プーチン大統領の顧問の一人であり、クレムリンの意向を代弁する政治学者・セルゲイ・カラガノフ氏が、「重大だが必要な決定―核兵器使用は人類を破滅から救える」という論文の中で第三次世界大戦を防ぐためにも限定的な戦術核兵器を使用し、核抑止力を復活させるべきであると主張しました。
「ウクライナの東部と南部を占領するだけではなく、全土を支配し、ウクライナをロシアに友好的な緩衝地帯にすることが重要だ。
そのためには、欧米諸国を屈服させる必要がある」
欧米諸国は、核兵器の恐怖を忘れてしまった。
欧米に核兵器の恐怖を思い出させ、自己保存の本能を復活させる必要があると語る。
「それでも欧米諸国が引き下がらない時には、ロシアは欧米諸国の複数の目標に核攻撃を実施するべきだ」
欧米への先制核攻撃を主張しています。
ロシアは軍事支援を受けるウクライナと後2年~3年は戦えるが、今のままでは完全な勝利は得られず、欧米の支援をやめさせ、ロシアが前進するには核兵器使用もやむなしと言っています。
核問題専門家アルバトフ氏らは、米国が欧州に配備する戦術核一つでも約24万4千人が犠牲になるとの試算を提示。
その後は報復の応酬で「最初の1週間に北大西洋条約機構(NATO)諸国とロシアで計9千万人の死者が出る」とし、カラガノフ氏の議論は誤りだと指摘した。
ロシアとNATOの戦争では、最初の一週間で「9000万人の死者」が出ると推計されています。
つまり億単位の犠牲が出るということです。
プーチン氏は、サンクトペテルブルクでの国際経済フォーラム全体会合でベラルーシへの戦術核配備の第一弾は搬入されたと述べ、年内に全ての配備が完了すると言っています。
ポーランドへの圧力なのでしょうが、もしNATOとの戦争になるとすれば、来年以降と見ているようです。
さらにプーチン氏は、
ロシアの核兵器はNATO側より多いと指摘した上で「だから彼らは常に削減交渉を迫り続けている。
くそったれめ」と笑いながら言い放った。
バイデン大統領は、かつて「プーチン氏は権力の座に居座り続けることはできない」と述べており、プーチン氏はプーチン氏で国家主権保持のための核兵器使用を断言していました。
バイデン大統領は、ロシアの核使用は「現実的」と述べていますが、膠着状態を脱するには核兵器を使用するかもしれません。
これだけ対立が根深いと、いくところまでいきそうです。
冷戦時代からのカルマが解消されるかもしれません。
YCC(イールドカーブ・コントロール)で変動幅を「1%」まで容認した日銀ですが、未だじわりじわりと円がしつこく売られています。
金利が「1%」まで上昇すれば、日銀は「28.6兆円」の国債の含み損を抱えることになり、明らかに債務超過です。
長期金利は「0.6%」を超え、通常は利上げですので円買い要因なのですが、金利が1%上昇すれば国債価格は下落し、日銀の抱えている膨大な国債の含み損によって、日銀自身が債務超過に陥ってしまうため、その足元を見られて逆に円が売られています。
長期金利が「0.7%」を超え、それでも円安が止まらなければ、財務省が介入すると言っています。
要するに諸外国から日本は衰退していく国家と見られているのでしょう。
円安となれば、輸入物価が上昇し、インフレ圧力となり、インフレを抑えようとすれば、更に金利を上げざるを得なくなり、国債の含み損が拡大していくだけです。
日本はインフレになった時点で「王手」であり、チェックメイトです。
インフレを退治するには、需要を抑制し、破壊していかなければなりませんが、経済の更なる縮小を招くだけです。
なんせ「右を見ても、左を見ても、どこにも子供がおらんのざ、もう年寄りだらけざ」の少子高齢化国家ですので経済の縮小は避けられません。
6月の実質賃金も出ましたけれども、15か月連続でマイナスです。
「マイナス1.6%」でした。
6月の消費支出も出ましたが「マイナス4.2%」となり、4か月連続のマイナスとなっています。
農林水産省が日本の食料自給率を公表しておりましたが、過去最低を記録しています。
日本の食料自給率は、先進国の中では極端に低く、円安が自給率を押し下げたようです。
農林水産省は7日、2022年度の食料自給率(カロリーベース、概算値)が前年度から横ばいの38%だったと発表した。
生産額ベースでは5ポイント低い58%となり、比較可能な1965年度以降で過去最低となった。
ロシアのウクライナ侵略を背景にした穀物や燃料価格の上昇に加え、円安が進展したことが自給率を押し下げた。
円安はドルベースのGDPも押し下げますが、食料自給率も押し下げるようです。
食料がなくなれば、その文明は1週間で崩壊すると言われています。
日本経済が破綻すれば、令和の大飢饉が起こるでしょうね。
アベノミクスは日本経済にとって、まさに致命的でした。
心臓を一突きにするようなものですが、致命傷を与えてしまいました。
だから心臓を撃たれて暗殺されたのかね。
日本経済を殺してしまったから自分が殺されたとか。
「救世の法」をみずから破壊して死んでしまった教祖もいました。
今後も円安傾向は継続していくでしょうから、食料自給率はまた押し下げられることになります。
政府の食料自給率の目標はこうなっています。
2030年(令和12年)までにカロリーベースで「45%」、生産額ベースで「75%」が目標値です。
2022年はカロリーベースで「38%」、生産額ベースで「58%」ですから目標から遠く離れています。
円安傾向で、この食料自給率は更に押し下げられる可能性が高いわけです。
ちなみに諸外国の食料自給率はこうなっています。
やはり日本は食料自給率が極端に低いです。
布石と言いますか、わざとじゃないか?
臣民、飲むものも食べるものもないと不足申しているが、まだまだ少なくなりて、一時は食うものも飲むものもなくなるんだぞと昔から予言されていますからね。
勝手にやってもらうしかない。
格付け会社のフィッチがアメリカを格下げしました。
米長期債格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げ=フィッチ ロイター
格付け会社フィッチは1日、米国の外貨建て長期債格付けを「AAA」から「AAプラス」に引き下げた。
向こう3年間に予想される財政悪化に加え、一般政府債務が高水準で増加していることを反映した。
見通しは安定的。
2011年のS&Pの格下げに続いてフィッチも今年2023年、アメリカを格下げしました。
増大している政府債務が理由ですが、確かに今世紀に入って異常な増え方をしています。
2001年の債務の5倍以上に増えています。
今のところ「32.687兆ドル(4674兆円)」とあり、対GDP比も「119.14%」とありますが、日本の政府債務である「1270兆円」が小さく見えます。
いずれ5000兆円を突破するのも時間の問題でしょう。
アメリカのトラック運送大手のイエローが経営破綻し、チャプター11を申請しています。
米トラック運送大手イエローが破産申請、合併で多額負債 ロイター
米トラック運送大手のイエローは6日、米連邦破産法第11条(民事再生法に相当)の適用を申請した。
合併に伴う多額の負債を抱えていた。
破産申請書によると、推定資産は21億5000万ドル、負債は25億9000万ドル。
米当局者は、政府が損失を被る可能性があるとの見方を示している。
監査報告書や破産関連書類によると、財務省は融資の追加担保としてイエローの株式1590万株を引き受け、31%近くの株式を保有している。
現在、アメリカでは企業倒産が増えており、1924年創業のこのイエロー・コーポレーションもその一つです。
米国で企業倒産が増えている。
2023年1〜7月の倒産件数は402件となり、前年同期の2倍になった。
過去10年で最多の水準で推移する。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、23年1〜7月の倒産件数は22年1〜7月(205件)から倍増した。
新型コロナウイルスの感染拡大直後で経済環境が悪化した20年1〜7月(407件)に並び、過去10年で最多水準だ。
世界的な金融危機の影響をうけた10年1〜7月は530件で、通年でこの水準に迫る可能性もある。
去年の同時期の「205件」から「402件」と倍増しています。
リーマン・ショックの影響による2010年の「530件」には及びませんが、通年ではこの水準に迫るかもしれないと記事にあります。
製造業では、既にリーマン・ショック時に匹敵しており、主要29か国の「7割」で企業活動が縮小しています。
これらの事態を受けてモルガン・スタンレーが株高に警報を発しています。
米株に警報鳴っている、リスクは財政政策-モルガンSのウィルソン氏 ブルームバーグ
今年の米経済成長を支えた政府の大規模支出は持続不可能の兆候が示され、米国株には警報が鳴り響いてると、モルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏が指摘した。
未だリセッションになっていないのは巨額のばらまき、いわゆる財政出動が原因であり、失業率が極めて低い時にこれだけの財政赤字が出るのは異例であると言っています。
しかしてその大規模な財政出動も不可能になりつつあると言っています。
大国ロシアとアメリカのトップが核兵器使用に言及したり、世界経済に暗雲が立ち込めたり、救世主が使命を果たすことなく死亡したり、スーパー・エルニーニョが襲来したりと一つのティッピング・ポイント(臨界点)に向かっている感じが強いですが、先月の7月の世界の平均気温は、古気候学者によれば、過去12万年で最高だったと述べています。
地球の気温「12万年ぶり最高」 古気候学者、温暖化警告 日経
世界気象機関(WMO)と欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は、2023年7月の世界の平均気温が観測史上で最高となる見通しだと発表した。
観測記録のない太古の気候を探る研究者は「地球の平均気温はおよそ12万年ぶりの最高気温を記録した」と温暖化の進行に警鐘を鳴らす。
古気候学についてはここで少し言及しています。
温度計が発明されたのは1850年頃のことですから、それ以前の気温を知ろうとすれば、気候代替データ(気候プロキシ)に頼るしかありません。
気候を何等かの形で留めている自然現象です。
この気候代替データの研究者を古気候学者と言いますが、先月の7月は12万年間で最も暑かったと言っています。
そしてこの地球温暖化が、更に地球を恐ろしい事態に追い込んでいくことになります。
海洋大循環の停止です。
海洋大循環が停止しますと一体どういった恐ろしいことが起きるかは、一度こちらで記事にしたことがあります。
地球の気候が無茶苦茶になってしまうのです。
1000年かけて巡る海洋大循環ですが、そのうち大西洋における表層海流が北上し、深層海流が南下していく大西洋南北熱塩循環(AMOC)が、早ければ2025年にも停止するという驚くべき論文が科学誌ネイチャーに発表されました。
大西洋の海洋循環、今世紀半ばにも停止か 「早ければ2025年」 CNN
チームは「信頼性の高い」予測として、AMOCが早ければ25年、遅くとも95年には停止し得ると主張した。
39~70年に停止する可能性が最も高いという。
ディトレフセン教授はCNNとのインタビューで、「実に恐ろしい」「軽々しく論文に書くような話ではない」と語り、この結論に確信があると強調した。
温暖化によってグリーンランドの氷が溶け、淡水が海水と混ざり、塩分濃度が低下し、表層海流が深層海流に沈み込まなくなり、AMOC(大西洋南北熱塩循環)が停止するかもしれないのです。
ここ数年は、地球温暖化の影響によってこの循環が弱まっていることが報告されておりましたが、IPCCの最新の報告書であるAR6(IPCC第6次評価報告書)では21世紀中に停止する可能性は低いと報告されていました。
ところがデンマーク・コペンハーゲン大のチームが、AMOCが止まる時期をシミュレーションした結果、早ければ2025年にもAMOC(大西洋南北熱塩循環)が停止するという結果になったのです。
干ばつや厳しい冬がやってくる? 大西洋の海洋循環、今世紀半ばにも崩壊か —— 最新研究 BI
地球の気候に影響を与える大西洋の重要な海洋システムが2025年から2095年の間に停止または崩壊する恐れがあると、最新研究が指摘した。
海洋システムが崩壊すれば「地球上の全ての人々」に影響を及ぼすような気象パターンの変化が起こるだろうと、専門家はCNNに語っている。
AMOCの崩壊がもたらす具体的な影響としては、西アフリカの永続的な干ばつや西ヨーロッパの厳しい冬、インドや南米、西アフリカにおけるモンスーンのパターンの混乱などが考えられるとCNNは2021年に報じている。
AMOCの崩壊は世界各地の海水面の急激な上昇を引き起こす可能性もある。
こうなったら世界経済もへったくれもありません。
かつて不安定な温暖期であるベーリング・アレレード期の終わりに海洋大循環が停止し、ヤンガードリアスという氷河期を招きました。
世界中の海流が停止したことによって1300年間、地球の大部分が氷河期になったのです。
現代においてAMOCが停止すればどうなるのか?
大西洋の大きい海流が止まってしまうと、世界規模の大災害が始まる Gizmodo
AMOCがなければ、北半球と大西洋の大部分が大幅に寒冷化して海氷が拡大することは、過去の研究で明らかになっています。
今回の研究はそれを裏付けるもので、北大西洋とヨーロッパの一部地域では、AMOCが止まって数十年で平均気温が15度以上も下がるそうですよ。
でも、気候モデルは、AMOC崩壊の影響は大西洋海盆や北半球にとどまらず、地球規模で急激な気候の変化を引き起こすことを示しています。
北半球の太平洋では海水温が低下します。
北半球は乾燥して、南半球では雨が多くなります。
ユーラシア大陸やその他の北半球の地域では、いまよりも高気圧に覆われるようになります。
貿易風は南下して強くなり、他の地域でも風は強まるそうです。
残念なことに、南極の氷床融解は加速するでしょう。
海流が停止しているため、永続的に南半球に熱とエネルギーが蓄積されていくのです。
すると南極の気温が上昇し、その氷が融けていくのです。
南極の氷が全て融けますと海面は「60メートル」上昇します。
雨に恵まれた穀倉地帯に雨が降らなくなり、干ばつが増えます。
今まで雨に恵まれてこなかった地域に降雨がありますが、そこは穀倉地帯ではありません。
暖かい海水を失った北米とヨーロッパの気温は劇的に低下していきます。
1年のうち10か月は冬になると予測されているのです。
気象パターンが変わるということは、今までのようには生きられなくなるということです。
人類に今までの価値観と生き方を変革するようにという天からの警告となるかもしれません。
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