国際

2016 米大統領選 討論会 第3回(最終回) その1

アメリカ大統領選の最終討論会がネバダ州ラスベガスのネバダ大学で行われました。

今回、トランプ氏は最も出来が良く、少し見た感想では互角か、少し上回っていました。

CNNのインスタント・ポール(世論調査)では、ヒラリー勝利が「52%」、トランプ勝利が「39%」と形の上ではヒラリー氏が勝利していますが、このような差はなかったように思います。

米討論会で52%がクリントン勝利、トランプ勝利は39%=CNN ロイター

ヒラリー氏もこのツイートを流しています。

結果論としてはヒラリー氏のハットトリックで三連勝ですが、CNNはもともと民主党よりの調査であり、しかもこれは全国の調査ではありません。

個別の政策論争の世論調査では互いに互角でした。

早速、トランプ氏は自己の優勢を示すツイートを色々と流しています。

どれもトランプ氏が勝利している世論調査です。

討論のセグメントは多岐に渡っていましたが、一番最初の議題は最高裁判事の任命についての議論です。

司会者は、今回の選挙で大統領に選ばれた者は、少なくとも1人、あるいは2人か3人の最高裁判事を指名することになるかもしれない。

あなた方の誰かの選択によってこれからの25年間に渡る最高裁判決に影響を及ぼすことになる。

一体、どういった人物を任命するつもりですかと問うています。

トランプ氏は、

最高裁判事には、特に憲法修正第2条(銃を保有する権利)を尊重することが必要であり、この点がクリントン氏と異なっている点である。

2008年の「ヘラー判決」にヒラリー氏は非常に怒り、激怒していた。

ヘラー判決で最高裁は、銃は理性的、合理的に規制されるべきであると、スカリア判事は言っている。

と、述べています。

ちなみに「ヘラー判決」とは2008年にコロンビア特別区(ワシントン)での当時の銃規制が、憲法修正第2条(銃を保有する権利)に違反しているとされた最高裁判決のことを言います。

ヘラー判決 DE MINIMIS

全米ライフル協会のような銃の擁護派が、銃を規制しようとする者に対してよく引き合いに出す判決です。

これに対してヒラリー氏は、

私が怒ったのは当時、大変多くの幼児が銃をもって他の人を殺すことがあったからです。

アメリカでは1年間に銃で死亡する者が3万3000人もいる。

憲法修正第2条には賛成している。

ただ銃は合理的な規制が必要であると言っている。

と、答えます。

ちなみに銃で死亡する3万3000人のうち1万人と少しが、自殺とか警察による正当な発砲です。

この銃の規制に対してもトランプ氏は、

例えばシカゴは全米で最も厳しい銃の規制があるが、他の州と比較しても銃暴力が多い。

銃を規制しても銃暴力はなくならないのです。

と、答えています。

人工中絶に関しても両者の意見は正反対です。

トランプ氏は生命擁護派、いわゆる中絶反対派です。

ロービーウェイド(Roe v. Wade)の判決」を覆して欲しいと訴えていました。

ロービーウェイドとは、「ロー対ウェイド事件(ローたいウェイドじけん)」とも呼ばれ、中絶を憲法に保証された権利として堕胎禁止を原則、違憲とした最高裁判決です。

ロー対ウェイド事件

「妊娠を継続するか否かに関する女性の決定はプライバシー権に含まれる」として、アメリカ合衆国憲法修正第14条が女性の堕胎の権利を保障していると初めて判示し、妊娠中絶を規制するアメリカ国内法の大部分を違憲無効とした、1973年のアメリカ合衆国最高裁判所の判決である。

ヒラリー氏は、この「ロービーウェイドの判決」を支持しています。

女性は自分の判断で決断すべきと言っていました。

ここで司会者はヒラリー氏に対して、あなたは中絶の権利に賛成していますが、その範囲は?、と問います。

かつてあなたは、胎児には憲法上の権利はないと言っていましたよね。

また妊娠後期の中絶には反対していますよね。

これに対してヒラリー氏は、母親の命に関わる場合は、中絶はOKであると答えます。

トランプ氏は、彼女は妊娠9ヵ月の胎児を取り出し、切り刻み、中絶していいと言っていると非難します。

これ以後も移民・難民問題、ロシアとそのサイバー攻撃の問題、経済政策等々、続きますが、これは次回以降にします。

今回の討論が最後でしたが、これが以後どのような影響を及ぼし、世論調査の結果としてどう出てくるのかは、これからのこととなります。

現時点では、こうなっています。

ニューヨーク・タイムズです。

ソース

ヒラリー氏の当選確率は「92%」、トランプ氏はわずか「8%」です。

ファイブ・サーティエイトはこれです。


ソース

ヒラリー当選確率が「86.2%」、トランプ氏が「13.7%」です。

よほどのことがない限り、ヒラリー大統領の誕生となるでしょう。

ロシアはヒラリー氏を嫌悪しており、プーチン大統領はヒラリー氏を尊敬していないと何度もトランプ氏が指摘していました。

ロシアからも恐ろしい情報です。

トランプ氏に投票を、敗れれば核戦争の恐れ=露ジリノフスキー氏 ロイター

ジリノフスキー氏は、トランプ氏は米ロ間の危険な緊張を緩和できる唯一の人物であるのに対し、民主党のヒラリー・クリントン候補は第3次世界大戦を引き起こす可能性があると述べた。

同氏は「米ロ関係は最悪の段階にきている。

これ以上悪化すれば戦争になる。

米国民は、11月8日の大統領選でトランプ氏に投票すれば地球の平和に一票を投じることとなり、クリントン氏に投票すれば戦争になる。

いたるところでヒロシマやナガサキが再現されるだろう」と述べた。

至るところでヒロシマやナガサキが再現される、つまり核戦争になると言っています。

確かにヒラリー氏はロシアに対して敵対的な発言が見られました。

核兵器に対しても、アメリカでは大統領から核発射命令が出されれば、その命令に軍は従わなければならない。

大統領が発射の命令を出してから、軍が実際に核兵器を発射するまで4分しかない。

日本や韓国、あるいはサウジアラビアまで核兵器を持つべきと軽々しく核兵器を論じるトランプ氏に核のボタンを押させてはならない、と非難していました。

しかしてロシアは実際、核のボタンを押すのはヒラリー氏であると見ているようです。

まったく核戦争とは、物騒な話です。

確かに諸神霊も預言していましたけどね。

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コメント

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