今年の6月9日、山形県酒田市で行われた核ミサイル避難訓練が波紋を広げています。
一報で報じたのはイギリスBBCですが、まずこの動画をご覧ください。
畑で頭を抱えてうずくまったり、うつ伏せになったり、塀に隠れたりしていますが、どこか違和感があります。
通常、核ミサイル訓練というならば、核シェルターに避難するのが常道です。
核兵器が落ちてくるのにうずくまっても意味がないのではないか。
この訓練はかなり嘲笑されているようで、誰が考えたのでしょうか。
まるで戦前の愚かな皇軍の指導を見ているようです。
「爆弾ぐらいは手で受けよ」を思い出しました。
世界各国の核弾頭保有数は、これです。
ロシア 7000発
アメリカ 6800発
フランス 300発
中国 260発
イギリス 215発
パキスタン 140発
インド 130発
イスラエル 80発
これに9ヵ国目として北朝鮮が入りますが、北朝鮮の弾頭保有数を正確に知っている者はいません。
すべて推測ですが、少し前までは北の核保有数は、コンセンサスとして「8発」でした。
ところが昨年9月、北朝鮮の核施設を最後に調査した専門家ジークフリード・ヘッカー氏は、北朝鮮は年間6発の核弾頭を製造する能力を保有していると言っています。
2016年度内に最低、北朝鮮は「20発」以上の核弾頭を保有していると見ています。
同じソースですが、中国は年間「7発」の核製造能力を保有していると報じています。
米専門家「北朝鮮、毎年核兵器7個作る能力を備えている」 中央日報
これですと北は3年で「18発~21発」の核弾頭を保有することになる。
ところがソースのワシントン・ポストの記事にもありますが、先月の国防情報局(DIA)の調査によれば、北朝鮮は最大「60発」の核弾頭を保有していると報じています。
ちなみに最新のこの記事では、ジークフリード・ヘッカー氏は、北朝鮮は核弾頭を「20発~25発」保有していると言っています。
これですと後3年で北朝鮮は、イスラエルと同等の核弾頭を保有している計算になる。
立派な核保有国です。
しかも北朝鮮は核弾頭の小型化に成功し、それをICBMに搭載することができる能力をもっていると報じています。
ただ大気圏再突入実験には失敗しているようであり、北朝鮮は成功したと主張していたわけですが、専門家は懐疑的です。
核弾頭の大気圏再突入実験に失敗し、燃え尽きたとしても、少なくとも来年の末までには、その最後のハードルを越えると見られています。
これですと遅くとも来年の末までには米朝開戦となります。
先週の国連において北朝鮮の年間収入「30億ドル」のうち3分の1にあたる「10億ドル」に打撃を与える制裁決議が全会一致で可決されています。
この経済制裁は、抜け穴だらけで効果を疑問視する人もいますが、中露が賛成に回っています。
経済制裁も確かに実行しているのですが、あまり効果をあげていません。
トランプ大統領も、経済制裁だけではなく、自己のツイートで北朝鮮を威嚇しています。
米朝が激しい応酬、北朝鮮「グアムのミサイル攻撃を検討」 Newsweek
トランプ大統領が、
「世界がこれまで目にしたことのないような炎と怒りに直面することになる」
と威嚇しています。
自己のツイートでもこの部分を掲載しています。
President Trump vows America will respond to North Korean threats with “fire & fury” in a warning to the rogue nation pic.twitter.com/UaE2rPkZ6f
— FOX & friends (@foxandfriends) 2017年8月9日
.@POTUS responded to reports of North Korean nuclear threats, saying Kim Jong Un “has been very threatening” https://t.co/aaf4i5Q97j pic.twitter.com/UaVkUjZXCk
— Fox News (@FoxNews) 2017年8月9日
この発言に関してマケイン議員などは、そういった発言は十分な準備ができてからするべきと言った批判が散見されます。
北朝鮮は、この発言に関して即座に反応しています。
アンダーセン空軍基地のあるグアム周辺に複数の弾道ミサイル「火星12」を発射すると恫喝しています。
これ以上、アメリカを脅せば、世界が見たこともない炎と怒りに見舞われると言っているのに、北朝鮮は更にアメリカを脅しています。
こういうのを「火に油を注ぐ」と言う。
朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)は9日、同国が中長距離弾道ミサイル「火星12」を米領グアム周辺に向けて発射する作戦を「慎重に検討」していると伝えた。
KCNAによると、朝鮮人民軍の報道官は、金正恩朝鮮労働党委員長が命令を下せば直ちに攻撃計画が「複数回にわたり連続的に実行される」と述べた。
「朝鮮人民軍戦略軍はグアム周辺地域を中長距離弾道ミサイル火星12で包囲射撃する作戦計画を慎重に検討している」と言明。
グアムにあるアンダーセン空軍基地など主要な米軍基地に対する抑止力を確保する狙いがあるという。
グアムには約6000人の米兵を含む16万人のアメリカ市民が居住しています。
Bill Richardson: “I think the president has a chance now to bring the country together.” pic.twitter.com/F7DXryLHzt
— Fox News (@FoxNews) 2017年8月9日
北朝鮮からミサイルが発射されますと20分で到達するハワイも、緊張状態にあり、ミサイル発射から警告を除外すれば、避難できる時間は15分ほどしかありません。
アメリカがサージカル・アタック(外科手術的攻撃・局所攻撃)を実行すれば、
「米本土を含む敵の要塞を一掃する全面戦争で対抗する」
と威嚇しています。
ティラーソン国務長官の外交用語も尽きかけていると皮肉られています。
・・もうこれは、戦争するしかないね。
ちなみに日本に関しては、こんなことを言っています。
北朝鮮が警告「日本列島を焦土化、太平洋に沈没」 小野寺防衛相を名指しで非難 ハフィントン・ポスト
日本は焦土化した後、太平洋に沈むんだそうです。
またアメリカに対してはこういっています。
朝鮮人民軍戦略軍、弾道ミサイルで「グアムに対する包囲射撃を検討」 デイリーNK
米国が称する「予防戦争」という選択権が果たして、米国にだけあるのか。
米国が自国の地をいかなる者の攻撃も受けない天国と考えるなら、それは明白に荒唐無稽(こうとうむけい)な妄想である。
米国は、朝鮮人民軍戦略軍の弾道ロケットが今この時刻も太平洋に向かって恒常的な発射待機態勢にあるという事実をはっきり認識し、われわれの弾道ロケットの発射方位角に深い注意を払わなければならない。
米国は正しい選択をして、明日になって今日を後悔してはいけない。
われわれがこのようなやむを得ない軍事的選択をしないように、わが国に対する無分別な軍事的挑発行為を直ちに中止すべきである。
グアムを包囲するような形で弾道ミサイルを撃つ作戦を練っていると言っています。
果たしてこれは相互の威嚇だけで済むのでしょうか?
アメリカは今まで核保有国と戦争をしたことがありません。
従来、アメリカが行ってきた戦争とは異なると思う。
アメリカ本土を直接狙える軍事力を保有している国と戦争をしたことがないのです。
北朝鮮との戦争は、極めて特異で予測不能、かつ冒険主義的な戦争になる。
少なくとも世界経済的には、破滅的な戦争になる。
休暇明けのトランプ大統領の対応には注目しています。
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