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アフガニスタン全土が、過去7年で最悪の洪水に見舞われています。

Heavy rains, floods kill 32 people across Afghanistan　FOX

アフガニスタンで洪水というのも、あまり聞きませんが、「32人」が死亡し、何千人という人達が避難を余儀なくされているようです。

奇しくもアラバマ州の恐ろしいトルネード（竜巻）が発生した頃と同じ頃です。

アフガニスタンの人口は「3553万人」ですが、この洪水の前には既に「630万人」が人道支援を必要としていました。

率にして「17.7％」です。

これに追い打ちをかけるように最悪の洪水が襲っています。

アフガニスタンの洪水は3月1日に始まり、4日に鎮静化し、救援活動が始まっています。

洪水で横転したトラックにしがみついている人達を救助しています。

‘Chilling reality’: Afghanistan suffers worst floods in seven years　ガーディアン

このガーディアンの記事では、洪水の死者を「20名」としています。

アフガニスタンでは、総人口の「37％」、1300万人以上が深刻な食糧不足による不安に直面しており、更に総人口の「10％」、360万人が飢餓の一歩手前にあります。

10人に1人が飢餓の恐怖に直面している。

そういう国なんだってことですね。

ここに最悪の洪水がきている。

しかも11か月にも及ぶ深刻な干ばつの後の洪水です。

干ばつは、乾いた土地のため水の吸収力を著しく低下させ、洪水を防御する茂みや植生を壊滅させ、人間を洪水に対して暴力的に無防備にします。

記事ではアフガニスタンの現実は、高レベルの暴力、壊滅的な干ばつ、酷い寒さ、そして虐待的とも言える貧困が組み合わされている冷たい現実である。

カンダハール州の副知事は、推定2000棟の住宅が洪水の被害を受けたと言っています。

洪水は遊牧民の野営地を破壊し、家畜を殺した。

アフガニスタン全土の降雪のため春には、また洪水がくる恐れがあるとあります。

ソース

これは3月3日に発生したアメリカ南東部の竜巻ですが、単純計算でも31個以上の竜巻が発生していることが分かります。

アラバマ州、フロリダ州、ジョージア州、そしてサウスカロライナ州で竜巻が襲ったようです。

The Deadly US ‘Tornado Outbreak’ Has Confirmed One of Scientists’ Biggest Fears

アメリカ南東部、いわゆるカルトバイブルベルトでトルネードの発生が悪化しているようです。

2016年の調査によれば、北米での竜巻の平均発生数は、1954年の10から15に「50％」増加しています。

これからは極端とも言える発生があるかもしれないとあります。

トルネードも、予測不能な発生が増えていくだろうと見ています。

気候変動でしょうね。

形として具体的に見えるようになったら手遅れだと思ってますけどね。

昨日、世界が10年間で排出した温暖化ガスをチャラにするには、世界に「3兆本」の樹木を植えなければならないとするクロウザー博士の試算を書きましたが、この数ですと1300万人以上の人員が必要となる。

世界総人口の「0.18％」です。

この世界人口の「0.18％」で世界を救えます。

「1％」もいらないのです。

インド人を模範にした場合、80万人が24時間で5000万本の植樹をしている。

逆から言えば24時間で、やる気になれば80万人で5000万本の樹を植えることができる。

世界の気温上昇が危険水域であり、後戻りできない地点である気温上昇「1.5℃」に到達するのは、国連の警告によれば、早ければ2030年です。

後11年が限界点です。

単純に誤差を考慮して10年で3兆本の樹を植えるためには、約「1316万人」必要です。

80万人で5000万本とは、一人当たり24時間で「62.5本」植えることができる。

年間では「2万2812.5本」となる。

10年間では「22万8125本」の計算になります。

10年間で3兆本の植樹をするには、

3兆÷22万8125本＝1315万0685人

の人員を要します。

世界が真剣に取り組めば、不可能な数字ではない。

あくまでインド人の事例を基本とし、3兆本の樹木を植える面積が世界にあることが前提となりますが、1国では無理でしょうね。

しかして国際的な枠組みによって取り組めば、10年で3兆本の植樹はできそうです。

植樹で思い出したのが、かつて読んだ内村鑑三の『後世への最大遺物・デンマルク国の話』です。

植樹によって荒廃した国家が豊かな国家へと変貌した話です。

ネットでも読めます。

デンマルク国の話

かなり前ですが、文庫本で読み感動したことがあります。

かつてデンマークは、戦争によってドイツとオーストリアに国土の中でも最も豊かな領土の部分であるシュレスウィヒとホルスタインを奪われます。

これゆえにデンマークは、困窮の極に達します。

国は小さく、民は少なく、残された土地も荒れ果てた土地ばかりとなりました。

ここでデンマークの工兵士官ダルガスが、剣をもって失った土地を、鍬をもって取り返さんとした。

敵国に復讐するのではなく、残った土地を耕し、肥沃な土地に改造しようとしたのです。

ユトランドは、デンマークの半分以上ありましたが、3分の１以上は不毛な大地でした。

しかしてこの不毛な大地を良田沃野となし、外で失ったものを内で取り返そうとした。

ダルガスの武器は、二つだけであり、一つは水、二つ目は樹でした。

ひたすら不毛の土地に水を注ぎ、ひたすら樹を植えていったのです。

そしてデンマークには、至る所に鬱蒼と茂るモミの林ができました。

1860年には、わずか15万7000エーカーに過ぎなかった山林が、47年後には47万6000エーカーに達しました。

更に数十年後には、数百万エーカーの緑林となる。

植林の効果は、単に木材の収穫だけではなく、デンマークの気候まで変えました。

樹木のない土地は熱しやすく、冷めやすい。

植樹の前のユトランドは、夏は非常に暑く、夜は霜に覆われ、樹木にとってはたまったものではない環境でした。

日々、熱気と霜が降りるとすれば、植生にとっては致命的です。

しかして植林後、事態は一変します。

夏の酷暑と夜の霜は、全くなくなりました。

その結果、小麦なり、砂糖なり、大根なり、穀物と野菜が豊富に採れるようになったのです。

ユトランドの大モミの林は、農業を一変させ、豊かな田園に変えたのです。

木材を与えられ、気候を与えられ、豊かな土地を与えられたのです。

ただ辛抱強く樹を植えていっただけなのです。

しかして植樹の良き効果は、それだけにとどまりませんでした。

樹木の繁茂は、海岸から吹き付ける砂埃の荒廃を防ぎ、砂丘は海岸近くに食い止められ、洪水の害も取り除かれた。

これはどこの国にしろ植林の結果として、直にあらわれるものである。

かくしてユトランドの土地は、かつての荒れ果てた不毛の大地から肥沃な大地となり、全州が一変しました。

新たに町村が設けられ、土地の価格も暴騰しました。

道路と線路が縦横無尽に敷かれ、ユトランドは復活しました。

戦争によって失った肥沃な土地シュレスウィヒとホルスタインを失って、なおあまりある領土となったのです。

かつて戦争で土地を取られましたが、新たな良き国として復活したのです。

しかもその豊かさは、決して他国を侵略し、奪って豊かになったのではありません。

ただ樹を辛抱強く植えていっただけなのです。

これで豊かな国となった。

中々、含蓄深い話です。

気候変動の最大の武器として浮上してきた植林を聞いて、かつて読んだこの話を思い出しました。

他国を侵略せずとも、自国だけで豊かになることができる。

その豊かさの根本に自然界という神の体がある。

これを世界と人類は忘れているのかもしれません。