国際

恐慌の足音

毎月勤労統計調査10月分「確報」が出ました。

毎月勤労統計調査 10月 確報

実質賃金は10月「速報」と変わらず、「確報」も「プラス0.4%増」でした。

名目賃金は「プラス0.7%増」です。

これで4か月連続の上昇です。

現時点では為替は円高にふれておりますけれども、ゴールドマンサックスの来年2016年の為替予想はドル高予想です。

米ゴールドマン、2016年はドル高予想 米金利予想より速く上昇 ロイター

米金融大手ゴールドマン・サックスは19日に発表した2016年の見通しのなかで、米国で労働市場の改善と堅調な内需に支えられ金利が市場予想よりも速いペースで上昇する公算が大きいとして、同年はドル高が進むとの見方を示した。

このほか、米国では2016年を通してインフレ率が上昇すると予想。

日本は円高予想が多いわけですが、利上げによって金利差からドルが買われると見ている方が多いように思います。

リーマン・ショックから欧米日が金融緩和をし、低金利の中、お札を大量に刷って、それが新興諸国に流れて経済発展を促し、それが世界経済におけるリーマンショックの衝撃を緩和してきたわけですが、アメリカが利上げをしたために、今度はこれがアメリカに逆流し、新興諸国の資金が流出すると見られています。

ドル買いのドル高です。

こちらの予想の方が多いように思います。

アングル:来年のドル/円、強気派と弱気派が綱引き ロイター

野村証券・チーフ為替ストラテジスト、池田雄之輔氏は、3月に2度目の利上げがあると想定。

ドル/円はそれまでに130円へ上昇するシナリオを描く。

ドルは来年中には135円に上昇し得ると予想している。

ニッセイ基礎研究所のシニアエコノミスト、上野剛志氏も「来年3回程度の利上げはできるだろう」と予想、来年末にかけてドル/円は129円に上昇するとみている。

一方、弱気派は、12月FOMCで利上げした後は、もう1、2回で打ち止めとみている。

みずほ銀行・チーフマーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は、ドル/円は期待を織り込みながら、1─2月に127─128円程度まで上昇するにとどまると予想している。

強気派と弱気派、両者ともにドル高円安を予想しているようです。

強気派は「130円~135円」のドル高円安、弱気派は「1ドル124円~128円」です。

これは来年「黒田ライン(1ドル125円)」が突破される可能性が高いということでしょう。

ムーディーズが東芝をジャンク債に格下げしましたけれども同日、S&Pもジャンク債に格下げしていたようです。

ムーディーズ、東芝の格付けを投機的水準に S&Pも下げ   日経

米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は22日、東芝の長期会社格付けを「トリプルBマイナス」から投機的な水準である「ダブルBプラス」に1段階下げたと発表した。

多額の赤字で財務が悪化するため。

今後の見通しも格下げ方向とした。

東芝の株価も年初来安値を更新し、本日「220円60銭」を付けています。

東芝は既に「特設注意市場銘柄」に指定されおり、ジャンク債ともなれば増資や社債の発行は困難になります。

東芝の苦境はまだ続きそうです。

これにあてつけたのかどうか知りませんが、東芝がジャンク債に格下げされる3日前、韓国の国債を過去最高に格上げしています。

韓国格付け ムーディーズが過去最高に格上げ KBS

ムーディーズは、19日、韓国の国債を「Aa3(ダブルエースリー)」から「Aa2 (ダブルエーツー)」に格上げし、見通しを「安定的」に据え置きました。

「Aa2 (ダブルエーツー)」は、‘Aaa(トリプルエー)’、‘Aa1( ダブルエーワン)’に次ぐ上から3番目に高い等級で、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリアと合わせて世界で7カ国がこの等級に属しています。

韓国国債が、世界3大格付け会社から「Aa2」の等級を示されたのは、ムーディーズが初めてです。

これで韓国は日本国債よりも「2ランク上」の格付けとなりました。

いい加減に神道は異常でバカな真似はやめたらどうか。

犯罪国家が世界の盟主になることはない。

中国 ハイテク技術シェアで日本を抜く スプートニク

中国は、ハイテク技術シェアにおける首位の座を、日本から奪った。

医療及び通信機器、そして航空機など、アジアにおけるハイテク製品輸出において、中国が占める割合は、2000年の9,4%から昨年2014年には43,7%まで伸びた。

一方、長らくトップを走ってきた日本は、2000年の25,5%から昨年は7,7%まで下がった。

一方レポートによれば、中国のローテク製品輸出の割会は、2000年の41%から、昨年2014年は28%に下がった。

中国のハイテク製品輸出 「9.4%(2000年)」 → 「43.7%(2014年)」

日本のハイテク製品輸出 「25.5%(2000年)」 → 「7.7%(2014年)」

見事な落日です。

なぜ自分たちが衰退しているのか、その真の理由を知ることはないのでしょうし、理解もできないでしょう。

全世界は神が支配している事実を本当に知っているのでしょうか。

無神論者に真実など何も見抜けはしない。

中国のローテク製品の輸出が減少しているということは、技術力が向上し、高まってきているということです。

原油価格も一旦、WTIは「1バレル33ドル台」をつけた後、さすがにこれはまずいと思ったのか、今は「37ドル台」に戻しています。

上げ下げを繰り返しながらも、結局は下落傾向の途上にあるように見えます。

OPECが生産目標を放棄し、市場シェアの争奪戦を繰り広げている限りは、原油安の傾向は変わらないと思います。

どれか一国でも原油価格を上げようとして減産すれば、その国は市場シェアを他の産油国に奪われます。

来年からはイラン産原油も供給されてきますから供給過剰のデフレ、原油価格の低下は避けられそうにありません。

更に追い打ちをかけるようにアメリカが40年ぶりに原油の輸出を解禁しました。

米、原油輸出解禁へ=40年ぶり、市場波乱も―議会が法案可決 時事

これでまた原油の供給が増えます。

つまり原油価格は今後も下落していく可能性が極めて高いということです。

米議会上下両院は18日、米国産原油の輸出を40年ぶりに解禁する措置を含む2016会計年度(15年10月~16年9月)歳出法案をそれぞれ賛成多数で可決した。

オバマ大統領の署名を経て成立する。

世界の原油価格は供給過剰などを背景に低迷しており、米国の輸出が本格的に始まれば、国際相場をさらに押し下げるなど新たな波乱要因となる公算が大きい。

ここ広島ではレギュラーガソリンは「1リットル118円」、ハイオクは「1リットル129円」で売られており、灯油は18リットルで「1152円」で売られています。

これがアメリカの2回目の利上げである来年3月までにどこまで下がるか。

既に現時点で「1バレル15ドル」のプットオプションが買われる展開になっています。

そこまで下がるかもしれないと見ている投資家がいるということですね。

2016年の原油相場、15ドルへの下落を見込む取引も-オプション市場で ブルームバーグ

原油のオプション市場では、来年に1バレル=15ドルまで相場が下落することに備えた動きが出ている。

一部の投資家がエネルギー価格の一段の低迷を予想している新たな兆しだ。

ゴールドマン・サックス・グループの商品調査責任者、ジェフリー・カリー氏は22日のリポートで、「供給過剰が来年に入ってもしばらく続くとわれわれは見ている」と説明。

温暖な天候で需要の伸び悩みが続けば、原油相場が1バレル=20ドルまで下がる恐れがあると付け加えた。

1バレル20ドル!

現時点から更に原油価格が「46%」下がると見ている。

あるいは1バレル20ドル台を割り、10ドル台まで下落していくかもしれないと見ている。

しかも世界的に原油需要が減少するようにアメリカが利上げをしてくれましたので、供給だけが増加していくことになる。

需給関係から見ると原油価格がこのまま上昇していくとは思えない。

アングル:ハイイールド債急落で米景気の強さに懸念 ロイター

FRBの対応と米国市場の反応は大きく誤っているのだろうか。

フィッチ・レーティングスによると、最低15億ドルのハイイールド債のデフォルトは少なくとも13カ月連続で続いており、2008─09年の金融危機のピークにみられた記録にわずか1カ月と迫っている。

「2016年に景気後退に陥る可能性のある領域に入った。

特に中西部の複数州における地域においてだ」と、ヘネシー・ファンズ(HNNA.O)のポートフォリオマネジャー、ブライアン・ピーリー氏は指摘する。

同氏は「原油価格の調整の中のある時点で、消費者に対する原油安のメリットが労働市場における雇用の喪失に代わる」とみている。

先週はサード・アベニュー・マネジメントが7億8900万ドルのファンドを償還停止し、清算する方針を発表した。

ディストレス債を専門に扱い、13億ドルを運用するストーン・ライオン・キャピタル・パートナーズも後にファンドの一部の償還を停止した。

ルシダス・キャピタル・パートナーズもファンドを清算し、来月に9億ドル相当の運用資産を顧客に返還する計画だ。

エネルギー価格の下落の度合いは大半の投資家が予想したより大きく、米国の製造業から新興国のコモディティ輸出企業に至るまで圧力が加わっている。

メマニ氏は「実際に市場で最悪のリスクは、FRBの金融引き締めやドル高、そしてクレジットスプレッドのワイド化を原因とする米好景気の減速だ。

米国経済にはふらついている部分がかなりある」と指摘した。

サード・アベニュー・マネジメント 7億8850万ドル(954億円) 償還停止

ストーン・ライオン・キャピタル・パートナーズ 13億ドルの一部である4億ドル(484億円) 償還停止

英ルシダス・キャピタル・パートナーズ ファンド清算 9億ドル(1090億円)を顧客に返還

計2500億円の破綻です。

まだ小さい動きかもしれませんが、原油価格が下落していけば、この動きも拡大していくのでしょう。

世界の景気は悪化の方向に見えるわけですが、アメリカは更に利上げを目論んでいます。

元アメリカ財務長官ラリー・サマーズ氏は、FEDが利上げを急げば、世界全体をデフレスパイラルと不況の罠に巻き込みかねないと警告していました。

大体、アメリカの金融引き締めに根拠はない。

インフレの確認が取れてから、インフレと戦えばいいと言っていました。

しかしてインフレなどはまだまだ先の話であり、今は利上げするべきではない。

この50年間の間、1年先の不況を予測できたものなど存在していない。

世界が不況になった場合、FEDは平均3%~4%の利下げが必要になる。

しかしFEDにそのような金利の余裕はない。

アメリカの利上げは、世界的なデフレスパイラルを引き起こしかねない。

サマーズ氏は、そう警告していました。

アメリカは「終りの始まり」のトリガーを引いたのかもしれません。

庶民はアルファ米の購入でも考えておいた方がいいかもしれませんね。

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