やはり東芝メモリは、そう簡単に売れそうにありません。
東芝がウェスタン・デジタルに喧嘩を売っています。
東芝が米WDに書簡を送付、売却手続きの「妨害停止を」と警告 ブルームバーグ
1通目は東芝の弁護士からで、合弁事業の持ち分について売却する権利があると主張。
理由として、WDが元々の合弁先である米サンディスクを買収した際に東芝の合意を得ていないことなどを挙げた。
メモリー事業売却でWDに拒否権はなく、メモリー事業の売却手続きの妨害行為をやめるよう主張した。
東芝とWDの合弁会社であるにも関わらず、無断で一方的に東芝側が半導体事業を子会社に入れ、先に喧嘩を売ってきたのは東芝です。
これを合弁契約違反と主張したのがWDです。
もう一通は東芝の法務担当者からで、WDはサンディスクから引き継ぐべき合弁契約にサインしておらず、15日までに回答がなければ、知的財産保護のためにWD側を東芝メモリの施設や情報網から閉め出すと警告した。
ウェスタンデジタルは、昨年サンディスクを買収していますが、この時サンディスクと契約したのであってWDと契約したわけではない。
WDは合弁契約にサインしていないというおかしな理屈を言っています。
法律的にはどうみても「黙示の合意」であり、合法的な買収ですから合弁契約にWDがサインせずとも買収時点で契約は引き継がれたと見るべきです。
文句があったのならば、今回のWDのようにサンディスク買収前に主張すべき事項です。
WDを施設や情報網から閉め出すというのは、いかにもヤ○ザのようであり、監査法人の監査無視にしろ、一方的なウェスティング・ハウスの破産法申請にしろ、何か傲慢に見えます。
四日市工場のこの部分がWDの資産であり、この部分が東芝の資産であると主張していけば、工場内で内戦となります。
施設から閉め出すというのは、非現実的であり、本気でそれをやろうとすれば法廷闘争となる。
法廷闘争となって困るのはWD側ではなく、どう見ても東芝側です。
日経にも同様の記事が出ていますが、WDは東芝と会う気はないようです。
拒否権の有無に関して対立モードです。
東芝、WDに反論書簡 半導体売却巡り「妨害停止」求める 日経
東芝に入札手続きの停止を求めているWD側に対し、東芝側は売却する権利があると反論した。
両社は合弁契約の解釈を巡って対立しており、同事業の売却手続きが遅れている。
8日から来日しているWDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)は東芝との面会の予定はなく、経済産業省などと協議する予定だ。
もしWD側が怒って、アメリカで係争か訴訟を起こした場合、東芝はどうするのでしょう。
判決が出る前に時間切れで東芝は倒産してしまいます。
東芝メモリ売却は一時停止され、判決がでるまで売却はできないからです。
判決もWDが勝訴するでしょう。
東芝はWDを無視して東芝メモリを売却することはできない。
またWDは日米連合に参加する気はなく、独占的に東芝メモリを買収したい意向です。
日本では日米連合で東芝メモリが、あたかも売却されるような報道が続いておりますが、この記事を見ますとその気はないようです。
日米連合は、フェイク・ニュースです。
東芝の半導体事業 ウエスタンデジタル「技術は日本に」 NHK
NHKは記事の内容を変えていますが、初めはスティーブ・ミリガンCEOは、独占的に買収していくと書かれていましたが、この部分を変えています。
ウエスタンデジタルは三重県の四日市工場で17年間、東芝と半導体事業を共同運営してきたアメリカの精密機器メーカーで、今回の売却交渉に対しては、ウエスタンデジタル側の同意が必要だと主張しています。
ミリガンCEOは「日本側は、われわれに20%未満の出資を求めたいようだが、その出資比率では不十分で、実質的な主導権がほしい。
第三者が参加すれば、これまで順調に行ってきた四日市工場の共同運営が難しくなってしまう」と述べ、東芝が現在検討している日米連合に、限られた出資比率のままであれば、参加することは難しいという考えを明らかにしました。
記事に過激さが失せ、それなりの緩和された表現になっています。
決算が迫っておりますが、またも監査法人の意見不表明の決算を提出するようです。
無茶苦茶ですね。
東芝、17年3月期決算も「適正」意見なしで公表へ=関係者 ロイター
東芝(6502.T)は2017年3月期連結決算について、監査法人からの承認を得られなくても数値の公表に踏み切る方針を固めた。
同社は通期決算についても監査承認の取り付けには時間がかかると判断、「適正」の見解がない形で発表する方向で調整している。
これが証券市場で許されるならば、粉飾し放題の世界となります。
世紀末のマッドマックス状態であり、警察官の存在しない犯罪者の天国となります。
好きに粉飾しても、誰もそれをチェックする者が存在しない市場であり、まさに独裁の世界です。
企業側は好きに数字をいじくっていいわけであり、日本企業はすべて黒字となります。
たとえその黒字が嘘であり、粉飾であったとしてもそれをチェックする監査法人が存在しない世界です。
東証はそれを「忖度」で許している。
かなり東芝が、追い詰められているのは分かりますが、ほぼ全資産を担保に入れていた事実が判明しました。
経営再建中の東芝が取引先金融機関95社に対する債務の担保として、上場するグループ企業など6社の保有全株式を差し入れたことが分かった。
対象は東芝テック、芝浦メカトロニクス、東芝プラントシステム、西芝電機、ニューフレアテクノロジーのグループ5社とチタン工業。
東芝は今後の融資継続のため、半導体メモリー事業を分社して発足した「東芝メモリ」の株式や保有上場株式、不動産などを担保に充てると、4月にかけて金融機関に説明。
4月28日に上場株式を担保提供することで金融機関と合意していた。
この同じ記事を見ますと総額「2200億円」のようですね。
これらの株式を時価で試算すると合わせて2200億円程度にのぼる。
既に1兆円以上の資産を売却済みの東芝ですが、更に国際チャートを除いた上場企業グループすべてを銀行の担保に入れています。
東芝機械は既に全株式を売却済みです。
ここで東芝メモリを売却できなければ、すべてを失います。
WDは、ただ東芝メモリの独占的な買収を主張すればいいだけの話であり、東芝がクレームをつけるならば、WDはカリフォルニアで係争か裁判に持ち込めば結論は同じです。
東芝は倒産し、東芝メモリは信じられない低価格でWDに買い叩かれる。
日本ではほとんど報道されませんが、海外の報道を見ますと東芝メモリ売却は絶望的と報道されています。
つまりほとんど東芝は倒産すると見ている。
Western Digital CFO: Toshiba unit sale ‘desperate’ and a ‘disaster’ Business Journal
東芝のメモリ売却は、絶望的であり、大惨事という記事ですが、サンノゼに本拠を置くWDは、東芝メモリ購入の独占を検討している。
多くの問題がすべての惨事に発展しており、第三者に東芝メモリを売却するのは、東芝とサンディスクとのパートナーシップ関係に違反している、と言っています。
日本でも「独占的」と報道されていたのですが、削除されて報道されている。
東芝メモリが売却できないということは、東芝は倒産してしまう事実と同義です。
事実、ウォールストリート・ジャーナルが、初めて「倒産」という報道を流しています。
英語の記事はこれです。
Toshiba Partners Brace for Possible Bankruptcy Filing FOX
東芝との取引関係企業は、日本の破産法に基づく再編を模索していくシナリオに備え始めた。
東芝は、現時点では企業再編の手続きに向けた保護を求める考えや意志はない、とコメント。
ついに「倒産」という報道までされる事態に直面している。
にも拘わらず東芝の株価は、上がりに上がっており、ファンダメンタルズや材料を完全に無視して上昇しています。
悪い材料がでても上がり、債務超過の報道でも上がるために「変態株」なんて言われている。
あまりの仕手株、鉄火場となっているために糸の切れた凧株だの首輪の外れた野良犬株だの無茶苦茶言われています。
どちらにしろ東芝メモリを売却できなければ、どう見ても東芝は倒産し、潰れます。
今月の12日には、サザン電力が東芝に請求する金額が判明します。
今のところ「37億ドル(4200億円)」ですが、これも底なしです。
東芝が支払えなければ、原発建設は中止され、今までサザンが投じてきた資金の損害賠償を請求されます。
天文学的な金額になるでしょう。
東芝は、もう詰んでいるのではないか。
これを「雪隠詰め(せっちんづめ)」と言う。
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