「毎月勤労統計調査」9月分の速報が出ました。
実質賃金は「0.5%増」であり、3か月連続の上昇です。
7月は「0.5%増」、8月は「0.1%増」、9月(速報)は「0.5%増」でした。
原油価格はバレル45ドルを挟んでの横這いの展開が続いておりますが、出光興産、JXホールディングスに続いてコスモエネルギーホールディングスも赤字転落です。
コスモエネルギーHD、原油価格下落による在庫評価影響などで赤字転落…2015年4-9月期決算
コスモエネルギーホールディングスが発表した2015年4-9月期の連結決算は、営業損益が34億円の赤字に転落した。
在庫評価影響と、油価下落による石油開発事業の収益悪化で経常損益は75億円の赤字だった。
通期業績見通しは、油価下落に伴う市況低迷を受け下方修正した。
原油安が直撃しています。
今後の原油価格の動向もバラバラであり、ある者は来年上昇すると言い、またある者は低下していくと報じられています。
OPEC首脳は来年から原油価格は上昇していくと見ています。
原油市場、来年は一段と均衡に近づく 価格上昇へ=OPEC首脳 ロイター
バドリ事務局長は9日、原油需要は今後も拡大し、来年は市場が一段と均衡に近づくとの見方を示した。
「市場はこの新たな現実を受け入れ、徐々に適応しつつある。OPEC非加盟国の供給は減少している」と語った。
アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相も9日、市場のリバランスは始まっているとし、価格は来年上昇し始めるとの見解を明らかにした。
また原油価格が低迷してもUAEは設備投資を縮小するつもりはないと述べ、生産能力を日量350万バレルへ拡大する意向を示した。
市場シェア獲得のために原油生産を減少する気はないけれども、原油需要が増加するので価格は上昇していくと言っています。
中国経済も鈍化傾向にあり、バルチック海運指数も低下傾向になっておりますが、原油需要が来年は増加すると見ているようです。
普通に見ますと景気減速で原油需要は減少するため供給過剰により原油価格は低下していくように思われます。
ちなみにバルチック海運指数は「631ポイント」まで低下しています。
また別のOPEC代表は原油の供給過剰は5年続くと述べ、原油価格は低下していくと見ています。
クウェートのOPEC代表:原油の供給過剰は5年続くと予想 ブルームバーグ
モハメド・シャッティ氏は、中東での増産で原油市場は5年間にわたって供給過剰の状態が続くとの見通しを示した。
シャッティ氏は「市場の供給過剰が解消されるまで価格下落は続くだろう。
多くの国々が生産を増やすと予想されている。
イランの原油生産は回復する見通しで、それは生産の増加を意味する」と述べた。
同氏は、需要が余剰生産能力を吸収することはなく、それが供給の価格への影響を変化させるだろうと指摘。
供給過剰のデフレ、いわゆる原油価格の下落は当面続くという見方です。
ロイターとブルームバーグで相反する報道が見られるわけですが、全体的に見ますと現時点では原油の供給過剰は続き、原油価格は下落傾向になると見ている者が多いようです。
バレル40ドルを割りますとエネルギー関連のジャンク債がサブプライム化してきますので、40ドル台を死守しているような動きに見えなくもありません。
原油価格は注視していく必要があると思います。
1949年の中国と台湾の分断から66年ぶりに中台トップ会談が実現しました。
今まで民間の経済交流は頻繁にありましたけれども、中国と台湾のトップ同士が顔を合わせるのは初めてです。
80秒間の固い握手を交わしています。
対話の基礎である「92年コンセンサス」を基本に会談が行われました。
「92年コンセンサス」とは1992年、中台双方の窓口機関での事務レベルの折衝過程で形成された「台湾と中国は一つの中国であると口頭で確認したコンセンサス」のことです。
民進党は正式な文書が存在しないとこの点を批判しています。
互いに国家同士の会談と言う意味合いを避けるために、日本語で「・・さん」を意味する「先生」という呼称で呼び合っています。
台湾の馬英九総統は「習先生」と4回呼び、中国の習近平国家主席は「馬先生」と2回呼んでいます。
互いの満面の笑みでの握手を見ますと、台湾の国民党が親中派であることが分かります。
さすがに民進党ではこうはいかなかったでしょう。
中台双方で閣僚級のホットラインを設けるようです。
馬英九総統の任期は2016年5月20日までです。
台湾総統選挙は2016年1月16日であり、民進党がリードし、政権交代が予測されています。
今回の会談は中国側が国民党を側面から援護したと見られています。
では肝心の台湾国民の世論は、この会談についてどういった反応を示したのでしょう。
日本の報道では、とにかく民進党よりの反応しか報道しない偏った報道のために実際が分かりにくいわけです。
野党・民進党とメディアが反発しただの台湾で抗議デモが起こっただの懸念しているだの、台湾人ジャーナリストが馬総統を「嘘つき」呼ばわりしただの、とにかく反中国世論しか報道しません。
日本では、すべての台湾人は反発しているといった報道しかしないのです。
中台トップ会談の結果――台湾国民は大陸を選ぶのか日米を選ぶのか?
この記事を見ますと、日本の報道との乖離を感じさせます。
台湾Yahoo(Yahoo奇摩)がネット・アンケートを実施した。
7日午後4時から7時までの時点で、「今回の馬習会談(馬英九・習近平会談の台湾における呼び方)をどう思いますか?」という問いに5233人のネットユーザーが回答。
「49%が非常に満足、22%が非常に不満足、19%がまあいいのではないか、6%があまり満足ではない、4%が分からない」だった。
つまり「68%が肯定的」だったことになる。
「馬習会談が終わった後の馬英九の態度(主張)をどう思うか?」という質問が台湾Yahoo空間でなされたが、それに対して2518人のネットユーザーが回答。
結果は「50%が非常に満足、23%が非常に不満足、18%がまあいいのではないか、6%があんまり満足ではない、3%が分からない」だった。
これも合計すれば、「68%が肯定的」となっている。
台湾の世論は「68%」が今回の会談を肯定的に捉えていたようです。
日本の反中国世論は凄いです。
ここにおもしろいデータがあります。
中国に対し諸外国の国民はどのような印象を持っているのだろうか。
アメリカ合衆国の民間調査機関Pew Research Centerが2015年6月に発表した世界規模の調査結果「Global Publics Back U.S. on Fighting ISIS, but Are Critical of Post-9/11 Torture」を元に確認していく。
中国に対する諸外国の国民の印象が下記です。
おもしろいですね。
世界中で一番中国が嫌いな国民が日本人であることが分かります。
好き派が、わずか「9%」しかいません。
中国好きと言えば、迫害されそうな数字ですね。
全体としての中央値は「55%」が好き派、「34%」が嫌い派と言う結果になっています。
アジア全体では日本人の次に中国が嫌いな国民はベトナムであり、好き派が「19%」となっています。
これを見ますとアジア全体では、ほとんどが中国好きであることがわかります。
パキスタン・マレーシア・フィリピン・韓国・インドネシア等、半数以上が中国に対して好意的です。
南米も概ね中国好きであり、アフリカなどは圧倒的に中国好きなのが分かります。
随分、日本の反応と異なっているのですね。
あまり偏見を持ち過ぎますと、うらしま太郎状態になるのではないでしょうか。
今回の中台トップ会談が台湾総統選挙に及ぼす影響はあったのか、なかったのか。
現時点では民進党が政権を取りそうな勢いですが、馬英九総統は最後の花道を飾ったようにも見えます。
来年1月16日の台湾総統選挙も注目でしょう。
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