国際

世界貿易大戦

オバマ大統領の最後の演説です。

オバマ大統領が最後の演説、米国の価値の低下防止を訴える ロイター

アメリカの価値低下を懸念しています。

オバマ大統領は1万8000人の群衆を前に「米市民としてわれわれは引き続き外部からの攻撃に警戒の目を向けなければならない。

われわれの価値が低下するのを防がなければならない」と呼びかけた。

マフィアのボス顔負けの恫喝で、フォードのメキシコ工場をあきらめさせたトランプ次期大統領ですが、トヨタが屈するかどうか見ておりましたが、「あッ」という間に屈しました。

風のような速さです。

ここまで迅速に反応しますと、見ていて清々しいですね。

トヨタ「米で1.1兆円投資」社長表明 トランプ政権にらむ 日経

(トヨタは)今後5年間に米国で100億ドル(約1兆1600億円)を投資すると正式に表明した。

トランプ次期米大統領が自動車メーカーに米国での投資や雇用を拡大することを求めており、応える格好になる。

やはりこれですね。

すばらしい五体投地ですね。

ヒラリー氏当選を目論んでいたジョージ・ソロス氏も、中々痛い目を見ているようです。

ソロス氏が大損1100億円=「トランプ相場」で痛手-米紙 時事

トランプ当選で株価が下がると見込んでいたソロス氏ですが、トランプ相場で大損こいてます。

米著名投資家ジョージ・ソロス氏(86)が、昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利して以降、大方の予想に反して大幅な株高となったことで10億ドル(約1100億円)近い損失を出したと報じた。

1100億円 !!

ソロス氏は政治的にも経済的にも痛い目を見ています。

こういうのを「踏んだり、蹴ったり」とか「泣きっ面にハチ」と言う。

1月20日にトランプ次期大統領が正式に就任するわけですが、俗に「3G政権」と言われています。

大富豪、GS、将軍… トランプ氏、偏る「3G」政権 朝日

政治経験のない「異端児」の組閣には、大富豪(Gazillionaire)、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、将軍(General)という三つの特徴が見られ、頭文字から「3G」政権と呼ぶ声もある。

億万長者をミリオネアといいますが、ガジリオネア(Gazillionair)は「億兆長者」と言います。

ガジリオネアの「G」、ゴールドマンサックスの「G」、そして将軍(General)の「G」、この三つの「G」で3G政権です。

陣容は今のところこれです。

情報BOX:トランプ米次期政権の閣僚候補者の顔ぶれ ロイター

どいつもこいつもボス顔であり、威圧感があります。

この顔で、昨日ホワイトハウスの担当記者であるCNNのジム・アコスタ記者をボロクソに言っていました。

これですね。

どれも1、2分ほどの動画です。

この部分が問題になっています。

ジム・アコスタ記者がトランプ氏に食って掛かっていますが、削除してトランプ氏の言動のみを抽出した動画がこれです。

27秒です。

「あなたじゃない、静かに、今、彼女が質問している。

失礼はやめなさい。

あなたに質問は許していない。

あなたの組織(CNN)は酷い。

あなたは偽ニュースです。You are fake news」

ツイッターではこういったものが流れています。

日本語の記事はこれです。

会見で再びトランプ節さく裂、メディア叩きに支持者ら歓声 AFP

「ナチス・ドイツ(Nazi)がやりそうなこと、やったようなことだ」と主張した。

さらに、会見に出席したCNNテレビのホワイトハウス(White House)担当記者の質問を拒否。

同記者を指さして「静かに」と命じると、「質問はさせない。君たちは虚偽ニュースだ」と言い放った。

また、事実検証をしないまま文書の内容を公開したニュースサイト「バズフィード(BuzzFeed)」についても「できそこないのごみの山」と呼んだ。

その後、トランプ氏は自己のツイッターでこう言っています。

CNNは偽ニュース(FAKE NEWS)によって完全に崩壊する。

CNNの信頼性は、まもなく消え去るだろう。

テキサスのランディー・ウェーバー議員が、このCNNのジム・アコスタ記者を首にすべきと言っています。

Lawmaker: Fire CNN reporter who fought with Trump

大統領に正式に就任する前から、いきなり戦争モードですが、日本も他人事ではありません。

トランプ次期大統領から名指しされました。

トランプ氏、日本に2回言及 中国やメキシコと並列で 日経

トランプ次期米大統領は選挙後初めてとなる11日の記者会見で、日本に2回言及した。

ともに貿易不均衡の相手先として攻撃している中国とメキシコと並べて呼んだ。

具体的な問題には言及しなかったものの、貿易赤字の解消策の矛先が今後、日本に向かう可能性も懸念されそうだ。

「ロシア、中国、日本、メキシコ、すべての国が、過去の政権のときよりも、もっと我々を尊敬するようになるだろう」

この態度を見ますと、どうやら貿易戦争が、まじで勃発しそうです。

世界で対米通商戦争が現実味 WTO協定違反、泥沼紛争の恐れ 産経

トランプ次期米大統領が11日の記者会見で日本などを名指しして「貿易不均衡の是正」を宣言したことで、対米国の通商戦争が現実味を帯びてきた。

いずれも世界貿易機関(WTO)協定違反で相手国に訴えられ、泥沼の紛争になる恐れがある。

トランプ氏は米国に巨額の貿易赤字をもたらす“敵国”として日本、中国、メキシコを列挙。

トランプ氏は高関税が認められなければWTOから脱退も辞さない姿勢だ。

最悪の場合、保護主義の台頭による国際的対立が大戦を招いた悪夢の再来になりかねない。

日本企業への圧力が止む兆しは一向にない。

WTO脱退も辞さないそうです。

この強硬姿勢を見ますと、NAFTAからも脱退していくでしょうね。

TPPなど言語道断といったところでしょう。

日本側はトランプ氏を、甘く見ていたかもしれません。

世界経済は大きく後退を余儀なくされそうです。

かつてユーラシア・グループのイアン・ブレマー氏は、トランプ大統領によって誰も世界を主導しない「Gゼロの世界」があらわれる。

アメリカ・ファースト(アメリカ第一主義)によってパクス・アメリカーナは終焉し、アメリカ経済は衰退していく可能性が高まると言っていました。

正確には世界経済全体が衰退していく可能性が高まった。

同様の趣旨の記事をフィナンシャル・タイムズも出しています。

[FT]トランプ氏の「米国第一」、退廃と衰退の始まり  日経

(ベルリンの壁崩壊は)楽観主義と、リベラルで民主的な理念が世界中に広がる時代を招き入れた。

トランプ氏の勝利で、その時代は決定的に終止符を打たれた。

トランプ氏の宣言――我々の計画は米国が最優先となり、グローバリズムではなくアメリカニズムが信条となる
ケネディ世代は大恐慌と第2次世界大戦から厳しい教訓を学んだ。

あの世代は「アメリカ・ファースト(米国第一)」――米国を広い世界の問題から隔絶しようとする政策――が最終的に、経済と政治の大惨事につながったことを知っている。

トランプ氏は保護主義者を自認する。

もしトランプ氏がこうした脅しを実行するようであれば、世界的な貿易戦争に火を付け、多分に世界を景気後退に陥れるだろう。

米国が保護主義政策をとったことで大恐慌の影響が増幅された30年代の状況と似る。

もし世界から身を引けば、米国はやがて、今より貧しくなり落ちぶれるだろう。

そして1930年代と同じように、最後には米国自体の安全と繁栄も、国際貿易の崩壊と権威主義者の復活に脅かされることになる公算が大きい。

トランプ氏は「米国を再び偉大にする」と約束した。

しかし、同氏の大統領就任は、実は米国の退廃と衰退を暗示している。

世界の中央銀行は既に弾を撃ち尽くし、リセッションに耐える体力はありません。

次の景気後退に対して打つ手はないのです。

利下げもできず、金融緩和もできない。

アメリカの長期金利も9%まで上昇すると見ている者もいます。

トランプ大統領を引き金に世界は貿易戦争の様相を呈し、財政拡大の道を余儀なくされるでしょう。

世界経済は、ほんと崩壊していくかもしれません。

過去の歴史から言えば、1929年の世界大恐慌から第二次世界大戦へと向かった、世界の自壊現象が始まるかもしれません。

世界貿易大戦から世界大恐慌、そして第三次世界大戦です。

恐らく今度の世界経済の後退が最後でしょうね。

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コメント

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