商品市場は悪化を続け、世界の貿易量も減少し、需要なき原油価格の下落が続いている状況で、アメリカは9年6ヵ月ぶりに「利上げ」しました。
ゼロ金利解除は7年ぶりです。
日本時間の17日午前4時に政策金利が発表されましたが、予想通りというのでしょうか、フェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジを「0.25~0.5%」に引き上げることを決定しました。
FOMCの声明全文はこれです。
委員会は、今年に入って労働市場の状況は著しく改善(considerable improvement in labor market conditions)したと判断しており、インフレ率が中期的に2%の目標に向けて上がっていくとするだけの合理的な確信(is reasonably confident)がある。
今回の引き上げ後も金融政策の運営姿勢は引き続き緩和的で、それによって労働市場の状況の一段の改善と、2%のインフレへの回帰を支える。
委員会は、経済状況はFF金利の緩やかな引き上げしか正当化しない形で進むと予測する。
今後の金利上昇ペースは緩やかになり、早いペースでの利上げはない。
緩和的に運営される。
状況によっては早い利上げペースもありうると述べています。
これを受けて1ドル121円から122円にドル高円安となり、ドルが上昇しました。
緩やかとは言え、ドル高円安の方向に行きそうです。
来年は「黒田ライン(1ドル125円)」を突破しているかもしれません。
多くの識者は「アメリカは利上げできない」、あるいは利上げに警鐘を鳴らしていたわけですが、アメリカは、ついに利上げに踏み切りました。
世界からの警告を無視した判断ですが、自国だけは利下げの余裕ある余地を残しておきたいのかもしれません。
先週末にダウが「1.76%」下落しましたが、それは債券市場に激震が走ったからです。
日本株が急落するなか、市場関係者の脳裏をよぎったのは「パリバショック」だ。
米投資会社のジャンク社債ファンドが前週に解約停止となり、世界金融危機に至る発端となった2007年の同ショックを思い出させた。
多くの安全網が敷かれた今、危機再燃を予想する声は少ないが、米利上げや原油安の影響に対し、マーケットは神経質になっている。
「解約停止」という久々の言葉に、市場関係者は身構えている。
米投資会社サード・アベニュー・マネジメント傘下のジャンク社債ファンドは10日、投資家からの解約受付を停止すると発表した。
米国のミューチュアル・ファンドの破綻規模としては、08年のプライマリー・リザーブ・ファンド以降で最大となる。
ヘッジファンドも、ディストレスト債(経営危機にある企業の社債)を専門に手掛けるストーン・ライオン・キャピタル・パートナーズが11日、解約請求の受け付けを停止。
2桁の損失を出して解約が殺到しているライオンアイ・キャピタルも12月末に閉鎖する予定だとみられている。
08年9月(訂正)の「リーマン・ショック」は突然起きたわけではない。
その1年前(訂正)には、「パリバショック」があった。
07年8月9日、サブプライム問題の深刻化を背景に、BNPパリバ傘下のミューチュアル・ファンドが、投資家からの解約を凍結すると発表。
その後の金融危機の発端になった。
米国のシェール関連企業の多くがジャンク債を発行し、資金を調達していたが、原油価格の急落で経営悪化の懸念が強まっている。
1 米投資会社サード・アベニュー・マネジメントのジャンク社債ファンドの実質破綻
2 ストーン・ライオン・キャピタル・パートナーズ(ヘッジファンド)の実質破綻
3 ライオンアイ・キャピタルの12月末までの閉鎖
この3つの報道で先週末ダウは急落しています。
主に原油安が原因ですが、流動性の悪化が深刻化しています。
リーマン・ショックの1年前におきた「パリバ・ショック」を彷彿とさせるために恐ろしいと感じる投資家もいたようです。
「パリバ・ショック」は一連の金融危機の発端となった事件であり、市場にデジャブが襲ったようです。
3つのファンドの破たんが、他の債券に拡大伝染するかを市場は注視しているようです。
The Fuse on the Global Debt Bomb Has Been Lit ゼロヘッジ
「世界的な債務爆弾のヒューズが点灯された」と言う記事です。
ここではグローバルな債券バブルが破裂し始めているとあります。
アメリカの金融システムにおける通貨(紙幣、硬貨の形で実際の現金)は1.2兆ドル余りある。
金融システムに占める富の量は10兆ドル。
対照的にアメリカの債券市場の規模は38兆ドル以上ある。
債券市場38兆ドルに基づくデリバティブを含めた金融システムは191兆ドルにのぼる。
債券バブルのサイズは優に100兆ドルを超えている。
今はジャンク債市場の強気相場が終了する過程にある。
債券バブルの崩壊が始まったのです。
このプロセスが展開していくまで数か月かかり、株式市場の暴落でピークに達します。
各国にかかる債務危機ではなく、全世界のシステム全体に浸透していく危機ですから数年かかります、と言っています。
まるで世界経済の崩壊を予測しているようです。
アメリカの債券市場の規模は38兆ドル(4636兆円)以上。
デリバティブを含めると191兆ドル(2京3302兆円)。
新興諸国のドル建て債務は9.6兆(1171兆円)ドル。
新興諸国の企業債務は全体で18兆ドル(2196兆円)。
債券バブルがはじけますと、ただではすみそうにありません。
バルチック海運指数も史上最安値を更新中です。
「471ポイント」を付けています。
CRB指数も「171.81ポイント」であり、底が見えない状況です。
9.11同時多発テロ後のボトム(底)「183ポイント」を大きく下回っています。
原油価格も底が見えず、チャートを見ますと下落傾向に見えます。
ここ広島でもレギュラーガソリンは「1リットル121円」、ハイオクは「1リットル132円」、灯油は18リットル「1150円」で売られています。
庶民レベルではいいのですが、世界経済レベルではどうだか分かりません。
神の体である自然界にとってはいい傾向です。
FEDが利上げした後の2、3ヵ月後が問題であり、影響が現実であらわれている頃です。
ただその頃には「1バレル20ドル台」に原油価格が突入しているかもしれません。
だとすれば金融危機は避けられないのかもしれませんね。
福島とかけて、世界経済と解く。
その心はどちらも「メルトダウン中」です、ということです。
世界の途方もない巨額な債務を見ますと、福島の260トンにものぼる溶融核燃料デブリを取り出す技術も能力もないように、メルトダウンした巨額な債務を返済する方法も能力も人類は持ち合わせていないのかもしれません。
債務の巨大なブラックホールに世界経済は飲み込まれていくのではないでしょうか。
そう見えなくもありません。
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