戒律とは、悪の問題です。
「父母を敬うこと」、「互いに愛し合うこと」等、善の戒めもありますが、それは裏を返せばその戒めを破れば悪と見ていることを意味しています。
善の戒めにしろ、悪の戒めにしろ、戒律はむしろ本来存在しない悪を創る作用があり、神の世界に戒律はありません。
戒律は心の外から善を押し付ける作用があるため悪をむしろ創ってしまうのです。
トルストイも残しておりますが、古代ローマ帝国では法律が厳格に整備されていた時代ほど悪徳と腐敗に満ちており、法律があまり整備されていない時代の方が美徳と善に満ちていたと言っています。
ワイルドは「一切はその人の内部から出てこなければならないのだ」と述べておりますが、確かに宇宙の一切は神の心の内部から出ています。
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