経済政策において両候補は、どういった違いがあるのでしょう。
一言で言えばヒラリー氏は「大きい政府」であり、トランプ氏は「小さい政府」です。
司会者が質問します。
ヒラリー氏の政策では政府が大きな役割を担うことになります。
財政支出も増えるし、社会保障費も増大する。
税の罰金や優遇措置もやるようですね。
トランプ氏は税率を引き下げたり、規制を緩和していきます。
ヒラリー氏の発言は「青色」で、トランプ氏の発言は「赤色」です。
司会者の発言は「茶色」です。
アメリカは中間層がうまくいけば、すべてうまくいくのです。
私は中間層にチャンスを与えることによってアメリカ経済を成長させようとしています。
新しい雇用の3分の2は中小企業から生まれておりますので、賃金も上げていきます。
気候変動対策としてクリーンエネルギー政策に投資し、教育システムにも投資していきます。
テクノロジーの教育等を、もっと充実していかなければなりません。
大学生が負債を負わなくてもいいようにしたい。
トランプ氏の政策では大幅な減税によって政府債務を20兆ドル増やすことになるでしょう。
ブッシュ減税の3倍の減税です。
私の政策では1000万人の雇用が創出されますが、トランプ氏のプランでは350万人の雇用が失われます。
富裕層がうまくいけば、すべてうまくいくと思っているのがトランプ氏です。
コメンテーターは、オバマ政権はGDP成長率3.5%を達成できなかった初めての大統領と言っています。
トランプ氏の2500万人の雇用を増やすというのは、専門家によれば非現実的な政策と思われています。
オバマ政権になって政府債務が2倍に増えました。
20兆ドルに増加したのです。
私は様々な貿易協定を見直します。
自由貿易は増えます。
ただ貿易協定が悪すぎるのです。
NAFTA(ナフタ・北米自由貿易協定)によって雇用がメキシコやその他の国に流出しました。
雇用がナフタで失われたのです。
ペンシルベニア、オハイオ、フロリダを見て下さい。
私は必ずナフタを見直します。
法人税も大幅に減税します。
すると企業が雇用をしやすくなりますので雇用が増えます。
2.5兆ドルの利益が、海外からアメリカに送金されることになるでしょう。
アメリカは今、停滞しています。
企業も潰れている。
インドの成長率は8%であり、中国は7%の成長率です。
アメリカは今、GDP1%の成長率であり、死に体です。
今後も更に低下していくと見られています。
私は債務を一切、増やしません。
財源は富裕層への増税によってまかないます。
年収が25万ドル以下(2万5000ドルではなく、25万ドル)の人たちには増税しません。
これはアメリカ人のほとんどに該当します。
夫の頃は3000億ドルの政府債務を、2000億ドルの黒字に転換しました。
トランプ氏の富裕層への減税というのは、昔もやったことがありますが、うまくいきませんでした。
中間層にもっと投資をしなければなりません。
トップダウンではありません。
そういったことはうまくいかないんです。
貿易の検察官のようなものを置かなければなりません。
ここで財政赤字の問題に移ります。
アメリカの財政赤字は戦後、最悪を更新しています。
あなた方はこれをどうしますか?
その質問は、私の政策の前では無意味な質問です。
私の政策を実行すれば、GDP成長率が1%から4%、場合によっては5%、6%になるかもしれない。
その時に今の質問は無意味となります。
アメリカで長らく失われていた巨大な経済マシーンが強化されてくるからです。
これによって雇用が戻ってきます。
海外で製造されたアメリカ企業の製品が、輸入されることもなくなります。
今の政治家はハッキングしているのです。
だから実業家は献金によって政治家をコントロールしようとするのですが、貿易協定というものは政治家ではなく、実業家に直接、交渉をまかせるべきなのです。
偉大なるビジネスマンの叡智を活用すべきです。
財政赤字の主な原因は、社会保障費です。
予算の65%を占めています。
このままですと2020年にはメディケアの予算がなくなります。
2030年になりますと社会保障費がなくなります。
受給者は大幅に受給額を削減されるかもしれません。
メディケアと社会保障費を救えますか?
減税と規制緩和、貿易協定の見直しで経済を成長させます。
ただその前に最悪のオバマ・ケアを廃止しなければなりません。
中小企業、大企業共に迷惑を被っています。
保険料が60%、70%、80%と増加しています。
来年には100%に増加するでしょう。
これが2017年にどれほどのダメージをもたらすか、信じられないほどです。
恐らくそのうちオバマ・ケアは、自然となくなると思いますが、とにかく廃止する必要があります。
給付を削減することは考えていません。
特に女性に対しては給付を増やすことを考えています。
メディケアと社会保障費に関しては、どちらも明確な政策を明示できませんでした。
両候補の政策的相違点は、減税のトランプか、増税のヒラリーか、小さい政府のトランプか、大きい政府のヒラリーか、銃保有の権利擁護のトランプか、銃規制のヒラリーか、中絶反対のトランプか、中絶賛成のヒラリーか、移民に対する警備強化のトランプか、移民に市民権を与えるヒラリーか、親ロシアのトランプか、反ロシアのヒラリーか、オバマ・ケア廃止のトランプか、オバマ・ケア擁護のヒラリーか、ここら辺が主な対立点と言えます。
両候補者が討論会で上げていた数字を、CNNがリアリティ・チェックしていました。
2014年、銃の死亡者は「33599人」であり、そのうち「11409人」が自殺、あるいは合法的発砲によって死亡しています。
銃規制の法令は、1990年~2014年までに州レベルで「20409件」の法令が提出され、そのうち「3199件」が法律となっています。
法令は銃規制を緩くしたり、厳しくしたりしており、要は全体としては一方で銃を持ちやすくして、他方で銃を買いにくくする法律となっています。
アメリカにおけるシリアの難民の数は、2016年度で「12500人」となっており、これをヒラリー氏は「6万5000人」まで増やそうとしています。
現時点の支持率です。
ソース : ロイター
ロイターは95%以上の確率でヒラリー氏が勝利し、選挙人は110票の差をつけて大勝すると予測しています。
ニューヨーク・タイムズはこれです。
ニューヨーク・タイムズはヒラリーの当選確率を「92%」とし、トランプ氏の確率を「8%」としています。
ファイブ・サーティエイトはこれです。
ヒラリー当選確率は「85%」、トランプ当選確率は「14.9%」と多少上昇しています。
選挙人538名のうちヒラリー氏は「333.6人」となり、過半数の270人を上回っています。
トランプ氏は「203.4人」となっています。
大して変化はありませんが、支持率はあまり差がありませんのでトランプ氏は草の根の運動にかける以外にありません。
大統領討論会というのは大抵、退屈なのですが、その理由は現象論にあります。
減税をすればよくなる、増税をすればよくなると言った議論ですね。
人類各人の悟りも反省もなく、信仰もないのによくなるわけはないのに延々と現象論と富を議論するわけですね。
だから退屈なのです。
貿易協定を見直せばよくなる、見直さなくてもよくなると言った議論を聞かされますと、
「生命の悟りも向上もないのに?
世界がよくなるの?
地球という神の神殿で生きていながら、神の心を無視して良くなるわけ?」
あり得ない議論を延々としているから見させられている方は退屈するわけですね。
求めてきたものが根源から異なるのです。
今、世界のリーダーをやっている者達のトップの議論がこれですから、世界の良化というのは難しそうですね。
仏教では三界は唯心の所現、心外無別法と言います。
天界・現界・地獄界は、ただ心のあらわれであり、心の外に別に法なく、存在なしです。
すべては心のあらわれですから、その中心の心を無視して世界がよくなることはないわけです。
人類の諸問題は例外なくすべて人類自身の霊的未熟があらわしているからです。
心が人類の諸問題を生んでいるわけですから、心を悟りによって向上させる以外に世界を良化する道はありません。
広大な宇宙も世界も、すべての存在はわが心の中に在るからです。
大宇宙の構造と仕組みに無知な場合、こういった討論になるのでしょうね。
富でよくしようとしている。
富と国益だけを上げようとするのです。
宗教的には偶像崇拝ですが、大宇宙はそういった構造と仕組みになっていないのです。
見られる世界は、見る者の心の世界 : 西田幾多郎
こういった単純な世界の構造と仕組みを知っていれば、心を磨く以外に仏国土顕現の道はないわけです。
すべては人類の心があらわすからです。
全般的には少し退屈な議論でした。
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