人とインディアンが戦争をしていたのであり、それを虐殺と言えばそう言えるかもしれません。
またアメリカは、白人が先住民の土地を奪って建国された国と言えば、そうかもしれない。
その歴史を否定したい気持ちは分かりますが、歴史は歴史であり、かえようがありません。
ただ歴史から学ぶことはできる。
現代の価値観で当時を裁いていけば、すべてを否定し、国家そのものを否定するしかなくなる。
少しづつですが、霊的にも進歩しているわけであり、その進歩した善悪の観念から当時の善悪を裁いていけば、子供の頃に行った悪を、大人になって否定し、そのうち罪悪感から自殺するしかなくなります。
ガーディアンも記事を出しています。
Toppling statues? Here’s why Nelson’s column should be next ガーディアン
この記事ではイギリス最大の英雄と言われるネルソン提督と帝国主義であり、人種差別主義者でもあったセシル・ローズ、あるいは奴隷貿易で膨大な財をなしたエドワード・コルストンの彫像のことをのべています。
ネルソン提督は白人優越主義者であり、回りの人間は奴隷制を批難していたにも拘わらず、ネルソンだけは擁護したと記載されています。
オックスフォード大学のセシル・ローズの像は、学生の抗議があったにも関わらず、未だに撤去されていない。
奴隷貿易で悪名高いエドワード・コルストンをブリストル市では、未だ祝っている。
アメリカではシャーロッツビルでの事件以後、まさか事態がここまで深刻化するとは思いませんでした。
白人優越主義者とオルトライト、アルトライトとも言いますが、あるいはネオナチ対反差別主義者の対立ですが、国家を分断しているように見える。
まさか第二次南北戦争でも始めようとしているわけでもないでしょう。
もしリンカーンやワシントンの銅像まで撤去される事態になりますと、分断は非常に深刻なものだと思う。
自国そのものを否定していく事態に発展していきかねない。
要は教育やメディアを通して国民を騙してきた者達がおり、それに気づいた国民が、怒っている。
正義だと思っていたコロンブスが、実はとんでもない虐殺者だった。
それを尊敬するように洗脳されてきた。
ならばワシントンもリンカーンもそうではないのか?
一体、誰が我々国民にそう信じさせ、騙してきたのだ?
かつて偉大な人物だと信じてきた偉人が、実はすべて嘘だったのではないか、と言った疑心暗鬼ですが、この方向が進展していけば、下手をすると国家が根底から崩壊してしまいます。
非常にきな臭いものを感じています。
果たしてジョージ・ワシントンの銅像は、撤去されるのでしょうか?
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