Creator's Room

毎月勤労統計調査の9月分「確報」が出ました。

毎月勤労統計調査　9月分

実質賃金は「プラス0.3%」であり、速報値の「プラス0.5%」から下方修正です。

7月は「0.5%」、8月は「0.1%」、そして9月は「0.3%」であり、3か月連続のプラスでした。

バルチック海運指数は反発し「500ポイント」まで戻し、「516ポイント」をつけています。

一時的な反発かもしれませんが、CRB指数は変わらず「183.43ポイント」です。

シャープにきな臭い報道が目立ってきています。

東芝が不適切会計に揺れていた春の5月ごろから同時期にシャープの問題も出ていました。

始めは資本金を「1億円」に減資して中小企業となり、税制上の優遇を受けるのではないかというニュースでした。

しかしこれは反発を受けたために撤回されています。

シャープ１億円減資やめた　批判受け「５億円」に　産経

資本金「5億円」以上は大企業とみなされ、中小企業の優遇措置は受けられません。

しかし減資自体は行い、シャープは今年の3月末には「1218億円」あった資本金を、6月末に「5億円」にまで減資し、資本金1200億円を取り崩し、累積損失の穴埋めに使用しました。

シャープ、資本金５億円に大幅減資　主力行には優先株2000億円発行　日経

シャープの主力行はみずほと三菱東京UFJ銀行であり、この記事によれば今年の3月期でシャープは59億円の債務超過に陥っていたようです。

あのシャープが、資本金を「1億円」にまで落として中小企業にまでなろうとしたこと自体「異例」であり、かなり苦しい財務状況を伺わせます。

ここら辺からシャープについてきな臭い報道が目立ってきました。

シャープ、3千人リストラでも資金ショート危機　早くも再建計画の達成困難に

減資後、「49096人（国内25000人）」いた国内従業員の13%に当たる「3200人」をリストラし、大阪の本社ビルもニトリに売却し、本社向かいの「田辺ビル」も不動産大手のNTT都市開発に売りました。

売却額は計188億円です。

シャープ本社ビル、ニトリに売却合意　計１８８億円　朝日

産業革新機構による出資案によれば、ジャパンディスプレイ（JDI）との統合案が浮上しているようですが、シャープが液晶部門は手放さないと主張し、かみ合わないようです。

記事にはこうあります。

シャープはこれまでも巨額赤字を計上して経営危機が取り沙汰されてきたが、今回との決定的な違いは資金繰りである。

これまでの巨額赤字は評価損の計上など会計上の措置で、自己資本は減っても資金繰りには影響は、ほとんどなかった。しかし電機、金融業界内では、「すでに資金繰りはかなり悪化し資金ショートの危機に陥っている」（金融筋）とも取り沙汰されている。

会員制情報誌「FACTA」（ファクタ出版／11月号）が「年末までに現金が底を突く」と報じるほか、すでに複数のメディアが資金繰り悪化の懸念を指摘している。

資金繰りの危機を乗り切るには、主力銀行のみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行が、つなぎ融資をしなければならない。

あのシャープが、そんなに財務が悪化しているとは思いませんでした。

シャープの自己資本比率は「1.5%」と上場企業としては異常に低い自己資本比率です。

平均は「40%～50%」ですから異常に低いです。

有利子負債は「1兆2000億円」と思っていたのですが、これを見ますと「1兆円」を割っています。

ソース

記事には「年末までに現金が底を突く」とあり、「すでに資金繰りはかなり悪化し資金ショートの危機に陥っている」そうです。

倒産寸前のような書き方です。

シャープは2012年3月期から急速に悪化しているようです。

2012年3月期　3760億7600万円の赤字

2013年3月期　5453億4700万円の赤字

2014年3月期　115億5900万円の黒字

2015年3月期　2223億4700万円の赤字

2012年から今年3月期までの、わずか3年で「1兆1437億7000万円の赤字」を出しています。

赤字が1兆円を超えています。

今年の4月～9月までの中間決算を見ましても、やはり「836億1000万円の赤字」を出しています。

確かに凄まじい赤字ですね。

上記3年間の赤字と合算しますと「1兆2273億8000万円の赤字」となります。

半年で836億円の赤字と言いますと、1年間で1600億円を超えてしまいます。

資金ショートすると言っているわけですが、シャープは今どの程度、手元に現金を保有しているのでしょう。

今年9月末のキャッシュ・フロー計算書にはこう記載されています。

ソース 11ページ

シャープは今年4月には「2322億1100万円」の現金を保有していましたが、これが半年後の9月末には「1500億7400万円」となり、差し引き「821億3700万円」の現金流出を引き起こしていることが分かります。

わずか半年で821億円もの資金流出を起こしています。

1年間ですと1600億円を超えますから、このペースで資金流出が続きますと、来年の9月末には手元資金「0円」の事態を招きかねません。

営業キャッシュフローも591億円の赤字ですから、資金ショートの可能性はあるかもしれません。

特にシャープは長期の借り入れができない状況にあります。

シャープ役員、資金繰り「取引銀行の理解を得ている」 株主総会 日経

「取引銀行には当社の取り組みを理解してもらっている」と話し、短期的な資金のショートは起こりにくいとの認識を示した。

一方で「長期の借り入れができない状況ではある」

上記PDFの7ページの貸借対照表に短期借入金の記載があり、その額は「6385億200万円」とあります。

手元資金が「1500億円」しかないのに短期の借入が「6385億円」もあります。

銀行のつなぎ融資次第ということでしょうか。

ところが新たな記事が出ました。

2016年に消えそうな会社 シャープはいったい、いつまでもつのか　現代ビジネス

シャープが、いよいよ経営破綻の瀬戸際に立たされている。

今年6月に三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行から2000億円の出資を受けたものの、焼け石に水。

売上高が2兆円を超えるシャープの場合、手元にはその1割、2000億円超の現金が必要だとされる。

しかし現在、シャープの手元の現金残高は1000億円を割り込んでいるという。全国紙経済部記者が語る。

手元の現金残高が「1000億円」を割り込んでいるとあり、9月末からひと月半で500億円以上現金が流出していることになります。

これが事実ならば凄まじい資金流出を引き起こしていることになります。

記事はこう続きます。

11月末から12月にかけて、資金ショートが現実化する可能性が高い。

主力銀行の一つである三菱東京UFJはシャープ支援に終止符を打とうとしています。

産業革新機構も、倒産寸前の会社に無闇にカネをつぎ込むようなことになれば世論の猛反発を受けることがわかっているので下手に動けない。

まさに四面楚歌のシャープ——その断末魔の叫びが聞こえる日は近い。

あのシャープが倒産するのでしょうか?

少し驚きですが、事態を注視したいと思います。