小売売上高が出ました。
前年比「マイナス0.1%」であり、前月比「マイナス1.1%」でした。
鉱工業生産指数も出ました。
前月比「プラス3.7%」であり、前年比「マイナス3.8%」でした。
前月の「マイナス1.7%」からの脱却です。
消費者物価指数も出ています。
CPIは「0.0%」、コアCPIも「0.0%」、そしてコアコアCPIは「0.7%」でした。
物価は全体的に下がっています。
またデフレに戻りそうな圧力です。
日銀版コアコアCPIも出ています。
1月は「1.1%」であり、初めてではないでしょうか。
前月(12月)の「1.3%」から低下しました。
総務省も日銀の新型コアもどちらも低下傾向です。
2月26日に「日本の財政関係資料」が出ましたが、プライマリー・バランスがまた改善されていました。
良かったですね。
赤字も減って、基礎的財政収支(プライマリー・バランス)も改善傾向で。
この傾向ですと2025年前後頃には、PB(プライマリー・バランス)は、黒字転換しているかもしれません。
財政赤字は、確かに酷いですが、対GDP比で「231.1%」とあります。
しかしてPBを黒字転換できれば、何とかなるのではないでしょうか。
政策的経費は「73兆1097億円」とあり、予算は総額「96兆7218億円」です。
税収は「57兆6040億円」、税外収入は「4兆6858億円」の計「62兆2898億円」です。
政策的経費との差額は「マイナス10兆8199億円」です。
これがプライマリー・バランスです。
去年のプライマリー・バランスは、確か「14兆円弱の赤字」でしたから、「10.8兆円の赤字」というのは、プライマリー・バランスが改善傾向にあると言っていいのではないか。
事実、リーマン・ショック以後、PBは一貫して改善傾向にある。
2007年には対GDP比で「マイナス1.1%」まで改善し、プライマリー・バランスの黒字化まで、あともう一息というところで翌年の2008年「リーマン・ショック」によって対GDP比「マイナス7.6%」まで赤字が落ち込んでいます。
しかしそれ以後は2013年に少し落ちたぐらいで、一貫してプライマリー・バランスは改善されています。
現時点では対GDP比「マイナス2.9%」まで回復している。
プライマリー・バランスの改善には景気の回復が必須であり、景気の良し悪しの動向に敏感に左右されます。
景気が悪くなりますと、一気にプライマリー・バランスは悪化していく。
グラフでは2つのケースを試算しています。
一つは「経済再生ケース」であり、二つには「ベースラインケース」です。
「経済再生ケース」では中・長期的に名目GDPが「3%」成長し、実質GDPも「2%」成長していく前提から試算されています。
「ベースラインケース」では、名目で「1%半ば」、実質で「1%弱」の成長を前提に試算しています。
赤が「経済再生ケース」のラインであり、青が「ベースラインケース」です。
「経済再生ケース」では2020年、プライマリー・バランスは対GDP比「マイナス1.1%」まで改善し、金額では「6.5兆円の赤字」となる。
PBは「6.5兆円の赤字」ですね。
「ベースラインケース」では2020年、PBは対GDP比「マイナス2.3%」であり、金額では「12.4兆円の赤字」です。
どちらのケースでも、2020年までのプライマリー・バランスの黒字化は、できないみたいですね。
ただPBは改善傾向にありますから、2020年に中間値の「マイナス1.7%」を前提で考えれば、2020年代後半には、PBも黒字化するかもしれません。
それまで何もなければという前提ですけれども、厳しいですかね。
政府は政策的経費のうち社会保障費と国債費は、ある意味仕方なく、増加していますが、それ以外の項目は全体的に削減しています。
よく財政出動の意見を耳にしますが、恐らく政府はプライマリー・バランスの黒字化に重点を置いているのではないか。
政府は2010年のプライマリー・バランスの赤字額を、2015年までに半減するという目標を掲げていました。
達成したのではないか。
2010年度対GDP比「マイナス6.6%」あったプライマリー・バランスの赤字を、2015年には「マイナス3.3%」まで半減させています。
金額ならば「マイナス15兆9500億円以下」ならば、達成したことになる。
2020年までというのは難しいでしょうが、少し時間をかければ黒字化も可能でしょう。
あくまで「金融ハルマゲドン」が起こらなければの話ですが、2008年の例もありますから起これば、どうにもならんでしょう。
2007年、日本はプライマリー・バランスの赤字を「9兆円」まで減らしていましたが、リーマン・ショックによって2009年、一気に「38兆1000億円の赤字」という過去、最悪の数字に落ち込んでいます。
テールリスクは誰にも事前に予測できず、しかしてないとも言えませんから、こういった「ブラックスワン・イベント」が発生しますと人間知を、あざ笑うかのような世界となります。
しかしこれがある意味、神がおられるという存在証明になっているのかもしれません。
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