家計調査2月分が出ました。
家計調査(二人以上の世帯)平成28年(2016年)2月分速報 (平成28年3月29日公表)総務省
家計消費支出は「1.2%」と6ヵ月ぶりの増加です。
市場予想は「マイナス1.5%」でしたが、これを上回ったことになります。
ただ2月はうるう年の影響があり、この影響を除けば、市場予想と同様「マイナス1.5%」で6ヵ月連続の減少だったようです。
実態は6か月連続の減少ですから、消費に力強さはありません。
暖冬でエアコンや冬物用の衣料等が、あまり売れなかったようです。
実収入も「マイナス2.0%」でした。
エンゲル係数は「25.58%」であり、25%を超えています。
2ページ目です。
6万9018円(食料)÷26万9774円(消費支出)×100=25.58%(エンゲル係数)
先月は25%を切っていたのですが、2月はまた25%を超えてきています。
完全失業率は2月は「3.3%」でした。
労働力調査(基本集計) 平成28年(2016年)2月分 (2016年3月29日公表) 総務省統計局
シャープの身売りが、また先送りされそうな気配ですが、東芝も白物家電を中国の美的集団(ミデア・グループ)に売却の意向です。
白物家電とは、言うまでもなく洗濯機や炊飯器、冷蔵庫や乾燥機、エアコンや電子レンジ等、家庭用電気製品を指します。
これに対して黒物家電とは、黒い塗装の多いテレビやレコーダー、あるいはカメラ等を指します。
「家電の東芝」が、その幕を下ろします。
東芝も「白物家電」中国に売却報道の衝撃 冷蔵庫や洗濯機の「保証」はどうなるのか Jcast
衰退が止まりません。
かつては「お家芸」といわれ、日本の高度成長を支えた白物家電は、シャープが台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されることが決まったばかりだが、「家電の東芝」も外資系の傘下に入ることで、その看板を下ろすことになりそうだ。
日本経済新聞は2016年3月15日付で、東芝が冷蔵庫や洗濯機など白物家電事業を手がける子会社の東芝ライフスタイルの株式の大半を数百億円程度で売却する方向で、中国の家電大手「美的集団」と最終調整に入ったと伝えた。
これまで安定した事業だった白物家電は、現在は多くをインドネシアなどの海外で生産しており、アベノミクスによる円安の影響で採算が悪化している。
すでに東芝は2015年12月に発表した「新生東芝アクションプラン」の中で、家電部門は16年3月末をめどに、現在1万4600人いる国内外の社員を1800人削減するとしていた。
さらに、インドネシアで生産している二層式洗濯機とテレビの工場を閉鎖。
その土地と建物を中国のスカイワース社へと売却することを決めているほか、スカイワース社が5%ずつ出資する二つの中国現地法人、東芝家電製造(南海、冷蔵庫と洗濯機を生産)と東芝家電製造(深セン、掃除機などを生産)の再編も視野に入れている。
国内家電メーカーの海外企業による買収は、2012年にパナソニックが三洋電機から引き継いだ白物家電事業を、中国の海爾集団(ハイアール)に売却したケースがある。
何故いつも中国なんでしょう。
国内の他の企業でも買収の声は上がらず、中国以外の国でもいいと思うのですが、大抵は中国企業が買収しています。
中国人と日銀の国債の「爆買い」は有名ですが、気前がいいのでしょうか。
パナソニックに吸収された三洋電機の白物家電は、中国のハイアールに売られ、東芝の白物家電は中国のミデア・グループに買収されています。
東芝のもつインドネシアの工場の土地と建物も、中国のスカイワース社に売却します。
白物家電の代表とも言える「洗濯機」を作る企業は、もはや日本にはパナソニックと日立の2社しか存在しません。
白物家電王国の落日です。
東芝もやめてしまうのか 洗濯機メーカーは3~4社に 「白物家電王国」の落日 産経
ここで言う3-4社とは、この時点でパナソニック・日立・シャープ・東芝の4社でしたが、この内既にシャープと東芝が白物家電から撤退しますので結局、パナと日立しか残らない。
記事にはこうあります。
白物家電をめぐる日本企業の動きをみてみると、戦後の復興期に洗濯機市場を切り拓いた三洋電機が撤退。
NECや富士通、三菱電機も自社生産を取りやめた。
東芝が事業を手放せば、さらにメーカー数が減ることになり、かつての“白物家電王国”の落日をさらに印象づけそうだ。
(東芝は)新興国で主流の「二槽式」洗濯機をつくるインドネシアの工場を閉鎖する。
これに伴い、国内外で二槽式洗濯機の自社販売を終えるという。
国内の洗濯機大手はパナソニック、日立アプライアンス(日立製作所の子会社)、東芝ライフスタイル(東芝の子会社)、シャープの4社。
昭和5年に国産初の電気洗濯機を発売したのは東芝。
しかし、NECや富士通がバブル経済崩壊後に白物家電事業をやめ、三菱電機は平成20年(2008年)に自社生産から撤退。
同じ年、多角化や巨額投資の失敗で経営危機に陥った三洋はパナソニックに買収され、洗濯機などの白物家電事業は23年(2011年)に中国のハイアールに売却された。
日本の洗濯機メーカーに取って代わったのは、ハイアールや韓国のLG電子などだ。
規模を世界に拡大できず、価格競争で採算性が悪化した日本の家電は、洗濯機に限らず元気がない状況。
日本で初めて洗濯機を販売したのは東芝だったのですね。
昭和5年と言いますと西暦1930年です。
世界大恐慌真っ盛りの時期です。
86年で幕を下ろすわけです。
NECや富士通は白物家電事業から撤退し、2008年には三菱電機も自社生産から撤退しています。
サンヨー電機の白物家電は、2011年にハイアールに売却されました。
そして2016年3月に東芝の白物家電はミデア・グループに売却され、シャープもホンハイに買収されます。
2011年とは、確か国策企業と言われ、日本唯一の日の丸半導体専業企業エルピーダが倒産した年です。
その前年にはJAL(日本航空)、日本航空インターナショナル、ジャルキャピタルの3社が債務超過で破綻しています。
あれだけの事故を起こした東電も実質的には破綻させるべき企業でしょう。
21世紀に入って立て続けです。
かつて三橋貴明氏が、このままでは日本は発展途上国化していくと述べていましたが、これは「発展途上国」というよりも、「衰退途上国」の間違いではないかと思います。
衰退の途上の国です。
発展途上国と言いますと、今の中国がそうでしょうが、確かに発展の途上にある国という感じがしますが、日本はどう見てもそう見えない。
発展の途上にある国には見えず、衰退の途上にある国にしか見えません。
物やサービスが生産できなくなれば、発展途上国扱いとなりますが、洗濯機一つ取ってもそうなりつつあります。
半導体もそうです。
ある国や文明を霊天上界から衰退させようとすれば、各国民の生命に降りるインスピレーションを止めれば衰退していきます。
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