一昨日、消費者物価指数の7月分が公表されました。
CPIが「0.2%」、コアCPIが「0.0%」、コアコアCPIが「0.6%」でした。
日銀が目標としているコアCPI「2%」からはほど遠い数字であり、むしろ下がっています。
これで今年のコアCPIは、
「0.2%→0%→0.2%→0.3%→0.1%→0.1%→0.0%」
と推移していることになります。
7ヵ月経過してむしろ物価は下がっているわけであり、あと14ヵ月以内にコアインフレ率を、果たして2%にもっていけるのでしょうか?
遅くとも来年の9月までにコアCPIを2%にするという日銀の目標は厳しそうです。
原油価格はWTIが45ドル台、ブレント原油が49ドル台と少し上昇しておりますが、このまま上昇していく保証はありません。
むしろ来年まで原油安は続くであろうと見られています。
同日、総務省が公表した7月の家計調査も厳しい数字が出ています。
家計調査(二人以上の世帯)平成27年(2015年)7月分速報 (平成27年8月28日公表)
実質消費支出は「マイナス0.2%」であり、2ヵ月連続減少ですが、前月は「マイナス2.0%」でした。
民間の消費低迷が深刻化しています。
為替は121円台後半であり、日経平均も1万9000円台を回復し、VIXも日経VIも20台まで低下しています。
バルチック海運指数は低下気味ですが、NYダウは1万6600ドル台を回復し、上海総合指数も3200ポイントを回復しています。
一見、落ち着いているように見えるわけですが、市場関係者はそれほど楽観視はしていないようです。
「このままV字回復を予想する市場関係者は少ない。」
「一度大きく崩れた相場がすんなり修復するとは考えにくい。
依然マインドで振れやすい状況であり、グローバルリスクオフがもう1回はあると見ておいた方が良い」
「海外の一般的な定義では、10―20%の下落がコレクション(調整局面)、20%超の下落をベアマーケット(弱気相場入り)と呼ぶ。」
「今回も1万6600円台まで下げなければベアマーケットにはならない」
「世界的な政策協調などのポジティブ材料がない限り、安定的な上昇相場は当面期待薄といえそうだ」
あと2500円以上、下落しなければベアマーケットにはならず、リスク回避の動きも世界的規模であと一度はある。
少なくとも、もう一回は世界的な暴落があると見ておいた方がよさそうです。
アメリカでは、今にも世界経済が崩壊するかのような記事がよく散見されます。
2014年末から今年2015年に経済の大惨事がくると述べていた方は多い。
Fleckenstein Warns 2015 Is The Year The Fantasy Dies
人々は永遠に金融市場を浮揚させ、経済的ニルヴァーナを提供する中央銀行のファンタジーを信じている。
しかしそのファンタジーは、2015年に死ぬ。
彼らは株式市場を上昇させると共に経済を引きずろうとするが、それは機能しないでしょう。
大いなる災難が来ようとしています。
人々がそれを全て見せかけであると悟る時、ドルは急落するでしょう。
そして株も債券も急落します。
Bill Fleckenstein
悲観的な方ですが、割とこういう人が多い。
Predictors of ’29 Crash See 65% Chance of 2015 Recession. the Jerome Levy Forecasting Center
2015年の末までにアメリカ経済は収縮を強いられ、65%の確率で世界的規模の不況がくる。
明らかに最近の世界的な経済ニュースの大部分は、その方向性として2015年の下方転換に向かう動きを示している。
今年の末までに65%の確率で世界的なリセッションがくると言っています。
世界的な株の暴落もあるかもしれませんね。
Paul Craig Roberts Stunning 2015 Predictions – At Any Time The West Can Collapse
日本でも有名なポール・クレイグ・ロバーツ氏の予測です。
いつでも西側諸国は崩壊することができると不気味な警告をしています。
金融システムは「トランプの家」であり、何かあれば、すぐに崩壊する。
NYダウも株価を支える経済的基礎はなく、強いドルを支える経済的基礎もない。
Chain Reaction of Problems Coming In 2015: “Collapse Will Be On A Scale That Is Many Magnitudes Greater Than 2008″ ジョン・イング
2008年のリーマン・ショックの崩壊は、今回の崩壊と比べれば、単なる「本稽古」にすぎない。
今回は民間部門よりもいっそう大きな債務を背負った政府をもっています。
今回の崩壊は2008年に目撃した崩壊よりも、遥かに大規模な崩壊となるでしょう。
The $9 Trillion US Dollar Carry Trade Blew Up Oil, Russia, and Brazil… What’s Next? Zero Hedge
原油価格の下落の問題は、多くの投資家によって誤解されている。
シェールオイル、減産、地政学的なリスク等はメインストーリーに対してはマイナーな問題に過ぎない。
過去5年間の経済の回復のほとんどは安いドルを燃料としている。
リスクのある9兆ドルもの資産が爆発する可能性があります。
原油の下落の問題は独立した問題ではなく、始まりにすぎません。
ここでの話は原油ではありません。
安いドルを燃料としたリスク資産の大規模なバブルとその崩壊の問題です。
最近ではそれは住宅バブルの崩壊でした。
今回はすべてのバブルの崩壊です。
ほとんどすべてのものが同様の打撃を受けるでしょう。
原油の下落の問題は、炭鉱のカナリアです。
潜在的なリスク資産9兆ドルが爆発する可能性があると言っています。
怖いですね。
原油価格は、もう少し関心を持った方が良さそうです。
この方々は悲観論者なのかもしれないと思うのですが、必ずしもそうではないようです。
原油価格が引き起こす潜在的なリスク資産の崩壊と言う点は、割と共通しています。
原油価格の崩壊によってカスケード・ドミノが生じる。
次々とリスク資産が爆発崩壊し、その規模は軽く1000兆円を超える。
イギリスのマクブライド氏もリーマンショックの20倍のスケールと規模の崩壊が襲ってくると言って備蓄を国民に警告していました。
イギリスとアメリカでは、こういった情報が目立ちます。
Oil Derivatives Explode in Early 2015-Rob Kirby
この記事はゴールドとデリバティブの専門家であるロブ・カービー氏の予測です。
原油価格の暴落は2008年のリーマン・ショック型の金融メルトダウンにつながる。
2015年は間違いなく市場が爆発する。
あなたは月に5000ドルの住宅ローンをもっている。
しかしてあなたは2500ドルしかもっていないためにデフォルトに設定されている。
それと同じです。
原油価格の下落は、ほかの金融危機を引き起こします。
北米でのシェール産業の資金調達のために発行されたジャンク債があります。
大手金融機関の帳簿上に保有されているジャンク債の価値は5000億ドルです。
原油価格の下落によってこれらの価値が破産し始める時、大手金融機関の未来を危険にさらすでしょう。
FEDがQE4によってそれらを救わんとした時がシグナルです。
最後にジェラルド・セレンテ氏です。
Gerald Celente – This Will Trigger Panic On Wall Street & Around The World In 2015
言葉の信頼性が何を意味するというのでしょう。
それを破壊して下さい。
この場合信頼 = 詐欺師と詐欺。
それで終わりです、それはそうです。
彼らがすでにそれらのカードを示しましたから、人々が詐欺師に対しての信頼を失うでしょう。
それはポンジー・スキームです。
それで詐欺はなくなっていきます、そして彼らはプレーするためにそれ以上のいかなるカードも持っていません。
彼らは何をしようとしていますか?
彼らは金利を引き上げることはできません。
我々は株式市場がくずれ落ち始めた12月の初めに何が起きたのかを見ました。
それは詐欺に対しての自信の喪失でしょう。
そして詐欺はまもなく終了します。
あなた方がウォール街と世界中で起こるパニックを目の当たりにした時、その詐欺は終わります。
FEDは利上げをすることはできないと断言しています。
株価が上昇しましたので9月の利上げ観測が、また出てきていますが、ジェラルド・セレンテ氏は、アメリカは利上げはできないと断定しています。
これも一つの見どころだと思っています。
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